浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

修業が足りない

2013-06-06 18:26:37 | 日記
お昼時、たまに会社でお味噌汁のパックにお湯を入れて飲んでる。

こないだも飲もうとしていてさ。

ちょうど弁当もレンジで温めていたから僕の目の前に温かい味噌汁がある状態で突っ立ってた。

そこに同僚が来て「ちょっとごめんねー」という感じで僕の前にある湯呑を取ろうとした。すると、その同僚の腕が僕の味噌汁に当たって全部僕にかかった。

やけどするほど熱くはなかったけど、僕のズボンはびちゃびちゃ。

とはいえその日はラッキーなことにお客さんと会う予定もなかったからそんなに困るわけでもない。それから一日、少し味噌汁のにおいがしただけ。

当然、同僚は「ごめん!大丈夫?」と繰り返し心配してくれた。

僕としてはかけられた瞬間はびっくりしたし、その後しばらくは「わざわざ味噌汁の前横切って湯呑取らなくてもいいじゃないか」と同僚に思った(思っただけ、言わない)けど、その後に思ったのは「ああ、自分はまだまだ修行が足りないなぁ」ということ。

はっきり言ってこういう目に合わないために合気道をやっているというところもあるんだけどね。

僕に武道を語る資格はないけど、武道の基本というのは「護身」、つまり「身を護る」ということだと思う。

危ない目にあった時にどうするのか、というのは最悪のパターンの時の話であって、基本的には「危ない目にどう合わないか」ということを目的にしていると思う。

そもそも危ない目に合わないようにする、「危ないな」と感じたらすぐ逃げる、あるいは体勢を整える。もし最悪、危ない目にあってしまったらその時使えるもの全部を使ってでも生き延びる、というのが武道なんじゃないかと思う。

そう考えると、僕に味噌汁がかかってしまったのも、避ける方法はいくらでもあった。

まず「こぼれた!」と思った瞬間に足をさっと引く、という方法もあったろう。でもこれはまだ「下」。だって味噌汁が無駄になる。

同僚が手を伸ばしたときに「あ、あぶないですよ」と声を掛けるというのもあるだろう。これもまだ「下」。だって声を掛けたって同僚が手を止めてくれるかどうか分からない。

下の下の下なのはかけられた後に「何してくれてるんですか!弁償してください!」だね。

「中」は「同僚が手を伸ばしたときに自分で味噌汁を持って一歩下がる」ということだろう。そうすれば同僚は湯呑を取れるし、僕の味噌汁もこぼされない。

「上」がなんなのかは分からない。

うむー、まだまだ修業が足りない。