スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

東西王座戦&意志

2010-02-22 19:09:46 | 競輪
 今年初のビッグとなった東西王座戦は玉野競輪場を舞台に,昨日それぞれの決勝が争われました。
 レース順にまずは西から。並びは村上義弘-村上博幸-市田-前田の近畿,小川-園田-岩津-吉永の西国で山口が単騎。
 スタートは村上博幸が取って村上義弘の前受け。山口が5番手で6番手から小川の周回。小川の上昇に山口が切り替え,6番手まで引いた村上義弘が打鐘過ぎに発進するとホームでは小川を叩いてかまし先行。小川を捨てた園田の捲りは3番手で一杯。村上博幸が直線から踏みましたが,外の市田の伸びがよく,楽に差して優勝。村上博幸が2着で,3着にも前田が入り近畿の上位独占。
 優勝した福井の市田佳寿浩選手は直前の奈良記念に続いて連続優勝。ビッグは2006年のサマーナイトフェスティバル以来の2勝目。近況から調子がかなりよさそうに思われますので,この後のダービーでも要注目の選手でしょう。
 続いて。並びは山崎-伏見-成田-佐藤の北日本,平原-武田-神山の関東で,兵藤は海老根に。
 武田がSを取って平原の前受け。4番手が海老根で6番手から山崎の周回。山崎が打鐘前のバックで前を抑え,これを海老根が叩きに出ましたが出させず。引いた平原が打鐘過ぎからかまして先行。山崎は3番手に飛びつくも,神山が死守。バックから伏見が自力発進。一旦は山崎と並走になるも立て直して迫りましたが,余裕の番手から武田が発進し優勝。伏見の勢いをもらって伸びた成田が2着に入り,3着に伏見。
 優勝した茨城の武田豊樹選手は先月の熊本記念以来の優勝。ビッグは昨年のオールスター以来で5勝目。山崎に油断があったかもしれませんが平原がかましていったスピードはなかなかのもので,よくつけきりました。番手での戦いにも随分と慣れてきたようで,この分ならまだまだビッグを勝てそうです。

 スピノザが知性intellectusと意志voluntasとは同一であると主張するとき,知性とはどういうものであると考えているのかということ,また,僕が第二部定理四九系について考察するときに,とくに人間の知性というものについて,それをどのような思惟の様態cogitandi modiであるとみなすのかということについてはこれでご理解いただけたものと思います。そこで今度は,意志というものがどういうものであるのかということを説明しておきます。
 スピノザはこれについてもこの系Corollariumの証明Demonstratioにおいて説明を与えていて,そこでは意志とは個々の意志作用volitioであるというようにいっています。したがって,知性と個々の観念ideaとの間にある関係が,意志と個々の意志作用との間にある関係と同様であると考えてよいということになります。
 ここでは単に人間の意志として説明しますが,僕たちがあることを意志するという場合には,常にある具体性をもって意志するわけです。かくして人間の精神mens humanaのうちには様ざまな意志,あの意志,この意志といわれるような数多くの意志があるということになります。個々の意志作用というのは,それら一つひとつの意志のことであり,意志とはそれら一つひとつの意志作用の総体であるということになります。というよりも,それらの総体のことを,便宜的に意志といっているといった方が,おそらくスピノザの哲学の理解としては正確であるといえると思います。
 意志の場合はもちろん,知性に関しても,これはスピノザの哲学の一般性と特殊性についての考え方,すなわち事物というものは一般的に考えられる方がむしろ混乱して考えられ,特殊的に考えられるほど明瞭とまた判然としてくるという考え方が反映されているのだと僕は考えています。知性とは個々の観念であり,意志とは個々の意志作用であるといわれているわけですが,やはりこうした考え方に鑑みても,個々の観念を知性といい,また個々の意志作用についてそれを意志というと説明した方が,スピノザの哲学の本当の意味での正しい理解には適しているように思います。
コメント
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