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浅草文庫亭

"大哉心乎"
-大いなる哉、心や

十字軍物語

2016-12-10 23:29:24 | 
塩野七生の「ローマ人の物語」はたいそう面白く全部読んだ。

僕は文庫版で読んでいたんだけど、毎年、9月位に最新刊が発売されて「おお、もうその季節かー」と思って文庫本を買ってローマの話を読むのはとても楽しいことだった。

「ローマ人の物語」も全部読み終わり、その後「ローマ亡き後の地中海世界」が発売され、そのあとに「十字軍物語」が発売された。


十字軍物語〈1〉

僕は「まぁ、文庫本で読もうかなー」と思っていたんだけど、これがまたなかなか出ないんですよ。調べたら「十字軍物語」が出たのって2010年。もう丸6年経とうとしているのにね。まぁ、そういうところは色々事情があるだろうから文句を言っても仕方がない。

ということで読み始めてしまいました。

あのねぇ、、、おもしろいね!!

僕は学校で世界史とかまったくやってこなかった人間なので十字軍についてもほとんど知識がない。そういう人間からしてみるとまったく新しい話でドキドキしますよ。

「カノッサの屈辱」(言葉だけは知ってる)というのが契機になったんだねぇ。。

すごーく大雑把にまとめてしまうと要はキリスト教とイスラム教の戦いなわけでそれって現代社会でも終わってないといえば終わってない。

カノッサの屈辱は西暦1077年の話で約900年前の話。うーむ、歴史というのは興味深いね。

まだ1巻だけだから、始まりの始まりだけなんだけど、こういうの読んでると例えば三国志における反董卓連合の成り立ちとちょっと似てるな、と思ったりする。

歴史、というか結局のところ人間のやることってここ2,000年くらい変わってないのかも知れないね。


ローマ時代の話もずいぶん「人名」で苦労したけど、今回も人名では苦労している。特にイスラム側はなかなか耳慣れない。スルタン・アルスラン、ヤギ・シヤン、ケルボガ、アフメド・イヴン・メルワン、、などなど。

ということでノートにメモしながら読んでる。

更に中東の地理ってのもなかなか難しい。(そうだそうだ、学生時代、地理も苦手だったんだ) レバノン、シリア、イスラエルあたりの地名がね~、なかなかわからないですよ。

ということでテーブルの上をこんな風にして読んでます。

受験生みたいだ(笑)

目玉焼きの黄身 いつつぶす?

2016-10-11 23:25:28 | 
読みたいな、と思ってた本がめちゃくちゃ安くなってた。


目玉焼きの黄身 いつつぶす? 1<目玉焼きの黄身 いつつぶす?> (ビームコミックス)

Kindle版とは言え104円ってさー。しかもAmazonポイントが52ポイント付くので実質的には52円。価格破壊だなぁ―。

どういう話かというと、男性が女の子と朝ごはんを食べていて、男性は黄身を潰して白身に付けて食べるのが好きなんだけど、女性は黄身を残して最後に食べる。その理由は「皿が汚れるから」。それを聞いた男性はおもわず「アホか。。」と言ってしまって女性は去ってしまう、、という本当にアホみたいな話だけど、こういう「食べ物の溝」ってのは意外と奥が深いから身につまされる。

その流れで、

カップ麺のフタ いつ取る?

だの、

焼肉で白メシ 食べる?

だの、

焼鳥の串 外す?

なんて、僕とドッピオさんが居酒屋で4時間話してるような話を延々やってる。

もちろん、食べ物なんだから「好きなように食べればいいじゃん」と言われりゃその通りだし僕だってそう思う。

だけど、現代民俗学においてこの考察というのはとても興味深いと思うんです。

例えば、地域ごと、例えば都道府県ごとの食文化の違いってのはそりゃある。

例えば北海道ではおせち料理を大晦日に食べるとか、福井県では水ようかんを冬に食べる、とか。

それこそ県民性の大きな違いで研究対象ではあるけど、もっともっと個人的な、例えばその家族だけのルールというか習慣ってのがあると僕は思ってる。

そしてその習慣は、決して明文化されず、あくまでその家族だけの中で行われている。ある時、男女が一緒に住むようになって「え?そんな食べ方するの?」「え?ウチではずっとこうだったよ」なんて驚きがあったりする。

その際に、「そんなのおかしい!」と否定するんじゃなくて、「へー、そうなんだー」と認め合うことこそ、人類和合の道なんじゃないだろうか。

(なんか話が大きくなったな^^;)

