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スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

JRA60周年記念皐月賞&福居流の論証

2014-04-20 19:16:57 | 中央競馬
 未対戦という馬が多かったこともあり,混沌ムードになっていた第74回皐月賞
 大外でしたが主張してウインフルブルームの逃げ。押して位置を取りにいったバウンスシャッセが直後に収まり,その外にトゥザワールドでしたが,アジアエクスプレスが2頭の外を2番手まで追い上げてようやく隊列が決まりました。これら4頭の後ろは内からクリノカンパニー,トーセンスターダム,キングズオブザサンの3頭が併走。その直後にイスラボニータ。前半の1000mは60秒2で,これはミドルペースに近いスローペース。
 前の4頭のうち,バウンスシャッセは3コーナーを回ると押しながら何とかついていく形に。残る3頭が横並びになって直線。イスラボニータは右回りでのレースが初めてであったこともあり,ややぎこちなさがありましたが,この3頭の外に出されました。3頭から前に出たトゥザワールドでしたが,外のイスラボニータは脚色で優り,難なく交わして優勝。トゥザワールドが1馬身4分の1差で2着。逃げ粘ったウインフルブルームが最後尾から3コーナー過ぎに動き,大外を強襲したワンアンドオンリーをアタマ差で凌いで半馬身差の3着。
 優勝したイスラボニータは昨年11月に東京スポーツ杯2歳ステークスで重賞制覇を飾ると今年は2月の共同通信杯から使って重賞2勝目。その後はここまで待機していました。群雄割拠でしたが,最有力候補はこの馬かと思っていたのですが,今日のところは思っていた以上の快勝に。ただ突出しているわけではないと思います。東京は重賞を2勝している得意の舞台ですから問題なく,ダービーではさらなる距離延長が最大の課題になるのでしょう。父はフジキセキ。Isla Bonitaはスペイン語で美しい島。
 騎乗した蛯名正義騎手は昨春の天皇賞以来の大レース制覇で皐月賞初勝利。管理している栗田博憲調教師は1998年の高松宮記念以来となる大レース制覇で皐月賞初勝利。

 第一部定理二八は,神の本性を構成する無限に多くの属性のすべての個物res singularisに妥当します。これを思惟の属性に特化すると,第二部定理五により第二部定理九が帰結します。こちらの定理の「無限に進む」という締め括りのことばを積極的に解したのが,『スピノザ「共通概念」試論』での福居純の論述です。
                         
 第二部定理九は,部分的抽出をするなら,あるres singularisAの観念の原因はそれとは別のres singularisBの観念であるということです。しかしこれを積極的に,すなわち全体として把握するなら,この連鎖が無限に続くということになります。したがってそのすべてを十全に認識し得る知性があるとするなら,それは有限な知性ではあり得ず,無限知性であると解さなくてはなりません。しかるに無限知性とは,思惟の属性の直接無限様態です。これを受けて福居は,直接無限様態は個物であると主張することになります。
 福居は朝倉とは異なり,ふたつの個物,res singularisとres particularisの相違については何も述べていません。なので福居が直接無限様態は個物であるというとき,res particularisを念頭にそういっているのか,それともres singularisが念頭にあるのか,僕には分かりません。そもそも福居の論述と朝倉の論述は,主題となっている観点に相違があるのであって,福居にとってはres singularisとres particularisに,同一の訳を与えることの是非を問うことが不要になっているからです。
 しかしこれらふたつの論述に,ある類似性があるということは否定し難いといえます。それは,無限様態を,あたかも有限であるかのように把握するという点です。別のいい方をするなら,無限の一義性を,単に神およびその属性の無限性のみによって規定し,その一義性が無限様態の無限性には及ばないようにしているという点です。両者は無限の一義性は何も主張していないのですが,そこには一致があるとみるのが適当だと考えます。
コメント
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