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【年金基金、1ドル約110円ものドル高ですら外債運用でマイナス…】「高値掴み」心配されるアベノミクスの大損害⑤

2019-02-07 00:00:59 | 日本

前回からの続き)

 わたしはリスク投資そのものにネガティブなわけではありません。投資家が株や社債等を売買することが経済活動の重要な一側面であることは認識しています。けれど、これを高い確率で成功させるならば「元本割れにならないよう、売買のタイミングを間違わないようにしよう!」といいたいわけです。これが個人の自己責任で行われるものならいざ知らず、公的組織―――公的な金融機関とか年金基金等―――の投資であればなおさらです。そのリターンやダメージが日常、リスク等に縁のない人々を含めた国民全体に及ぶわけですから・・・

 この観点からすれば・・・上記アベノミクスの公的投資は、成功の可能性が高いものとはいえない・・・どころか、残念ながら失敗つまり(超~?)元本割れに陥るリスクに満ちていると悲観せざるを得ません。その理由を端的にいえば、アベノミクス政府はリスク資産をあまりに「高値掴み」し過ぎてしまった―――株や外債等を、その本来の価値を(はるかに?)上回る価格でしこたま買ってしまった―――と考えるからです。

 このあたりを窺わせるデータが、こちらの記事等でご紹介している年金積立金管理運用独立行政法人GPIF)の、201410月からスタートしたリスク投資偏重型の運用方針の「発射台」となった市場価格、すなわち同月末日の日経平均:16413.76円、TOPIX:1333.64、ダウ平均:17390.52ドル、S&P500種平均:2018.05、ドル円:112.32円などです。このアベノミクスGPIFによるリスク資産の買い上げスタート価格が、そもそも高過ぎる!といいたいわけです。そのあたりも上記過去記事等にすでに書いていますが、本稿1回目で書いた「外貨建て保険」に関連するドル円レートだけを見ても、1ドル112円がいかにドル高円安か、ということです。アベノミクス前は1ドル80円を下回るくらいでしたし、現在もだいたい同70円台後半くらいです(日銀やBISの統計によれば、現時点の実質実効レートがそれくらい)。つまりアベノミクスは外債1ドル分を80円程度で買えたものを3割以上も高い112円(以上?)で、この瞬間もせっせと掴んでいる(?)、ということになります。であれば、為替がその本来の水準つまり1ドル80円以下になれば、どうなってしまうのか、超簡単に予想がつくというもの・・・(?)

 前回ご紹介したGPIFの今年度第3四半期成績によれば、前四半期と比べてプラス運用となったのは国内債券だけで、あとはすべてマイナスです(国内株式17.6%、外国債券2.7%、外国株式15.7%のマイナス)。ここで外債は・・・この間のレートがだいたい上記「発射台」くらい(つまり実勢よりも3割ほど?円安ドル高)だったにもかかわらずマイナスに沈みました。ということは・・・まだまだぜんぜん円安といえる1ドル100円ほどに円高になったら、その評価損がさらに拡大し、内外株の評価損とのWパンチがGPIFの全資産額を前述したアベノミクスの「元本」ライン(201412月末時点の運用資産額約137兆円)のはるか下にタタキ落とすでしょう・・・(?)

 ホント、このあたりの公的な高値掴みこそアベノミクスがもたらす安保上の危機ですよ、年金受給の資格を持つ国民のみなさん・・・?

(続く)

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