スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

マイナビ女子オープン&有力な結論

2021-04-23 19:09:50 | 将棋
 21日に湯村温泉で指された第14期マイナビ女子オープン五番勝負第二局。
 伊藤沙恵女流三段の先手で西山朋佳女王の三間飛車。先手が向飛車にしての相振飛車になりました。先手が早めに9筋から仕掛ける将棋。仕掛けて悪くなったというわけではありませんから,成立はしていたものと思われます。
                                          
 後手が桂馬を跳ねた局面。ここで☗2六飛と回って飛車の成り込みを狙ったのですが,結果的にいえば方針を誤ったということになると思います。
 ☖5五角☗同角☖同香と進み,先手は☗4六角と打ちました。この手は☗2六飛との関連ではあまりよくなく,☗2六飛としたのなら☗5六歩と打った方がよかったでしょう。香取りで銀も取れませんから後手は☖5四歩と受けました。
 ここで☗2三飛成と狙いの成り込みを実現させ,☖4四飛に☗5六歩と受けたのが直接的な敗着となった手順。☖5七桂成が厳しい一手となりました。
                                          
 先手にとって何が痛いかというと,4六の角が質駒となっていることです。角の入手が見込めることになった後手の攻めが続くことになりました。なので☗2六飛と回った以上は☗4六角と打つべきではありませんでしたし,角を打ってしまったのなら狙いの☗2三飛成は自重しなければいけませんでした。
 西山女王が勝って1勝1敗。第三局は来月15日に指される予定です。

 個物res singularisの形相的本性essentia formalisが神Deusの属性attributumの中に含まれているのと同じように,個物の観念ideaは神の無限な観念が存在する限りにおいて存在します。これは第二部定理八から間違いありません。よって,もしも神の属性の中に含まれている個物のすべてが現実的に存在するようになるのであれば,神の無限な観念が存在する限りにおいて存在するといわれる個物の観念もそのすべてが現実的に存在するようになるのは当然だといえるでしょう。いい換えれば,神の属性の中に含まれている個物の形相的本性には,必然的にnecessario現実的本性actualis essentiaが与えられる,つまり,その個物が現実的に存在するための起成原因causa efficiensが与えられるのであり,それと同様に,神の無限な観念が存在する限りで存在するといわれている個物の観念は,そのすべてに現実的本性が与えられる,つまりその個物の観念が現実的に存在するようになる起成原因が,第二部定理九の様式で与えられるというのが,この場合の結論に相応しいと僕は考えます。ただしそのことを人間の精神mens humanaが個別に確かめることが不可能であることもまた間違いないと考えます。
 とはいえこの結論は,個物の本性の中に,個物が現実的に存在するものであるということ,あるいは同じことですが個物が持続するdurareものであるということが含まれているとした場合の結論です。個物の本性がいかなるものであるのかということについては識者の間でも見解opinioの相違がありますし,僕のような見解,個物の本性に個物が持続するものであるということが含まれるという見解に,難点が含まれているということは僕も認めています。このことについてはここでは繰り返しませんが,このためにこれとは別の結論が出される余地があるということは僕も認めますし,そのような見解にも一理あるであろうことにも同意します。ただ僕がここでいいたかったのは,僕のような見解からはこのような結論が有力となるのであって,それは柏葉の主張に対して,間違いなくヒントになるであろうということです。
 ところで,すべての個物に共通するような本性は,その本性を有する個物について,その各々を区別することができません。これはそれ自体で明らかだといっていいでしょう。
コメント
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