スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

弥彦記念&第二部定理四九系まとめ①

2010-06-15 18:51:17 | 競輪
 やや強行日程ではあったもののそれなりのレベルの選手が揃って争われた弥彦記念は今日が決勝(動画)。並びは山崎-成田-紺野の北日本,武田-諸橋-藤原の関東,海老根後位は阿部と山田で競り。
 成田が飛び出し山崎の前受け。海老根が中団で武田が後方という周回。残り3周のバックから武田が動く構えをみせると,呼応した海老根が先に動いて,ホームでは山崎を叩いて誘導の後ろへ。武田は山崎に蓋をしてから前を叩きにいき,打鐘で先頭に立ってそのまま先行。4番手を確保した海老根の後ろはホームで山田が取りました。このときの競りのあおりもあり,山崎は少し離された7番手に。立て直した山崎はバックから捲り発進。さらに海老根もこれに合わせて動くという捲り合戦となりましたが,大外をしぶとく伸びた山崎がゴール前で捲りきって優勝。武田の3番手から出た藤原が2着,山崎マークの成田が3着。
 優勝した福島の山崎芳仁選手は昨年10月の共同通信社杯以来の優勝。実は最近の優勝はビッグばかりで,記念競輪は一昨年5月の平塚記念以来と,このクラスの選手にしては実に久々となる通算9勝目。前とかなり離れてしまったのでこれはダメかと思わせましたが,最後までよく諦めずに踏んできました。記念競輪は久々ですが,ビッグでは優勝も重ねているわけで,やはり現在の競輪界を代表する選手のひとりであることには変わりありません。

 今回のテーマは第二部定理四九系でした。ただしこの系を考察する主旨は,とくにこの系について何らかの疑問を呈するためというわけではなくて,むしろこの系が正しいということを,経験的な観点から補完するためでした。
 まず最初に取り組んだのは,スピノザの哲学において,あるいは『エチカ』において,知性とは何を意味し,意志,そして意志作用とは何を意味するのかということです。これはこの系を正しく理解するために必要なことだったといえるでしょう。
 主旨はあくまでも経験論による系の補完ですが,その前に,この系が正しいということについては,論理的に証明しておかなくてはなりません。第二部定理四九系というからには,当然ながら第二部定理四九からの帰結事項なのですが,今回の考察ではこの系をこれ単独で補完するという意図がありましたので,第二部定理四九には依存しないような証明というのを試みました。この過程において,スピノザは意志と知性との関係を本性と存在という関係になぞらえて説明しているのに対し,僕は実在性と本性という関係にたとえて説明しました。これは僕が意志という思惟の様態を,ある力として把握しようとしていることと関係していて,虚偽を否定する力もある意志作用としてみなそうとしているからです。
 この手続きを経て,いよいよ経験的考察が出発します。僕は人間の身体の排泄という運動とその観念そして意志作用との関係でこれを説明しようとしました。そこで人間の排泄という運動の最も代表的なものとして排尿をとりあげ,これを失禁放尿とに分節しました。もちろんこれはこの考察のための分節であり,いわばこの考察における約束事のひとつです。
 まず,排尿の観念というのを考えました。そしてこれをもう少し広い意味でとらえるという意向から,それを尿意ということにしました。最初の問題は,この尿意が十全な観念であるのか混乱した観念であるのかということでしたが,これを観念の対象となっているものがどういうものであるのかという観点から,自分自身の身体についての知覚である,すなわち混乱した観念であると結論したのです。
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