スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

農林水産大臣賞典平和賞&書簡五十五

2016-11-10 19:15:50 | 地方競馬
 北海道から1頭,笠松から1頭が遠征してきた昨晩の第62回平和賞
 まずケンパラドックスが前に出ましたが,これを外から4頭が交わしにいったため先行争いが激化。4頭のうち最内のキングレイジングの逃げになり,2番手はユーコンクエストとキャンドルグラスで併走。これらの直後にマルヒロナッツオーが構え,控えたケンパラドックスが5番手。ここから大きく差が開いてスカイサーベル,ホワイトソニック,ルデマレ,ラペルドゥリデュ,ヴィクトリーベレーの5頭が中団。また差があって後方集団の一番前からキャッスルクラウンが追走。前半の800mは51秒7のハイペースに。
 3コーナーでキングレイジングは一杯になりユーコンクエストが先頭に。しかしコーナーの途中ではユーコンクエストも苦しくなってキャンドルグラスが先頭に変わり,その外にマルヒロナッツオー。さらに直線の入口でマルヒロナッツオーが前に出て逃げ込みを図りました。ただレースぶりが強気すぎたため自身のラスト200mは15秒1と失速。ゴール前で差し馬の逆転を許すことに。先行集団から離れた6番手を進んでいたスカイサーベルが優勝。向正面で内から追い上げ直線は大外から脚を伸ばしたキャッスルクラウンが半馬身差の2着。内容的には強かったマルヒロナッツオーはアタマ差で3着。
 優勝したスカイサーベルは7月の新馬戦を勝ち,以後の2戦は2着,5着。とくに前走ではマルヒロナッツオーに2秒以上も離されていて,普通では逆転不可能。折り合いに難がある馬のようで,ここはハイペースになったのがよかったのでしょう。ここまではずっと先行していましたが,折り合えるのなら控えて末脚で勝負した方がいいのかもしれません。ただ,展開に乗じた部分があったのは否めませんし,出走メンバーのレベルもそこまで高くなかったと思われるので,あまり過大に評価するのは禁物ではないでしょうか。父はディープスカイ。母の半兄に2012年の平安ステークスを勝ったヒラボクキング
 騎乗した大井の矢野貴之騎手は優駿スプリント以来の南関東重賞制覇。平和賞は初勝利。管理している松代真調教師も平和賞初勝利。

 書簡五十六でスピノザが優越性について述べていることは,後で説明するその哲学的概念と厳密に照合させれば,不適当かもしれません。三角形が話せたら,神Deusのうちには三角形の本性natura,essentiaが優越的にeminenter含まれていると言うだろう,とした方が適切ではないかと思います。ただ,スピノザがこの書簡においてやや厳密さを欠くような仕方で優越性について言及しているのは,理由がないことではありません。スピノザとフーゴー・ボクセルとの間で優越性という概念を持ち出したのはスピノザではなくボクセルの方であったからです。それは直前の書簡五十五においてであって,スピノザはそれに対して返答しているのです。いい換えればスピノザはここではボクセルに合わせて優越性について語っていると考えられます。
                                     
 僕はボクセルが幽霊について主張してることの主眼は,大気の上層に霊的住人が存在する空間があるという点にあるといいました。これは明らかにボクセルは幽霊が物体corpusである,少なくとも物体でもあるということを主張していることを明示しているといえるからです。ボクセルが優越性について語っている書簡五十五というのは,哲学的な事柄を話題にしている前半部分と,幽霊自体を話題にしている後半部分とに明確に分けられるようになっています。もちろん優越性についてボクセルが語っているのはその前半部分です。そこでは人間的な属性が神のうちに優越的に存在するということをスピノザが否定するのなら,ボクセルはスピノザが神について何を語っているのかが不明であるといっています。これは哲学的概念に合致したいい回しだと解することが可能だと僕は考えます
 一方,後半部分で幽霊について語るとき,ここではボクセルは明らかに霊を単なる思惟の様態cogitandi modiとして規定し,物体であることをむしろ否定しているかにみえます。つまり最初の主張とは整合的ではありません。そしてなぜそのようになるのかといえば,おそらくボクセルには哲学的概念に対する緻密さが欠けているからなのです。だからボクセルがいっている優越性というのも,厳密な哲学的概念としては解さない方が,ボクセルの主張の主旨は正しく理解できるだろうと思います。
コメント
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