例えばさ、僕の実家は昔、あんまり「とんかつソース」が無かった。いや!誤解しないで!別に貧乏で買えなかった訳じゃないよ!^^; 単純に父母がとんかつソース好きじゃ無かっただけ、甘ったるいから。じゃ、とんかつに何つけて食べてたんだ、と言うとマヨネーズとソースを混ぜたもの。もちろん、子供の僕はそれがおかしいとも思ってなかった。

卵かけご飯は、まず小鉢に生卵を割り入れて、それに醤油をさし、混ぜてからご飯にかけてた。僕は今でもそうしてるけど、どうも卵かけご飯は「お茶碗のご飯にそのまま生卵を割り入れる」って人も多いみたい。(ま、洗い物がひとつ減るってのは分かるけど、もし卵の殻が入っちゃったら取るの面倒なんじゃないかな、と思うけどさ)

ことほど左様に、各人の「食べ方」ってのは千差万別で、非常に興味深いもんだと思う。

ぜひ、このマンガ読んで頂いてそのへんを味わって頂ければ。

高度資本主義経済世界でコーヒーを。

2016-09-20 17:16:58 | 
アフィリエイト(ブログのリンクからAmazonとかに行ってそれ買うとその何パーかがブログの主に入る)で月千円ちょっとの収入があります。

もちろんこのブログじゃない、別にやってるブログね。

しかも収入と言ってもAmazonのギフト券。現金じゃなくてAmazonでしか使えない物です。

月千円ちょっとと言っても積もり積もれば意外と「あれ?これ買えちゃうなー」と思うことがある。

このコーヒーカラフェがずっと欲しくてさー、2、3ヶ月くらい迷ってたんですよ。


キントー コーヒーカラフェセット SCS-04-CC 600ml

ウチには電動のコーヒーメーカーがある。


Melitta(メリタ) コーヒーメーカー 【2-5杯】Melitta ステップス ブラック MKM-533/B
(そうだ、これもAmazonのギフト券で買ったんだ)

更にはコーヒードリッパーもある。

たっぷり作りたい時、例えばタンブラに入れて会社持ってく時なんかはコーヒーメーカーで淹れるし、一杯だけでいいや、って時はドリッパーで直接マグカップに淹れる。

なもんで本当はこういうコーヒーカラフェなんて要らないと言えば要らない。

だけどさ、このカラフェ、ペーパーフィルターが不要だし、このカラフェだけでも赤ワイン飲む時なんかにも使えるだろうなぁと思って。


どんなに安い赤ワインでもデキャンタージュ、つまりデキャンタに移して空気を含ませた方が美味しいと思ってます。これは絶対そうだと思うんだよなー。

コーヒー用兼ワイン用になるなぁ、でもコーヒーメーカーもドリッパーもあるしなぁ、、と悩んでたんです、2、3ヶ月ほど。

そしたらAmazonでかなり値段が下がってまして。これもよく分かりませんが最初は4,320円だったの。で、いまお店で見ると4,000円。それがAmazonでは3,000円、もちろん送料無料。これは600cc用なんだけどこれの一回り小さい300cc用が2,999円。もうさ、ほんとよく分からない^^;

どうしようかなー、と思ってたら先月分のアフィリエイトの結果であるAmazonギフト券がメールで来まして。このくらいならノーマネーで(つまりすべてAmazonポイントで)買えちゃうんですよ。

つーことで「えーい!」と買いました。

さーせんね、このくらいの値段のものでガタガタ申し上げまして。。

僕のブログ(繰り返しになるけどこのブログじゃなくて別のブログね)を見た人のうち何人かがAmazonのリンクをクリックする、更にそのうち何人かがAmazonで買う。そうやって買われた金額の何パーかが僕にAmazonポイントとして入る、そのポイントで僕はAmazonで物を買う。。

もうね、分からないよ^^; 誰が得して誰が割食ってるんだろうね?

この高度資本主義経済世界。。

これはちょっとすごいね。。

2016-08-03 21:39:23 | 
Kindle unlimitedというサービスが日本でも始まりました。

これはAmazonのサービスで、月980円で電子書籍が読み放題、というもの。

最初、「そういうのが始まるらしい」と聞いた時はどうもピンと来てなかった。「読み放題とは言え読みたい本無かったら意味ないよなぁ」と思ってたんで。

初月無料らしいのでちょっと始めて見たんだけどさ、、、

すごいね!コレ!!


