スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

クルーピアレディー&部分的証明

2008-01-05 19:06:41 | 血統
 昨年の菊花賞を勝ったアサクサキングスの母系を紹介します。
                                          
 日本ではそれほど歴史を有する血脈ではありません。1983年にアメリカで産まれたクルーピアレディーが祖。ファミリーナンバー4-gです。
 1990年,Homebuilderという馬の種を宿した状態で社台に購入されました。これが初産駒ですので,実質的な繁殖生活は日本でのみ送っているということになります。
 翌1991年はサンデーサイレンスが日本に導入された年。この馬はその繁殖相手の1頭に選ばれ見事に受胎。そうして1992年に産まれたのが,皐月賞とマイルチャンピオンシップを制したジェニュイン。サンデーサイレンス産駒として初のクラシック制覇を成し遂げた馬です。フジキセキ,タヤスツヨシと同世代。
 この後,クルーピアレディーは毎年サンデーサイレンスを種付けされました。その結果,1996年に産まれたのがクルーピアスターという牝馬で,この馬がアサクサキングスの母にあたります。したがって,アサクサキングスからみると,ジェニュインは伯父にあたるわけです。
 ジェニュインはダービーこそ2着になっていますが,これは同世代相手に高い能力を示したもの。3歳秋は天皇賞を目標にし,また2度の有馬記念ではともに2桁着順に惨敗しているように距離面には限界のあったタイプ。またクルーピアスターも6勝していますが,活躍の場はスプリント戦。アサクサキングスが長めの距離で活躍しているのは,この母系よりは,むしろ父であるホワイトマズルのよいところを受け継いでいるからだといえそうです。
 なお,菊花賞の記事で,大久保龍志調教師が大レース初制覇と書きましたがこれは間違いで,2006年のダービーグランプリを制していますので,2勝目になります。

 明日は立川記念の2日目優秀の初夢賞です。並びだけ予想しますが,まず武田-横田-川口の関東,村上-山口の近畿中部,荒井-紫原の九州は確実。西田が近畿中部か九州の好きな方にいって,残った方に海野ではないでしょうか。

 ここまでの考察によって,今回のテーマである第四部定理五〇のうち,憐憫という感情がそれ自体で悪であるということ,とくにそれは,人間が理性に従っている場合でも従っていない場合でもそれ自体で悪であるということについては,すでに証明することができたといえると思います。なぜなら,まず第三部諸感情の定義一八により,憐憫という感情が,基本感情のうちでは悲しみの一種であるということが明らかになっています。次に,第三部諸感情の定義三により,悲しみとは,ある人間が大なる完全性から小なる完全性へと移行することにほかなりません。ところで,第三部定理七により,完全性のこうした移行というのは,そういう移行をする人間にとっての不利益であるということが明らかです。そして最後に第四部定義二によれば,まさにこうした不利益のことを悪というのです。ですから,人間が理性に従っているか従っていないかとは関係なく,憐憫という感情がそれ自体でみられるならば,この感情が悲しみの一種である限り,悪であるということになるからです。もちろんこのことは,単に第四部定理八に訴えるだけでも証明することが可能ですし,むしろこのことだけを証明しようとするのであれば,その方が簡単であるかもしれません。
 したがって,残る問題というのは,憐憫という感情の有用性ということになります。なぜ人間が理性に従っていない場合には,このそれ自体で悪である憐憫という感情が有用である場合があるのか,あるいは逆に,なぜ人間が理性に従っているのであれば,憐憫という感情はまったく必要ないということができるのか,こうしたことをこれから考えていかなければならないわけですが,その前提としてひとつ,憐憫が悪であるということの現実的な意味をもう少し考えておくことにします。
コメント
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