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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

日刊スポーツ賞黒潮盃&第一部定理三証明

2022-08-18 18:57:46 | 地方競馬
 兵庫から1頭が遠征してきた昨晩の第56回黒潮盃
 ナッジが好発でしたが外からエスポワールガイが楽に前に出ての逃げ。一時的に2馬身くらいのリードを取りました。2番手にサンドファルコン。3番手にナインバイパー。4番手にナッジとクライオジェニック。5番手にロヴェンテ。6番手にライアンとラブリーホライズン。9番手をローグネイションとスティールルージュとコスモファルネーゼが併走し,最後尾にマイブレイブという隊列。最初の800mが51秒8という超スローペースとなったこともあり,馬群が凝縮してのレースになりました。
 3コーナーからクライオジェニックがエスポワールガイに並び掛けていき,2馬身後方にナッジとサンドファルコン。直線に入ると再びエスポワールガイがクライオジェニックとの差を広げ,鋭く逃げ切って優勝。早めに動いたクライオジェニックが1馬身半差で2着。直線でクライオジェニックの外に出されたナッジはさほど差を詰めることができないまま1馬身4分の1差で3着。
 優勝したエスポワールガイは南関東重賞初制覇。ここまではスプリント路線を歩んでいた馬で,前走の優駿スプリントは2着。ここは一気の距離延長が課題でした。スプリント路線を走っていた馬らしく楽に先手を奪い,そのままペースを落とせた展開面の利が大きかったことは確かですが,2着から4着までをこの距離では能力上位と目された馬たちが占めていますので,少なくともその馬たちと互角以上の能力があったとみるべきでしょう。父はエスポワールシチー。祖母の父がマンハッタンカフェ
 騎乗した船橋の森泰斗騎手川崎スパーキングスプリント以来の南関東重賞50勝目。第50回以来となる6年ぶりの黒潮盃2勝目。管理している大井の市村誠調教師は南関東重賞4勝目。黒潮盃は初勝利。

 第一部公理四によれば,結果effectusの認識cognitioは原因causaの認識に依存します。したがって,Xが生起する原因がYであるならば,Xの認識,これはXの真の観念idea veraという意味ですが,Xの真の観念はYの真の観念に依存します。つまり,Aという人間がXを十全に認識するcognoscereという場合には,そのAの知性intellectusのうちにはYの十全な観念idea adaequataも含まれていることにになります。また,Xの真の観念はYの真の観念に依存するのですから,Aの知性のうちにYの真の観念があるならば,Aの知性のうちにはXの真の観念も存在することになります。
                                   
 次に,第一部公理五によれば,AとBとの間に共通点がないならば,これは,AとBとが実在的にrealiter区別されるならという意味ですが,Aを認識することによってBを認識することはできませんし,逆にBを認識することによってAを認識することはできません。
 このふたつを合わせると,AとBが実在的に区別される場合は,AとBの間に因果関係が生じ得ないということが理解できます。なぜなら,AとBとが実在的に区別される場合には,Aを認識することによってBを認識することはできませんし,逆にBを認識することによってAを認識することもできないのですが,もしもAとBとの間に因果関係がある,たとえばAが原因でBが結果であると仮定するなら,Bの真の認識はAの真の認識に依存する,いい換えればAを認識することによってBを認識することができるのですが,このふたつは両立し得ないからです。第一部定理三は,まさに互いに共通点をもたないものの間では因果関係が生じ得ないということをいっていますが,この定理Propositioはこのようにして証明されることになるのです。そしてこれがスピノザの哲学で,実在的に区別されるものの間では因果関係が生じ得ないということの,形而上学的論理になります。
 人間の身体humanum corpusと人間の精神mens humanaとの間にある区別distinguereは,スピノザの哲学でいう区別の種類でいえば,デカルトRené Descartesの哲学で考えてもスピノザの哲学で考えても,実在的区別に該当するのでした。したがって,デカルトはその両者の間に因果関係があるということを認めていたのですが,スピノザの哲学ではそれが認められないことになります。
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