例えば文学・評論だけで1万9千冊くらい読めるわけ。

で、なかには「そうそうこれ買おうと思ったんだよな」って本もある。

さくっと読んだのがこのあたり。




どちらも面白く、「こんなん、実質無料で読んじゃっていいのかなぁ」と思うくらい。

誰かが書いていたんだけど、

「今までの電子書籍は『自分の本棚』を持ち歩く、って感じだったけどkindle unlimitedは『図書館を持ち歩く』って感じ」

確かにそう思う。全部で何冊あるのかわからないのだけど(漫画だけで3万冊以上あるらしい)、とにかくたっぷり本があってそれが月額980円で読み放題。どうやら著者には「読まれたページ数分で印税、というかとにかくフィーが払われる」らしい。

これは自費出版の人とかどんどん登録するだろうね。自分で本買いてPDFにしてAmazonに登録しておけば初期経費ほとんど0で印税が入ってくる可能性があるんだもの。

Amazonは今までいろんなサービスをやっていてそのたびに僕は使ってきた。

もちろん、ネットで本が買える、って最初の頃から、Amazonプライムビデオでビデオ見放題とか(今も使ってる)。

でも今回のkindle unlimitedは今までで一番の衝撃と言っても過言では無いかも知れない。もしこれが25年くらい前からあればなぁ。。僕が今まで本に費やしてきたお金がかなり節約出来たかもしれない。

もちろんこれがあったって本は買うだろうけど、それでも。

ちょっと普通の出版社とか本屋さんとかのビジネスモデルが心配になるくらい。すごい時代になったものです。

舐められてるぜ、ゆとり世代

2016-04-21 11:45:11 | 
最近、ほら、「ゆとりがさー」だの「あいつ、ゆとりだから」とか聞くじゃないですか。

ゆとり世代、っていろいろ定義があるようだけど、一般的には1990年から1996年に生まれた人たち、つまり2016年現在では25歳から20歳くらいの人を指すようです。

でさ、僕としてはこの言い方、というか定義にまったく納得出来ない(笑) すいませんね、へそ曲がりで。

はっきり言うけど「どんな世代にだってめちゃくちゃ優秀な人もいるし、どうしようもない人間もいる」というのが僕の考えです。

というか「20~25歳の人間なんていつの時代も年齢が高い人から見れば不可解なもの」ですよ。

昔さ、「新人類」って言葉があったでしょ。一般的には1961年生まれから1970年生まれの人を指すようだけど。その時代だってその世代が20代の頃は「新人類は理解できない」だの「新人類は使えねーな」だの言われてたはずですよ。

もっと言いますけど、昭和一桁世代はその下の団塊世代を「よくわからん」と言ってただろうし、団塊世代は団塊世代でその下の団塊ジュニアを「よくわからん」と言ってたんですって。

つまりさ、なーんも変わってないってことですよ。。

内田樹の言うところの「日本人は、変化の仕方に変化がない」ということです。

日本だけじゃないよ、アメリカだってロスト・ジェネレーション、ベビーブーマー、ジェネレーションXとあったわけだし。

つまりここから言えることは「いつの時代も20代の人たちって周囲から見れば不可解なもの」ということなんじゃないの?


僕個人は、何万人もいる人々をザクっと生まれ年だけで「◯◯世代」とくくっちゃうのはあんま好きじゃない。

「ゆとり世代は競争が苦手」とか言うけど、ホント??僕の知っているそのくらいの年齢の人でバリバリ競争タイプの人居るよ。

よしんば競争が苦手だったとしても、それってみんなで力合わせてやってく傾向があって、むしろギスギスしてなくていいじゃん、とも思うしさ。

村上春樹が「世代における知性ってそんなに変わらない」と言ってた(うろ覚え)

僕もそう思う。いつの時代も優秀な人はいるし、残念ながらそうでない人もいる。その比率って生まれた年によって変化するものでもあんまり無いと思う。

ま、「ゆとり世代がさー」とか言うのは飲み屋の与太話くらいにしといたほうがいいと思いますよ、個人的には。


ってことで高橋優の「(Where's)THE SILENT MAJORITY?」をどうぞ。

東北紀行

2016-03-18 23:17:06 | 
火曜日から金曜日まで東北を回っていました。

まずは岩手県の宮古市へ。僕の父の実家である釜石よりちょっと上、あまちゃんの舞台になった久慈市よりはちょっと下、というところです。

僕の父は高校を出てすぐ茨城に出てきて、その時のヒット曲が森進一の「港町ブルース」、夜勤の時にラジオを聞くと故郷を思い出し感慨にふけったとのこと。「宮古、釜石、気仙沼」と故郷の地名が出てくるので。



北は函館から、南は鹿児島まで、男の影を思いながら港を回る女心を歌った名曲ですよ。

---
背伸びして見る海峡を
今日も汽笛が遠ざかる
あなたに上げた夜を返して

流す涙で割る酒は
騙した男の味がする
あなたの影をひきずりながら
港、宮古、釜石、気仙沼
---

いいですな!

