初心者のための証券のある生活

豊かな生活を目指し、廣本修正のよくわかる “株・いろいろ”

REITを揺さぶる当面のテーマ

2008-08-30 09:49:57 | 株・いろいろ
 REITの仕組み上は良いにしても、REITの市場価格を揺さぶる当面の情報に「保有不動産から入る賃料」があります。

 REITの分配金は、入ってくる賃料を主としてそれに不動産の売却益などが加わっています。

 賃料は長期契約によって決めるのが普通ですが、その賃料収入に変化が起きるケースを考えてみましょう。

1.新たに取得する不動産の賃料が下がってくる(注)と全体が薄められる。

2.金融機関からの借入金が多いREITは、金利負担がかさんで分配する原資が減る。

3.テナント(入居している企業等)の経営悪化で支払い賃料に影響がでる。例えば:
 ①倒産・・・もっともひどいケースですが、無いとはいえません。
 ②賃貸面積や賃料などの契約変更・・・これは簡単な問題ではありませんが・・

 ここ数年、REITは増資をして自己資金を増やし、加えて金融機関からの借り入れ金などで順調に保有不動産を増やしてきましたが、

 ここにきて状況は悪くなったといわれています。

 REIT価格の低落で増資もしにくく、金融機関からの借り入れもこれ以上増やせなくなり、新規投資がしにくい。

 不動産価格も“売って儲ける”状況でなくなりつつあり、所有物件の売却で利益を上げ難い。

 こうなると分配金が減りREIT価格も上がらない。

 というような心配が起きてきている、のですね。

(注)上昇が続いていた東京、大阪、名古屋など大都市圏のオフィスビル賃料が下落し始めたと伝えられています。