スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

クレイグダーロッチ&等置

2021-04-20 19:03:34 | 血統
 ウイニングチケットの輸入基礎繁殖牝馬は1922年にイギリスで産まれたクレイグダーロッチです。馬名はイギリスの城の名前。ダンスタイムと同じでファミリーナンバー11-c
                                         
 この牝系は最近はそれほどでもないのですが,僕の競馬キャリアが始まった頃には名門といっていい牝系で,その後の10年くらいはその状態が続いていました。これまでに紹介した馬ではサクラユタカオーがクレイグダーロッチを祖先にもっています。また,サクラユタカオーの甥にサクラスターオーという馬がいて,この馬は1987年に皐月賞と菊花賞を勝ってJRA賞の年度代表馬に選出されています。
 ウイニングチケットがダービーを勝ったのが1993年。その前年の1992年のダービー馬のミホノブルボンも,クレイグダーロッチ系です。ミホノブルボンは1991年に朝日杯3歳ステークスを勝って最優秀2歳牡馬に,翌年はダービーのほかに皐月賞も勝って年度代表馬に選出されています。
 これ以前にもこの牝系からは大レースの勝ち馬が出ていますが,僕の競馬キャリアの中ではこの4頭。したがってウイニングチケットは現時点で,この牝系から出た最後の大レースの勝ち馬となっています。
 重賞の勝ち馬はその後も数多く出ました。ダンツジャッジが2003年のダービー卿チャレンジトロフィーと2004年のアメリカジョッキークラブカップを勝った後,しばらく間が開きましたが,マイネルスターリーが2010年に函館記念を勝ちました。しかしそれから10年以上,重賞の勝ち馬が出ていません。牝系は続いていますので,どこかで復活ということがないとはいえないでしょう。

 これで第一部定理八備考二の当該部分で,スピノザが何をいっているのかということが分かりました。ひとつは僕たち,すなわち現実的に存在している人間の精神mens humanaは,現実的に存在していない個物res singularisの真の観念idea veraすなわち十全な観念idea adaequataをもつことができるということです。もうひとつはそのことの理由の説明で,それは,現実的に存在していない個物の本性essentiaが実体substantiaの中に含まれているので,実体によってその個物の本性が概念できるようになっているからだということです。なお,このことが個物を真にあるいは十全に認識するcognoscereことができる理由として示されているわけですから,ここではスピノザは,個物の本性を概念するconcipereことと,個物を真にあるいは十全に認識することを同一視していることになります。
 第二部定理八は,現実的に存在しない個物の形相的本性essentia formalisは神Deusの属性attributumの中に含まれているといっています。第一部定理八備考二の当該部分の意味は,現実的に存在していない個物の本性は実体の中に含まれているということです。ですがこのふたつは同じ意味で考えることが可能です。なぜなら第一部定義六により神は実体にほかならないですし,第一部定義四により属性とは実体の本性そのもののことです。備考Scholiumの当該部分が個物の本性を概念することと個物を十全に認識するということを等置しているのですから,実体と属性をあるいは神と神の属性を等置しても問題にはならないでしょう。さらに第二部定理六から,個物というのはそれが個物となっている属性の下で神を原因causaとするのであり,神がほかの属性によって説明される限りでは神を原因とはしないのです。ですから,たとえばXの属性の個物の原因はXの属性であり,そのゆえにその個物の形相的本性が含まれている属性はXの属性でなければなりません。第一部定理二五にあるように,この個物の形相的本性の原因もまたXの属性であることになるからです。
 僕は第一部定理八備考二でいわれている本性が,第二部定理八でいわれている形相的本性である可能性があるといって,この部分の考察を開始しました。実際には僕は,それは可能性があるというのではなくて,そうでなくてはならないのだと考えています。
コメント
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