宮古ではお寿司とお魚を地酒を頂き、その次の日は盛岡にて晩ごはん。

ちょっといいお店に連れてって頂きまして、吉次の焼きだのメヌケの刺し身など頂きました。吉次は「キンキ」とか呼ばれるんだけど、今となっては結構な高級魚です。子どもの頃、釜石の親戚の家ではよく出てきたものだけど。
メヌケは深海魚で釣り上げた時に水圧で目が抜けているから「メヌケ」、煮付けが美味いけど刺し身では初めて食べた。あとはメカブもずるずる頂く。メカブ大好き。

盛岡を車で走っているとクラフトビールの醸造所を見つけて当然立ち寄り。



「ベアレンビール」という地元の蒸留所のようです。おみやげに買っただけでまだ飲んでないけど楽しみ。

いいね、東北。

冥福は、祈れない

2015-12-04 17:08:43 | 
この方だけは死なないもんだと思ってましたけどね。。まぁそんなことは無いですね。

先日、昼過ぎに電車に乗っていて、Podcastで町山智浩氏が水木しげる先生について語っていた。



この人の語り口と、「ああ、本当にもう水木しげるはいないんだ」と思ったら何故か涙が出てきた。自分でも意外なほど、自分は水木しげる先生が好きだったんだね。そういうことってたまにありません?なんか犬とかが使ってなそうなガラクタあって、それ片付けようとしたら急に吠えたりして「ああ、ごめんごめん、これけっこう気に入ってたのね」みたいなさ。

子供の頃、水木しげるの妖怪全集みたいなものは当然、持ってたし、そして当然、それで結構怖くなってたりしてた。物心ついて、やっぱり妖怪というのは非常にキュートだと思ったし、民俗学が好きなのでその方面からも好きになった。ベトベトさんが一番好きです。

たぶん、水木しげるは「楽しく生き続けた」人だと思う。だってさー、鬼太郎の主題歌(水木しげる作詞)がすごいじゃない。

---
朝は寝床でぐーぐーぐー
たのしいな
おばけにゃ学校も 試験もなんにもない
夜は墓場で運動会
たのしいな
おばけは死なない 病気もなんにもない
---

ですよ。すごい話だ。

そして、水木しげるは左腕を失っており、それが戦争によるものだというのを僕が知ったのは更に物心がついてから、だった。

戦争というなんだかよくわからないけど恐ろしい「魔物」が彼の左腕を違う世界に持って行ってしまったのだろうと思う。だからこそ、彼は違う世界が「視えた」んじゃないかと思う。

アンパンマンの作者、やなせたかし(この方が亡くなった時も悲しかったなぁ)があるインタビューで言っていた。

「やっぱりね、死んじゃうとおしまいなんだな、どんな天才でも。だから水木しげると俺みたいに寝てるやつはね、死なないんだよ。あっはっは。」

本当にそう思う。徹夜なんかしないでよく寝ていた水木しげるとやなせたかしは長生きした。本当に寝るのって大事だね。

水木しげる大先生の「ご冥福」を祈るのには違和感がある。たぶん、水木しげるは死んだのではなく、ただ「還った」だけだろうから、妖怪の世界に。

ああ、今頃、鬼太郎や一反もめんや塗り壁たちと朝はぐーぐー寝て夜は墓場で運動会しているんだろう。。ああ、楽しそうだなぁ。たぶん、その世界は僕らの生きてる世界の中にある。

純粋な、恋愛状態

2015-10-13 12:04:26 | 
相談は踊る」というラジオ番組がありまして。

パーソナリティはジェーン・スーという女性で、毎回日替わりの代行MCとともに様々なお悩み・相談に乗る番組です。

僕は好きで結構聞いてます、ポッドキャストでね。

先々週はジャズ・ミュージシャンの菊地成孔が代行MCだった。そこで「5年付き合ってる彼氏がいるけど、別の男性が気になって仕方ないです」という女性の相談に対してね、その菊地成孔がこんなことを言っていた。

