浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

肉食獣のような

2012-10-08 18:33:23 | スポーツ
ほとんどのギャンブルをやる習慣が無い。

パチンコもしないし競馬、競艇、競輪、などなどほぼすべてしない。ギャンブルに使ったお金って今までの人生累計でも4、5万も行かないんじゃないかな。別に嫌っているわけでも無いのでやらない人間になったというのはめぐり合わせとしか言いようがない。

その中でも「機会があれば見ることは見る」というのは競馬。競艇も「競技」としては好きだから見たいんだけどね。なかなかテレビ中継も無いので見られない。

競馬は昔、大学の頃にテレビ局のアルバイトをしていた時によく競馬中継の仕事をしていた。札幌の初夏に綺麗な札幌競馬場で競馬を見るってのはお金をかけなくても楽しいものです。

ただお馬さんがレースをしているのを見るだけでも迫力があるし楽しい。

競馬の楽しみってたぶん、連綿と続いている「血統」を追いかける、ということが一つなんじゃないかと思う。

今、目の前で走っている馬の父はあの頃、あのレースで勝った馬で、母はあのレースで勝った馬で、、、というのはいろいろ感慨深いものがあるだろう。

残念ながら僕はそんなに知識が無いけど、その気持ちはよく解る。

競馬ど素人の僕だけど記憶に残っている馬は何頭かいる。

※これから書く話、競馬ど素人の話なので間違いたくさんあると思います。どうかご勘弁を。

まずジェニュイン。

毛色がキリッとしまった色で好きでした。(素人なのでそういう見た目でしか判断できない) 騎手の勝負服が黄色と黒の縦じまでこれがまた馬の毛色とマッチし、緑の芝生の上にいると美しいんです。皐月賞を勝って次のダービーも勝つかと思ったら、皐月賞2着のタヤスツヨシに負けた。

あと名前が思い出せないんだけど、何かのレースでスゴイ速さを見せつけた馬。最後のスピードはど素人の僕でも「これはモノが違うな」と思ったんだけど、そのレースで怪我をして引退した。名前を思い出したいんだけど思い出せない。

で、最近で言うとなんと言ってもオルフェーブル。

この馬はすごいっすよ。僕が「あ、この馬なんかおかしい」と思いだしたのは今年の3月。この馬は皐月賞、ダービー、菊花賞とG1(競馬のグレードで一番高いもの)レースを3つも勝った。こういうのを「クラシック三冠馬」と言ってこれはもうスゴイ名誉。史上7頭しかいない。この3つのレースは出場できるチャンスが1度しかない。特にダービーはどの生産者も騎手も誰もが勝ちたいと願うレース。ディープインパクト(2005年)以来のクラシック三冠馬だし、加えてその年の有馬記念(これもG1)も勝ち、何と四冠。「こりゃすごいのが出てきたね」と思っていた。

そしたらもっとすごいのがその次ですよ。阪神大賞典というG2レースに出場した。四冠馬なのでここは当然勝つだろうと思っていたら、第三コーナーで謎の逸走(曲がりきれず)、先頭から一気にビリに下がった。ビリどころか、この馬だけぜんぜん違うコースを走っている感じ。こりゃもう終わったな、と思ったらすごいスピードで走りだしてなんと最終的に2位に。あのね、この馬だけなんか肉食獣なんじゃないの?と思うくらいのなんというかオーラと言うかパワーだった。3000mのレースなんだけどたぶんこの馬だけ3500mくらい走っている。それで2着なんだもの困っちゃうよね。

動画あります。

2012年 第60回 阪神大賞典

こんだけコース外れてたのに2着って、もし真っ当に走っていたらどれだけ差がついていたことか。。

このあたりから個人的に「なんかこの馬違う、すごいぞ」と思いだして、普段競馬中継なんて観ないけど、この馬が出る、と聞いたら極力観るようにしてきた。

オルフェーブルはなんというか優等生的強さじゃなく「獣的」強さがあるような気がするんだよね。展開とか戦略とかじゃなくて「ガッと走りゃいいんだろ」みたいな。そういう人ってどの分野でも大好物なんです、僕。

続く天皇賞。これもG1なので勝てば五冠。これもなかなかいない。でも完全凡負けでなんと11着。

これでオルフェーブル終わったのか、と思われていたら続く宝塚記念で堂々の1着、やすやすと五冠達成。このレースは生で観ていて僕は「スターってこういうことを言うのか」と思ったね。

五冠となり国内敵なしのオルフェーブルの次の標的はフランスの凱旋門賞。これは世界で最も権威のあるレースの一つで今まで日本の馬は一度も勝っていない。(2着が何頭かいると思う、たぶん)

日本の競走馬悲願の凱旋門賞制覇がかかったレースが昨日行われた。日本時間で23時。これは観ないといかん、と思って見てましたよ。

またね、オルフェーブルの馬体がフランスの太陽に照らされて綺麗だった。日本馬だから、というひいき目もあるのかも知れないけど、茶色の馬体がオルフェーブルだけでキラキラと輝いている感じでねぇ。

レースの方は最終コーナーで完ぺきにオルフェーブルが飛び出してきた。正に獣という感じで。普段、競馬を見ない僕だけどこれは興奮した。スポーツ関係でここまで興奮したのは何カ月ぶりかですね。残り500mでオルフェーブルの前がポカッと空いた時には「ああ、やっぱりスターだ、勝つことを運命づけられている」と思った。そして残り200mで先頭に立った時にはこぶしを握りしめ、日本馬初の凱旋門賞勝利を確信した。

でもね。

世界の壁は厚い。ライバルを完全にぶっちぎったと思ったのに10番人気の牝馬(つまりメス)が追いすがってきて、残り10メートル、というところで刺された。

ぐぬー。

動画あります。



いやいやスゴイ。

最後に刺されてはいるけども、その馬以外は完全にぶっちぎっている。この馬さえいなければ。。。

次、どうなるのかまったく分からないけど、とにかくオルフェーブルが出るレースは観たい。
コメント
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