浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

『her/世界でひとつの彼女』

2014-07-23 08:12:10 | DVD、映画
「her/世界でひとつの彼女」という映画を見ました。



この映画の監督であるスパイク・ジョーンズのデビュー作「マルコヴィッチの穴」が好きで好きで。つーことでその人の最新作。

今回は「スマートフォンのOSである人工知能に恋をしてしまう主人公男性(セオドア)の話」。単にロボットに恋するというだけではなくて、離婚間近の奥さんとか仲のいい女友達とかの話も織り込まれていて、「男が恋をするとはどういうことか」という話になっている。

スマートフォンのOSである人工知能ってのはつまりiPhoneで言えばSiriということですね。

で、なんと言ってもOSの声役、スカーレット・ヨハンソンが良かったですよ。

舞台は近未来なので、今のSiriよりももっと進化していて、普通に人間と話しているみたい、という設定になっている。この映画、このOSが魅力的でないと、しかも声だけでその魅力を発揮しないとそもそもの話が進まないわけで。だって今のSiriみたいな感じだったら「そんなの好きになるなんてアホか」と思ってしまうでしょ。その点、この役は充分良かった。これが現代の話なら「そんな優秀なOSねーよ」と思うけど、巧く近未来が描かれているので「しばらく時代が経ったらこういうOSもあるかもなぁ」と思えた。

しかしさ、スパイク・ジョーンズの奥さんだったソフィア・コッポラ(ゴッドファーザー3のマイケルの娘、と言えばドッピオさんならずともわかるでしょう)が日本で旦那に相手にされずホテルにほったらかされて寂しかった思い出を元に作った映画が「ロスト・イン・トランスレーション」。それで主役(つまりソフィア・コッポラ役)をやったスカーレット・ヨハンソンを起用して、ソフィア・コッポラと離婚したスパイク・ジョーンズが「離婚した男の話」を映画にするってもう何が何やら。もう「君ら、お互い、メールか電話でやりとりすれば?」と言いたくなるね。

あと元奥さん役のルーニー・マーラ、最高に綺麗。結婚当初のキラキラした感じ(ほんとにキラキラしているのよ!もうね、なにこれ?天使?ってくらいに)が、別れたあとの切なさにつながっていてこれがまた痛いの。「ああ、こんなキラキラしている二人の関係もこんなに冷たくなってしまうんだ」とね。

正直、映画を見終わった直後は「うーん、ま、こんなものかな」としか思わなかったんだけど、しばらく経って「ああ、痛いな」と思っています。

主人公の男性(セオドア)と、何人かの女性の関係が描かれている。紹介されてデートをする相手、元奥さん、昔一瞬付き合ったけど今は単なる友達になっている女性、そして人工知能。

正直ね、僕はセオドアの目線で見ていたんで、「それぞれ最初は楽しいけど、徐々にすれ違っていくなぁ」と感じていた。でも時間が経って考えてみると思う。

やっぱりセオドアはね、決定的に、
思いやりが無い!
配慮が足りない!


いや、それは僕だって、言ってしまえば男性すべて一緒なのかも知れない。自分のことしか考えていないし、自分の話しかしないし、女性が成長していくのに比べて男性はあまりにも幼稚。相手に理想を求めすぎるしその理想から少しでも外れたら不機嫌になる。「こういうのがダメなんだよなぁ」とズドーンと来たですよ。

男はみんなこの映画見て何かを学びなさい。(←お前がな)

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2 コメント

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Unknown (ドッピオ)
2014-07-25 21:53:43
ゴッドファーザー、また最初から観なおしたい。もちろん3のラストシーンを味わうためだけに。
いやさー、なんかこうたまに発作的に「よしっ!次の休みはスターウォーズエピソード4から6まで全部観てやるっ」って気持ちになない?
まぁ、時間ないし、夜飲みながら観るか~と考えながら酔って寝てしまうんだよねー。
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Unknown (show)
2014-07-26 10:56:28
スターウォーズ全部観たいねぇ。エピソード7やるしね。
こないだ発作的にダークナイト三部作みたよ。やっぱいいね、ジョーカーは。
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