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【黒田緩和は日本の米国債投資にプラスの貢献をちっともしていない…】「21世紀の人」ハルヒコ・クロダ③

2023-04-13 20:36:02 | 日本
前回からの続き)

 前述のように、日銀の総裁職を先週退任された黒田東彦氏らが推進した金融政策「異次元緩和」(長短金利操作付き量的質的金融緩和)の結果、5百数十兆円もの円貨が日銀当座預金に虚しく(何らの投融資等に回ることなく)積み上がるばかりになってしまいました。それはそうでしょう、同政策の前から、市中にはマネーが十分にあり、それらの多くは日本国債の投資に充てられていたときに、もう買うな!と言わんばかりの高値で日銀が国債を買い占めて、さらにマネーを吐き出したところで、その行先は・・・同口座くらいしかない、というものです・・・って、わずかな付利(年0.1%)を得るべく・・・

 で、本稿の文脈でこのことが意味するのは・・・世界一の債権国のマネーが借金国のファイナンスに回らなくなった、つまり、同政策の目論見のとおり為替レートの円安が進んだせいで、ジャパンマネーの外貨換算額の融資力とか購買力が激減したことで、それまでその借り入れに頼っていた外国が資金繰りに苦労するハメになった、というようなことです。当然そのダメージをもっとも食らう国は、日本の対極にある世界一の債務国アメリカになります。かの国は上記政策の直前は日本から100円で約1.25ドル(1ドル80円くらい)の借金ができたのに、いまは同0.77ドル(同130円くらい)と10年前の6割程度しか貸してもらえなくなった、といったことです。

 このあたりは「異次元緩和」開始前と現在の日本米国債保有額(≒日本がアメリカに貸したドル換算額)の比較でも確認ができます。トムソンロイター報道等によると、いまから11年あまり前の2012年1月のわが国の同保有額は1兆790億ドルと過去(当時)最大を記録しています・・・が、それから約11年後の直近(2022年12月)は同1兆763億ドルと、ほとんど同じ(どころか、ほんの少しだが減少)となっています。このことから、この間に行われた日銀の上記政策、そしてその結果として生じた円安モードは、アメリカの財政支援にプラスの貢献をちっともしていないことが分かるわけです。そこは上述したこと―――円の対ドルファイナンス力が大きく下がったこと―――が効いていると推測できるところでしょう。

 もっとも、財政(&国際)収支がプラスに転じるなどしていれば国内にマネーが残るから、アメリカは他国の投資金を呼び込まなくても何とかやっていけます・・・が、実態はその真逆もいいところなのはご存じのとおり。つまり、かの国はこの10年間も従前と同様、「双子の赤字」(財政赤字&貿易赤字)をひたすら増やし続けてきました。であれば、本来なら、その増大ペースに日本のファイナンス額が追いついてきてほしかった・・・のに、日銀&円安のせいで、それがかなわなかった、ということになるので、同政策は、プラスの貢献をしなかった、というより米財政には実質的に非常にネガティブに作用した、とみるべきでしょう・・・

 では、この間、増え続けるこの金額差―――増加一途のアメリカの借金の総額とまったく増えない日本の対米貸付額との差額―――を埋めたのはどこの誰でしょう。それこそ中国・・・ではなくサウジアラビア(産油国)・・・でもない、「最後の貸し手FRBだった、という次第です・・・

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