スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

大宮記念&第四部定理四系

2008-01-17 19:31:09 | 競輪
 新春の記念競輪連続3開催のラストとなる大宮記念は,今日決勝を迎えました。
 荒井選手の前受けで,村本選手が4番手を追走,藤田選手が5番手からの周回。なかなか動きがなく,打鐘で荒井選手がスピードを落として誘導から離れたところで藤田選手が上昇,荒井選手を抑えて先行になりました。荒井選手は引かずに内で平原選手と併走。藤田選手は流して,バックからようやくスピードアップ。番手戦は最後まで決着がつかなかったのですが,荒井選手は内に封じ込められる形となり踏めず。直線,外から平原選手が抜け,後閑選手に迫られましたが凌いで優勝。後閑選手が2着で,荒井選手の3番手から両選手の中を割った浜口選手が3着となっています。
 優勝した地元・埼玉の平原康多選手は,一昨年の別府記念以来となる記念競輪2勝目。番手戦を挑まれましたが,荒井選手もそう器用なタイプではありませんので,見た目以上に楽なレースだったかもしれません。もうワンランク上での活躍が期待される選手のひとりだと思います。

 王将戦は振駒で久保八段の先手。後手となった羽生二冠の作戦は相振飛車。かなりスローペースの進行で,封じ手の局面ではまだなんともいえません。
 ところで,マウスを新しいものにしてからPCの動作はかなり安定しているのですが,毎日新聞のページにいったときだけ必ずといっていいほどIEがエラーを起こし,ひどいときはPCがフリーズします。棋譜を見るのにも一苦労です。

 それでは第四部定理四系に進みます。
 「この帰結として,人間は必然的に常に受動に隷属し,また自然に共通の秩序に従い,これに服従し,かつこれに対して自然が要求するだけ順応する,ということになる」。
 この帰結というのは,もちろん第四部定理四からの帰結ということです。
 スピノザは『エチカ』ではこの系Corollariumだけを示して,証明していません。僕はこの系のうち,人間が常に受動passioに隷属するという点に関してはいくらかの疑問がありますが,現在の考察に関連しては,人間が受動的である場合があるということさえ示すことができれば十分であり,常に受動的であるかどうかは問いませんので,この疑問に関してはここでは問題にしないことにします。それならこの系は,第四部定理四が証明されてしまえば明らかなことですので,ここでも証明する必要はないでしょう。人間が自己の本性naturaのみによって理解できるような変化しか受けないということが不可能であるとは,人間が常に能動的であることは不可能であるという意味なのであって,裏を返せばこれは,人間が受動的な場合もあるということを意味しているからです。
 したがって,理性と憐憫の関係において,人間は理性ratioに従う限り憐憫commiseratioという感情affectusを抱かないということが結論されたのですが,人間が常に理性に従うということ,つまり能動的であるということが不可能であるということになりましたので,少なくとも,人間が憐憫という感情を抱く場合があるということに関しては,これで明らかになったといえると思います。
コメント
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