スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

ウイニングチケット&弱点

2021-04-13 19:16:49 | 名馬
 大阪杯を勝ったレイパパレの祖母の父はウイニングチケットです。3つ下の半弟に1995年にラジオたんぱ杯3歳ステークス,1996年にきさらぎ賞を勝ったロイヤルタッチ
                                        
 デビューは2歳9月。芝1200m戦で敗れると連闘の芝1800m戦で初勝利。暮れの中山で芝2000mの特別,オープンと連勝しました。
 3歳初戦は弥生賞。4連勝でこれを制して重賞初制覇。1番人気に推された皐月賞は4着に負けましたが,続けて1番人気に推されたダービーを制覇しました。
 秋の初戦は京都新聞杯でこれを勝って重賞3勝目。菊花賞は3着。ジャパンカップに出走して3着。さらに有馬記念にも出走しましたがこれはトウカイテイオーの11着でした。
 4歳初戦は高松宮杯で5着。オールカマーで2着になって天皇賞(秋)に向いましたが8着。これで引退となりました。
 ダービーを最大の目標とした面があり,その目標は達成しましたが,それで燃え尽きてしまったというような成績。ダービー馬という頂点には立ちましたが,世代で最強馬ではなかったと思っています。
 種牡馬としては大成功とはいきませんでした。それでも産駒のベルグチケットは,1999年にフェアリーステークスを勝っています。

 神Deusの無限な観念ideaが存在する限りで存在するといわれる個物res singularisの観念のすべてが,現実的に存在するようになると主張することが抱えている弱点は,柏木が指摘している通りですから,改めて詳しく述べる必要はないでしょう。第二部定理八備考の円と長方形の比喩を,そのまま神の無限な観念と個物の観念に適用するなら,確かにそのすべてが現実的に存在するようになるという主張は不条理です。また,仮に僕の見解opinioの通り,スピノザがこの比喩によってそのことまでを意味しようとする意図をもっていなかったのだとしても,第一部公理三の弱い意味のうちには,一定の原因causaが与えられなければ結果effectusが発生することはないということが確実に含まれていて,現実的に存在する個物の観念の原因が,その個物の観念とは別の個物の観念でなければならない以上,その原因のすべてを人間の精神mens humanaが認識するcognoscereことはできない,他面からいえばそのすべてを人間の精神が認識することができるということは不条理なのですから,この主張は裏付けられ得ないというはっきりとした弱点を抱えていることになります。
 一方,神の無限な観念が存在する限りで存在するといわれている個物の観念のすべてが現実的に存在するわけではないという主張は,必然と不可能がスピノザの哲学においては反対概念を形成するという観点から,この主張に特有の,つまり,すべての個物の観念が現実的に存在するという主張には含まれていないような弱点を抱えていると僕は考えます。このとこは柏葉の論文では十分に指摘されているとはいえないので,僕の方から詳しく説明することにします。
 必然と不可能が反対概念であるということは,スピノザの哲学においては一般的な原理のひとつです。ですからこのことを個物の観念に適用するとするなら,個物の観念が神の無限な観念が存在する限りにおいて存在するといわれる場合にも妥当しなければなりませんし,個物の観念が現実的に存在するという場合にも適用されなければなりません。そして第一部定理一六の意味は,この一般的原理から導かれているのですから,この意味もまた,そのふたつのどちらの場合にも成立するのでなければなりません。
コメント
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