スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

スプリンターズステークス&蔵書

2024-09-29 19:14:29 | 中央競馬
 香港から2頭が遠征してきた第58回スプリンターズステークス
 オオバンブルマイは加速が鈍く1馬身の不利。4頭が前にいき,ピューロマジック,ウイングレイテスト,ルガル,ビクターザウィナーの順に。前がそのまま飛ばしていったのでピューロマジックのリードは3馬身くらい。ウイングレイテストとルガルの間も3馬身くらいになり,ルガルとビクターザウィナーの間にも2馬身くらいの差。2馬身差でママコチャとマッドクールの併走。7番手にトウシンマカオ。8番手はウインマーベルとサトノレーヴとヴェントヴォーチェ。11番手はエイシンスポッターとナムラクレア。2馬身差でモズメイメイとムゲン。2馬身差でオオバンブルマイとダノンスコーピオンが最後尾を追走。前半の600mは32秒1の超ハイペース。とくに200mから400mが9秒9という猛ラップでした。
 直線の入口でもピューロマジックは5馬身ほどのリード。先にウイングレイテストがついていかれなくなり,ルガルが自然と2番手に上がるとピューロマジックとの差を一気に詰め,そのまま抜け出して優勝。最内から進出してきたトウシンマカオがクビ差で2着。大外を猛然と追い込んだナムラクレアがクビ差で3着。
 優勝したルガルはシルクロードステークス以来の勝利。重賞2勝目で大レースは初制覇。シルクロードステークスを勝ったことで高松宮記念は1番人気で臨みましたがレース中に骨折があって10着。ここはそれ以来のレース。シルクロードステークスは大きな差をつけての優勝でしたから,能力を発揮できれば勝てるというメンバー構成で,結果的に能力発揮に影響しない程度まで仕上がっていたということでしょう。着差は大きくありませんでしたが,現時点ではトップの馬だとみていいと思います。父はドゥラメンテ。4代母がラヴズオンリーミーの祖母にあたる同一牝系。Lugalは古代メソポタミアで使われていたシュメール語で王。
 騎乗した西村淳也騎手はデビューから6年半強で大レース初制覇。管理している杉山晴紀調教師は昨年の天皇賞(春)以来の大レース6勝目。スプリンターズステークスは初勝利。

 スピノザの遺品の競売は11月4日に行われました。この売上からスペイクは葬儀費用も含めた,自身が負担したスピノザのための費用のすべてを賄うことができたとフロイデンタールJacob Freudenthalはいっています。この部分ではコレルスJohannes Colerusがかなり詳しい報告をしていて,たとえば事務処理のために働いた弁護士のためにいくらの支払いがあったかということも明らかになっています。フロイデンタールの計算ではそうしたすべての支払いを終えて,売上金からは僅かのものが残ったとなっていますので,スピノザが本来であれば支払わなければならなかった費用は,これですべて賄うことができて,僅かとはいえ剰余金が発生したということになります。コレルスの伝記Levens-beschrijving van Benedictus de Spinozaによれば,この売上金をレベッカRebecca de Spinozaが差し押さえたのだけれども,残金が僅かだったから遺産の相続を放棄したとなっています。したがって剰余金はたぶんスペイクの収入になったのではないでしょうか。
                            
 なお,フロイデンタールは,これ以外に蔵書の売上があった筈だといっています。スピノザにどのような蔵書があったのかということは記録が残っていて,全部で161冊に上ります。競売の中にも何冊かの本が含まれてはいますが,それにはまったく届いていません。したがって残りの蔵書は密かに売却されたのだとフロイデンタールはみているわけです。ただしフロイデンタールの記述は,この蔵書のいわば密売が,遺稿集Opera Posthumaの出版費用を捻出するために行われたと読むことができるようになっています。なので売上はスペイクのものになったわけではなく,遺稿集の編集者たちの手に入ったと解することもできます。遺稿集の編集者たちが先に売却できそうな蔵書を選別して,その残りが11月4日の競売に出されたということは,可能性としてはあるのかもしれません。
 遺稿集の編集者たちは,遺稿集を出版するだけの費用が捻出できなかったから,スピノザの遺稿そのものを売却しようとしたとフロイデンタールはいっています。この論証の軸になっているのは,シュラーGeorg Hermann SchullerがライプニッツGottfried Wilhelm Leibnizに対して売却を打診しているという史実です。ただしこれは本当に遺稿集の編集者たちの総意であったか,僕は疑わしく思います。

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