「あの人とキスをしたい、出来ればセ◯クスしたい、と思ってる。そしておそらく相手もあなたとキスをしたい、セ◯クスしたいと思っている、それがわかっている。そのうえで、それをしない、というのは一見苦しいけど、そういう状態と言うのはとてもイイものです。我慢してみてください」

思わず、うむーと唸ってしまった。すごいことを言うものだねぇ。。

これってさ、つまり純粋な「恋愛状態」ということだよね。つまり菊地成孔は「ただ、恋愛を純粋に楽しんでみては?」という提案なんだと思う。

その相談のすぐ後に別の女性からメールで、「先程の菊地さんのご意見、大人だなあ、と思って拝聴しました。私も今、好きな人が居ます。私はキスもしたいんです、セ◯クスもしたいんです。どうやって我慢すればいいでしょうか?」という相談が来た。

これに対する菊地成孔の回答も秀逸。

「ただ、我慢するんです。ひたすら我慢するんです」

いやぁ、なかなかのものですねぇ。。(笑)

11月3日まではこの内容、ポッドキャストで聞けるのでよければどうぞ。

10/03(土)20時台「リスナーからの相談」&「エンディング」


ちなみにこのラジオ番組が先般、書籍化されました。


この中には僕の相談も載ってます。どれかはまぁご想像にお任せします。非常に「僕らしい」相談なのですぐわかると思いますけどね(^^;;

予想

2015-09-05 11:20:43 | 
ちらっと見つけてネットで無料立ち読みしたら面白くて買ってしまった。



もうさぁ、ネットで無料立ち読み→そこから購入って流れ、上手く丸め込まれたようで悔しいね(笑) まぁいいんだけどさ。

ファミレスの冴えない店長とそこでバイトする女子高生の話。歳の差の話ということで「娚の一生」を思い出しますね。

冴えない店長がパトレイバーの後藤隊長っぽくていいですよ。っぽいというか完全にそのまんまだよね。

これねぇ、映画化されると思いますよ。最近、僕の予想はよく当たるんです。映画化するとしたら誰にしますかねぇ。。女性のほうはまぁ若手女優の新人とかになるとして男性はどうしましょうかね。きちっと45歳くらいの俳優にやっていただきたい。西島秀俊とかどうですか。あるいは堺雅人でもいいかもなぁ。

つらい本

2015-07-29 17:16:28 | 
二冊続けて「つらいなぁ。。」という本を読みました。



最近、インドでビジネスをしている知り合いが多くてその人から勧められた本。インドのストリートでは物乞いをするために子供を借りたりするらしい。一人で物乞いをするよりも、子供を抱えていたほうが「可哀想だなぁ」と思ってもらえて、多めにお金をもらえるらしい、、、というやりきれない話。映画スラムドッグ$ミリオネアでもそういう話は出てきたけど、それはそれであくまでフィクションだったからねぇ。。

と、この本の話をしていたらこちらもお勧め頂いた。



こちらは更にもっと話がひどくて、人身売買の話。フィクションではあるんだけど、だからこそ筆致がえげつなくてしんどかった。

もうね、こういうのほんとにつらい、しんどい。。僕には子どもがいないけど、それでも最近、姪っ子だの知り合いの子だの観ているから「ああ、もしそういう子どもたちがこんな状況になってしまったら、、」と想像してしまってつらい。。

深淵を覗くこと

2015-05-18 11:20:17 | 
「アクト・オブ・キリング」という映画を観ました。


(Amazonリンク→アクト・オブ・キリング[Blu-ray]

ちょっとすごい映画でしたね。。言葉を失うくらい。

たぶん衝撃度で言えば「カシム・ザ・ドリーム」を観た時以来。

インドネシアで起こった大虐殺について、その大虐殺を行った人たちにそれを再現ドラマとして演じてもらうというドキュメンタリー(なぜそんなことが起こっているのかについては非常に複雑な話なのでぜひ映画をご覧くださいませ)なんだけど、恐怖という意味で言えば「カシム・ザ・ドリーム」よりも怖かった。

