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【FRB議長、年内にQE開始可能と発言…】インフレ高進、米国民の我慢の限界、迫る?①

2021-08-29 22:12:28 | アメリカ
 やはり最後は暴動、そして内乱へ、といったコースは不可避のような・・・

 毎年この時期に開催される経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」の27日の講演で、米連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は、現在FRBが行っている量的緩和(QE米国債及び不動産担保証券の買い入れ)の規模について年内に縮小し得る(could be appropriate to start reducing the pace of asset purchases this year)と語りました。今年中に同縮小が可能との見方を示したのは、昨年のQE開始以降では初めてのことだそうです。他方、その後の利上げについては急がない(it won’t be in a hurry to begin raising interest rates thereafter)とも述べ、現行の低金利維持のスタンスを継続する姿勢も明らかにしています。ということで内外の経済・金融メディアは、FRBが緩和縮小に踏み切るのは、いつになる?が今後の焦点、などと報じているところですが・・・

 ・・・って、この点、結論からいえば、FRBは「金融引き締め」をすることはできない・・・から、その第一段階としてのQE縮小は至難、が答えになります。そのあたりは本ブログで何度も論じているように、FRBはとっくに―――超~遅くとも、新型コロナウイルス感染拡大に対処することを口実に開始された現行のQE(昨春)以降は―――その金融政策はアクセル(緩和)一辺倒で、その逆のブレーキ(緩和縮小→利上げ→・・・の引き締め)はコワくて踏めない状態になっているわけです。もっともアクセルは超~働くのにブレーキがまったく効かないのならそれは自動車とは呼べないのと同じで、アクセルオンリー・ノーブレーキのFRBはもはや中央銀行の体を成してはいませんが・・・

 ・・・みたいな指摘をされるのを避けるべく、せめて言葉だけでもFRBは引き続き中央銀行として金融をコントロールできる・・・かのように装わないと、ということでパウエル議長は今回も「口先利上げ」―――実際には利上げを含む引き締め実行は不可能だけど、口先では、近いうちに引き締める、と真逆を言うこと―――をするのだろうな、と予想していました。ということで冒頭の同議長の言葉には、やはりそのとおりだったな、との思いがします。

 当然ながら、市場もパウエル氏の発言をわたしと同じように聞いたのでしょう、FRBはQEを続ける以外にない―――保守的に予想しても利上げ(政策的な金利引き上げ)は絶対にない―――と。その表れが米株価です。同日のダウ平均は前日比0.69%高で16日に付けた史上最高値に接近したほか、NASDAQ総合指数は同1.23%上昇の史上最高値に達しました。これについて報道各社は、QE縮小が遠のいた安心感で株が買われたため、なんて伝えていますが、この株価の騰勢、市場に、やはり同縮小は無理だろ、とFRBが足元を見られた結果、と考えるべきでしょう。そしてこの株式市場のさらなるヒートアップは、上記ブレーキ(金融引き締め)のいっそうの困難化をもたらすことにもなります。ブレーキ時のダメージ(株価下落がもたらす悪影響)がもっと大きくなりますからね・・・

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