スピノザの『エチカ』と趣味のブログ

スピノザの『エチカ』について僕が考えていることと,趣味である将棋・競馬・競輪などについて綴るブログです。

フローラルマジック&第四部定理三一

2008-01-21 19:04:03 | 血統
 有馬記念を勝ったマツリダゴッホの牝系も紹介します。
                         
 この馬の母は1991年にアメリカで産まれたペイパーレインという馬。やはり日本での歴史はそう古いわけではありません。アメリカで繁殖生活を送った後,2000年から日本で産駒を出していて,マツリダゴッホは日本では3頭目の産駒ということになります。
 ペイパーレインの母は1985年にアメリカで産まれたフローラルマジック。最初に産んだのがペイパーレインでその後すぐに輸入されています。つまりフローラルマジック産駒でアメリカ産はペイパーレインだけ。ファミリーナンバー18です。
 フローラルマジックは輸入後に続々と産駒を出しましたが,そのうち1996年にサッカーボーイとの間に産まれたのがナリタトップロード。菊花賞馬です。よって,マツリダゴッホはこのナリタトップロードの甥ということになるのです。
 ナリタトップロードは大レースこそ菊花賞を勝っただけに終りましたが,6歳まで一線級として長く活躍しました。マツリダゴッホにもこうした傾向が受け継がれているのであれば,今年もまだまだ活躍し続けられるのではないかと思われます。

 憐憫commiseratioという感情affectusがいかなる意味で有用であるといえるのかということを検討するためには,このあたりの定理Propositioを順に解明しておく必要があると僕は考えています。そこで続いて第四部定理三一もみておきます。
 「物は我々の本性と一致する限り必然的に善である」。
 第四部定理三〇では,あるものがそれの本性naturaと共通である事柄によって,それにとっての悪malumであるということはあり得ないということが導かれ,またそのことにより,あるものが悪であるとすれば,それはそのものの本性に対立的であるということが分かりました。今度は逆に,もしもあるものがあって,それがそれ自身の本性と一致するのであれば,それはそれ自身にとって善bonumであるということが導かれようとしているわけです。
 このことが証明されますと,ある人間にとって,外部の物体corpusがその人間の本性humana naturaとより多く一致すればその外部の物体はそれだけ善であるということになります。また,第四部定義一により,善とはそれがその人間にとって有益であるもののことをいうわけですから,もしもある外部の物体がその人間にとってより有益なものであるとすれば,その外部の物体の本性というのがその人間自身の本性とそれだけ多く一致しているということになります。
 もちろん厳密にこのことをいうためには,第二部定理六第一部定理二八に訴えて,人間が自分の実在性realitasを維持または向上させる傾向conatusを促進したり逆に阻害したりするものは,人間と同じ属性attributumに属するものでなければならないということも証明しておく必要があると思います。ただしここでは,あくまでも人間の感情論をテーマとして設定していますので,このことはこの際の前提条件であるものとしておきます。
コメント
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