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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典JBCレディスクラシック&憎しみへの無頓着

2016-11-04 19:08:37 | 地方競馬
 今年は川崎競馬場の1600mで争われた昨日の第6回JBCレディスクラシック。ララベルが右後ろ脚の炎症のため競走除外になり13頭。
                                     
 逃げるかもしれないと思っていたトーセンセラヴィが発馬がよくなかったためか控えたので,1周目の正面に入っても前は横一列。意を決したようにブルーチッパーがハナへ。いつものように行きたがるのを宥めながらレッツゴードンキが2番手。ホワイトフーガが3番手で4番手にタイニーダンサー。トーセンセラヴィはこの後ろでトロワボヌールと併走になりました。前半の800mは49秒4でハイペース。
 3コーナーを回るとレッツゴードンキがブルーチッパーに並び掛けていき,その外に出されたホワイトフーガも追い上げ3頭が雁行。外の2頭でブルーチッパーを交わし,直線に入るところではホワイトフーガの方が前に。そのままホワイトフーガが先頭を譲ることなく優勝。レッツゴードンキも1馬身半差の2着に粘りました。後ろの馬はこの2頭以上の脚が使えず,3着は4馬身離されてトーセンセラヴィ。
 優勝したホワイトフーガは前々走のスパーキングレディーカップ以来の勝利。第5回に続くJBCレディスクラシック連覇で大レース2勝目。前走は2着同着とはいえ不甲斐ない内容でしたが,能力はここでは断然。距離短縮もプラスなので,優勝候補の筆頭と考えていました。予期していたより前の位置取りとなりましたが,さほど行きたがっていたわけでなく,折り合えたのがポイントだったのではないでしょうか。牡馬が相手だと苦しいようですが,牝馬戦ならまだ活躍できるのではないかと思います。父はクロフネ。母の父はフジキセキ。祖母がドバイソプラノ
 騎乗した蛯名正義騎手は宝塚記念以来の大レース制覇。JBCレディスクラシックは初勝利。JBC全体では2勝目。管理している高木登調教師は昨年の東京大賞典以来の大レース制覇。JBCレディスクラシックは連覇で2勝目。全体でも2勝目。

 スピノザは自分がアムステルダムのユダヤ人に憎まれていると思いもしなかったか,憎まれていたとしても,暗殺未遂が生じるような強い憎悪odiumを抱かれているとは思っていなかったかのどちらかです。なぜスピノザはそう思っていたのでしょうか。
 このことは一般的な人間の現実的本性actualis essentiaから説明することもできます。すなわち第三部定理四〇を根底とした憎しみの連鎖は人間の世界ではしばしば生じます。これに反して第三部定理四一を根底とした愛amorの連鎖は人間の世界では稀にしか生じません。なぜなら,第三部定理二五により,人間は他人から憎まれる正当な理由を与えたとはあまり表象しないのに対し,他人から愛される正当な理由を与えたとは表象しがちだからです。つまり人間は愛されるのは当然で,憎まれるのは不当であると認識する傾向を有しているのです。ですからスピノザも,ユダヤ人に対して憎まれる正当な理由を与えたとは思わなかったので,憎まれているとは思うことができなかったと解することも可能でしょう。
 実際にスピノザは,自分がシナゴーグから退去すること,いい換えれば破門の宣告を受け入れることが,自分にとっては正当な行為であると認識していたと想定できます。したがって正当な行為をした自分が憎まれる筋合いはないと認識したとして何ら不自然ではありません。むしろこれだけでみれば,正当な主張をしている自分を破門したシナゴーグのことをスピノザが憎むということはあっても,スピノザの方が憎まれるということはあり得ないとさえいえるでしょう。
 しかし,スピノザの行為および主張は,シナゴーグの側から見た場合には正当ではなく,むしろ異端的なものであったのです。いい換えればスピノザが正当であると考えていたこと自体が,ユダヤ人にとっては憎しみの対象となり得たのです。僕の推測では,スピノザはその点に無頓着であったのだと思います。たとえばファン・ローンJoanis van Loonとかフラーフといった人たちは,スピノザと価値観を分かち合うことができたのですが,ユダヤ人とくにラビにとってはそうではありませんでした。そこに気付いていなかったから,憎しみにも気付かなかったのだと思います。
コメント
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