虐殺を行った人たちは元々はダフ屋だとかストリート・ギャングだった。彼らは思想も無くただ儲けるためにそれを行った。

見ながら本当に恐ろしいと思ったことは「もし自分が彼らと同じ立場だったら、同じことをやっていたのではないか?」ということ。大虐殺事件から数十年経って、そのクーデターを行った人々が政府の中枢にいるので彼らはまったく罰されていない。むしろ町の名士として生活している。「何をやっても罰されない、むしろこれからの生活を保障される」と言われたら、彼らが再現している「残虐なこと」を自分もやったのではないか。

そう考えると本当に恐ろしい。


比べるのはちょっとどうかと思うけど、先日の大阪での住民投票。僕はもちろん東京から見ていたんだけど、少しだけ恐怖を感じた。もちろん住民投票自体にはまったく問題無いし地方自治について住民が決めるというのは素晴らしいことだと思う。

だけどたまにTwitterを見ると「ほんとうにこんなことが起こっているのか?」と感じたことがあった。賛成派・反対派どちらかがどちらかを誹謗中傷していたり。もちろんそれは一部なんだろうしそもそもTwitterなんてそんなもんだよ、と言われればそうだろう。

マスコミについても数十年かけて完全に信頼を失っているんだな、と感じた。ネットを見ていると誰もマスコミを信じていない。その是非はおいておくとして。

ふと僕はゲッペルスのことを思い出した。ゲッペルスというのは大二次世界大戦のころのナチス・ドイツの宣伝大臣。「プロパガンダの天才」と言われ様々なものを活用してプロパガンダを行った。大衆を扇動し刺激的な言葉と宣伝で誘導した。

なぜ思い出したか、と言うともちろん大阪をあの時のドイツと比べたいわけじゃない。そんなの大阪にとって失礼だと思う。

思い出したのは「もし自分が賛成/反対どちらかにいたらゲッペルスみたいなことを嬉々として行っていたかも知れない」と思ったから。

ゲッペルスほどのスケールではないけど、僕の仕事だってある種、人の考えを操る、と言ってしまうと語弊があるかも知れないけど、人の考えにまつわることではある。

法に反することはもちろんやってないけど、どうやって商品を宣伝するかとかどうしたら効果的に売れるか、ということはもちろん考えている。それが仕事だし。そしてそういう仕事、好きだし楽しくやっている。

もし僕が大阪にいて今回の投票にまつわる仕事をしていたらもう楽しくて楽しくてジュルジュルよだれを垂らさんばかりにプロパガンダの仕事をしていたかも知れない。

三国志とか戦国時代とか幕末物を読んでても僕が「ああ、面白いなぁ」と思うのは戦いそのものよりもそれにまつわる駆け引きだからね。

もしかして戦時中になったら、、、僕はそこでもプロパガンダの仕事を何も疑問も持たず、いやむしろ楽しんで、やってしまうかも知れない。

そう考えると「アクト・オブ・キリング」で描かれた、「楽しんでやった人々」、更に「それを自慢気に語る人々」を僕は「これはひどい、こんなの自分は絶対やらない。これは自分とは違う人達だ」とは言い切れない。

ニーチェはこういう言葉を残している。

「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだ。」

日本史の謎は地形で解ける

2015-04-23 16:11:03 | 


「ウィークエンドシャッフル」というラジオ番組で紹介されていたので読みました。

いやーん、面白かったわ~。

タイトルどおり、歴史の謎を「地形」というキーワードで解いていく話。目次見るだけで「お、おもしろそう~」と思いますよ。

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なぜ京都が都になったか──都市繁栄の絶対条件
なぜ信長は比叡山延暦寺を焼き討ちしたか──地形が示すその本当の理由
関ヶ原勝利後、なぜ家康はすぐ江戸に戻ったか──巨大な敵とのもう一つの戦い
赤穂浪士の討ち入りはなぜ成功したか──徳川幕府百年の復讐
なぜ吉原遊郭は移転したのか──ある江戸治水物語
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もうこれは歴史地形ミステリーですね。著者は名探偵よろしくひとつの謎を見つけるとそれを地形から読み解いていく。ちょっとエッセイ風で「あれ、そこは憶測じゃない?」と思うところも無くは無いですが。。ま、いいです。

一番おもしろかったのは「なぜ元寇は失敗に終わったか」という話。

元寇、皆さん歴史の授業でやりましたよね? 当時、一大勢力を誇っていたモンゴル帝国が当時の最大勢力の艦隊で日本を攻めてきた事件です。ここでもしモンゴル帝国に負けていたら日本の歴史は確実に変わっていたんだけど、なんと2度に渡って日本は元を退けた。当時のモンゴルに勝った国というのはなんと2カ国しか無い。

さて、なぜ日本は超巨大国モンゴルに勝つことが出来たのか?

