浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

アウトレイジ三国志を強く希望します

2012-10-19 01:03:16 | DVD、映画
「日本の男なら、大きい声だけ出せれば軍人とヤクザの役は出来る」と言った監督は誰だったか。たぶん五社英雄じゃなかったかな。間違ってたらゴメン。

見てきました「アウトレイジ・ビヨンド」

いうまでもなく「アウトレイジ」の続編。ヤクザ映画です。ヤクザと警察しか出てこない。女の人は二人くらいかな。言っときますがデートには向かない映画です。こういうのはやっぱりいい年した男が焼酎でも飲みながら見るのが一番いいの。そういう映画だってあってもいいじゃないですか。新しい靴を買ってる場合じゃないのよ。

いやー、ヤクザ映画って本当に楽しいものですね。実世界の暴力は肯定しませんが(ダメ!ゼッタイ!)映画だもの、いいじゃないですか。

何がいいってね、やっぱり実力派の俳優さんたちが思いっきり演じているのを見るのが楽しい。

そりゃ無理くり続編作ってるんで色々「あれ?」と思うところはある。「あの人生きてたの?」とか「前、こんな人いたっけ?」とかね。でも、いいの。それが昔ながらのヤクザ映画の伝統。東映ヤクザシリーズなんて前死んだ俳優が次で別の人になって出てきたりするんだから。そのファンキーさがいいの。

全体に楽しいのは「フラグの立ちっぷり」。映画とかでよく「死亡フラグが立つ」と言う言葉があるんです。

例えば戦争映画で「オレ、この戦争が終わって国に帰ったら結婚するんだ」と言ってたヤツが、怪しい物音に「ちょっと見てくる、大丈夫、お前はここで待ってろ」って出てったら大体次のシーンで死んでるでしょ。「ああ、こいつ死ぬなー」ってのが「死亡フラグが立つ」と言うこと。

この映画でもばしばしフラグが立ってた。

「バーカ、お前らに護衛されるほど年取ってねーよ」とかいうヤツがいて「あー、この人死ぬんだろなー」と思ってると次のシーンでパーン。正しいお約束。しかも高橋ヨシキ先生言うところの「ちょっと早いタイミングで撃つ」感じね。

そいでやっぱりそのフラグの裏切りが来るのがいんだよね。「え?この人、死んじゃうの?」とか「え?ここでそれ?」とか。

このへんはもうジャズにおけるアドリブに近い。

そしてなんと言ってもこのシリーズは「キャスティングの妙」があるね。実力派を意外なキャスティングしてそれが見所になってる。前作でも北村総一朗(湾岸署署長ね)を一番のヤクザにしたのが良かったわけだし。今回「ああ、ずっと見てたいなー」と思ったのは桐谷健太。本当にこの人は信頼できる若手俳優さんだねー。「いつ?いつ?」って感じで大体二回繰り返す感じが切れてていい。「俺が加藤やってきます!」ってさ、そういうことじゃないよ(笑)

よくドッピオさんと「日本人俳優で三国志」を作るならって駄話するんだけど、その監督は北野武で決まったね。いい感じの配役してくれると思う。「アウトレイジ 三国志 全員、悪人」とか最高じゃない?

これさー、たぶん第三弾あるね。倒すべき巨大な敵まだ残ったし、あの人が一言も喋ってないし。あの人の殺人マシーンっぷり最高。何人殺したの?(笑)あの人の後ろ姿映るだけて「あ、また殺すな」って思うもんね。

三作目を作るなら入れてほしい俳優さんはねー、北村一輝、松田龍平あたりかな。北村一輝はフェイントで実は警察側で。松田龍平はすげー強いヤクザだったらかっこいいと思うなぁ。あと吉岡秀隆にはぜひ切れ切れのヤクザをやっていただきたい。

とにかく楽しいです。一作目見てから見るのがオススメ。