(前回からの続き)
以上、中央銀行のトップとしてその金融政策で『戦争の世紀』から『平和の世紀』へと時代を導いた方、というのが黒田東彦前日銀総裁の、(あくまでも)本稿の文脈に沿った人物評になります。であれば、いまから100年後の米「Time」誌が(かの国の今後を想像すると可能性は低いが?存在していれば)同氏を「21世紀の人」(Person of the Century)に選出してもおかしくはないでしょう・・・(?)
もっとも黒田氏や故安倍晋三元首相らが、こうした深~い?戦略観に基づいて同策を推進してきた・・・とはとても思えない、というのが正直な印象です。そこは・・・こちらの記事に書いたとおり、あらかじめこうなるようにプログラムされた歴史に関係各位が無意識に動かされた、といった感じかと・・・
まあともかく、結果として、その所期の目的の達成を見届けるかたちで黒田氏は退任されました。あとはオートマチックでしょう。そのあたりを示唆する直近の最重要データが不動産価格。昨年7月から前月比で(本来の趣旨なら順当に)低下を続けていた全米住宅価格指数(ケース・シラー値)は2月に293.17と早くも(?)上昇に転じ(てしまい?)ました(1月は292.61だった)。これ昨年11月のこちらの記事で予想したとおりの展開になります。そうしたなか13日、G7財務相・中銀総裁会議が金融不安の拡大を阻止するため協調して対応するため「適切な行動を取る用意がある」等との声明を発表しています。これらの意味するところは・・・行動つまり金融引き締めの停止(というより断念)→利下げそして量的緩和再(々々々・・・)開→実質マイナス金利幅のいっそうの拡大→・・・で自動的かつ不可逆的にインフレ一直線、ということ。逆にいえば、インフレ鎮圧すなわち・・・不動産価格のいま以上の下落・不良債権の増加・大手銀行の破綻等を許容・・・してでもドルの信認を保つことはもはや(って、とっくに)不可能と宣言されたようなもの・・・
もうこのコースは変わらないし変えようがありません(?)。日銀・・・そしてそれが拠って立つ日本(世界最強の経済力)が仕掛けたこと(さらに古から予告されてきたこと)だからです。いま、わたしたちは一人ひとりがそのことに気が付くべきときを迎えています。