もちろんそれは台風が来たから、ということが定説になっているけど、著者は「それは本当か?」と疑問を投げかける。台風が本当に来たとしても、ちょっと陸地で待機してやり過ごせばよかったんじゃないか?と。

それを深堀りしていくとモンゴル帝国と日本の大きな「地形」そして「風土」の違いに行き着く。

まず、当時のモンゴル帝国の強さの秘訣というのは圧倒的な機動力、つまり馬、牛を飼いならしその力を利用していた。広大な平野があるので馬、牛をどんどん育てられた。

一方、日本は土地が狭いので大規模な牛馬の飼育というのは難しい。また、特に牛は基本的には去勢をしないと乗り物としては使い物にならないらしい。「暴れ牛」という言葉があるくらいですぐ暴れてしまう。日本は牛が少ないので去勢が出来ない。(しちゃうと繁殖に使えないから)

だから日本では牛車というのは非常に狭い範囲でしか使われていなかった。都の一部分で偉い人が乗る、とかね。それでも日本で牛車を描かれている絵の何枚かに一枚は牛が暴れている絵らしい。

さて、モンゴル帝国がやってきた。だけど日本の地形、つまり森や山が多く、地面は湿ってベトベトの状態ではせっかくの牛・馬も使えない。これでまずモンゴル帝国は大きく機動力を削がれることになった。

まぁ仕方がない、徒歩で行こう、と思って進軍し、夜は野営をしていたんだけど、なんとモンゴル帝国をもうひとつの大きな(いや、小さいけど強力な)敵が襲う。

なんとそれは蚊!

モンゴル帝国はからからに乾燥した平野だったので蚊がいなかった。モンゴル帝国は日本で初めて蚊に出会ったわけです。さぁ、モンゴル人大変ですよ。「なにこれ!?めっちゃ嫌!うるさい!痒い!」と大騒ぎ。

「うわ~ホントやだわー、日本。ちょっとこんなとこじゃ寝られないから船戻ろう」と言って船上で寝ていた、と。

はい、そこで台風ドーン!!(笑)

そりゃ大変ですよ。

でもね、別に台風来ても落ち着いて操縦していれば大丈夫だと思うでしょう? ここにもう一つの大事な敗因がある。

実はモンゴル帝国は船の操縦はそんなに得意じゃない。もともと平原の人だからね。この時に船の操縦をしていたのはモンゴル帝国の属国である高麗王国(今の朝鮮半島あたり)の人々。つまりこの人達は地元をモンゴルに支配され「おい、ちょっと日本攻めっからお前ら船出せや」と言われて来た人々。

そんな人たちが操縦していたのでモンゴル帝国に「おい、台風来たからなんとかして」と言われても「は?つうか関係なくない?俺ら別に日本攻めたくないし。勝手に沈めばいいんじゃね?」とモンゴル帝国のいうことを聞かなかったのであえなくモンゴル艦隊は沈没。

これが元寇の正体らしいです。


ちなみに、モンゴル帝国に勝ったのは2カ国しか無いとのことですが、その二カ国とは日本と、ベトナム。ベトナムが勝った理由もやっぱり土地がジメジメベトベトでモンゴル帝国の機動力を使えなかったから、らしいです。


すごーくざっくり僕の理解で言ってますから間違いもあると思いますがどうかご容赦を。

とにかく興味深い本ですよ。

シアトル・バンクーバー旅行記:三日目後編

2015-04-15 10:53:43 | 
バンクーバーを出てシアトルに戻る。

どこをどう通ってもまぁそんなに心踊る道のりではないんだけど、それでも昨日とは違った道を通りたくて少し遠回りしてみる。これが失敗。途中の橋がひとつ通行止めになっていて、結局、元の道に戻らなくてはいけなくなった。

まぁ、そのおかげで立派な橋を見られたし、ちょっとしたアンティーク屋(うそ、いわばバッタ屋)を見つけて中古のかわいいカップ&ソーサーを2ドルくらいで買えたらいいけどさ。。

また、偶然、ハードロックカジノ・バンクーバーというのを見つけた。

生まれて初めてのカジノだったので入ってみる。これはハードロックカフェが運営しているカジノで最近出来たらしい。ハードロックカフェ運営らしく中にはロック関係の展示物が多々ある。

ジミヘンの衣装。


フォール・アウト・ボーイ(僕、好きなんです)のベース。


ここでギター好きのハトコへのおみやげを買う。店員さんに「日本へのおみやげなんだ」というとハードロックカジノバンクーバーのロゴの入ったペンをいただけた。嬉しい♫

と言いつつ延々と道を戻る。

途中、渋滞にはまってうんざりする。

カナダ国境は難なく通過。NexusLaneにはもう引っかからないからね。

ここからのシアトルまでが本当に大変だったなぁ。渋滞にはまったおかげで日が暮れかかってくるし雨も降ってきた。ハイウェイは日本ほどピカピカと街灯があるわけではないのでなかなか後続車が見えない。

しかも道もよくわからない。ナビはあるんだけどアテにならない、iPhoneのGoogleMapもアテにならない。5号線をずっと下って90号線を東に行けばいいはずなんだけど、何度も間違える。アメリカのハイウェイは「ここ出口」というのを見てからだともう遅くてその前に右車線にいないと間に合わなかったりする。

「ああ、ダメだった、次で降りて戻ろう」と思うと違うのに乗ってしまったりして。ほんとに5号線から90号線を1時間くらいやってた。

日も暮れてくるし、雨も降ってるし。

90号線を曲がれてモーテルまで向かう道の間は「とにかく熱い風呂とビールだ」としか考えていなかった。考えてみるとアメリカに来てから一度もお風呂に入ってない、いつもシャワー。日本を離れて「日本食が恋しいなぁ」と思ったことは無いけど「熱いお風呂に入りたいなぁ」とは度々思っていた。

「ああ、俺はもう一生この5号線と90号線の間から出られないんじゃないだろうか、、」と思った頃、なんとかモーテルに到着。熱いビールを浴びて冷えた風呂、じゃない、熱い風呂を浴びて冷えたビールになんとかありついた。


(続く)

村上さんのところ

2015-01-16 15:55:39 | 
みなさ~ん、村上春樹が質問に答えるサイト、また始まってますよ~~。

村上さんのところ/村上春樹 期間限定公式サイト

村上春樹は1996年以降、不定期にホームページを開き、期間限定で、質問に答えるなんてことをやっている。一番最初は「村上朝日堂ホームページ」、その次が「海辺のカフカ」ホームページとか。

毎回、開設されてからしばらく経って知ることになり、「ああ、もっと早く知りたかった」と思っていたけど、今回は開設翌日に知ることが出来て嬉しい。(Twitterで知りました、Twitterもたまには役に立つ)

実は過去に僕も回答をもらったことがある。活字化されていて(当然、その書籍「少年カフカ」も持っている)、今回、読み返してみたけど、自分がほんとに無礼なカッコつけたことを言っていたなぁ、と赤面しました。

ちょうど「海辺のカフカ」が出版された時で僕は「正直、よくわかんなかったですけど、ねじまき鳥も最初そんな感じでした。でもねじまきのは読んでるうちにどんどん好きになってきたのでカフカもそうなると思います」みたいなことを書いたのです。ほんとさー、何様!? すいません!

それに対して村上春樹はこんな回答をくれた。

「ねじまき鳥を読み返すうちに好きになったということですね、たぶんあなたは僕にとって理想的な読者です。そういう風に言っていただけると小説を書いている甲斐があるなととしみじみ思います。勇気づけられます。ほんとに。ありがとう」

僕はこれを読んで膝から崩れ落ちました。いや、比喩じゃなくて。

中学生の頃から大好きで新刊出たらすぐ買うような作家から「ありがとう」って言われちゃうなんてねぇ。

「小説を書いている甲斐がある」なんて言われちゃって以降さ、村上春樹が新作を出す度に「もしかしたらこの人が小説を書いているのは何千億分の一でも、僕がいるからなのかも」と思ってしまう。不遜なのは重々承知です。でも思うのは自由じゃないですか。


サイトのほうは日が経つ毎にこなれて来たのか回答の切れ味が立ってきて思わず笑ってしまう。

「なんでも相対化されて考えたほうがいいと思います」という回答には思わずブッと吹き出してしまった。

今回も追々、書籍化すると思うので回答もらえると嬉しいなぁ。

ところで、この村上春樹期間限定サイトの企画、いつもいつもトップページと挿絵は安西水丸だった。僕が村上春樹を読みだした時から、長編文庫版の表紙は佐々木マキ、短編とエッセイの挿絵は安西水丸というイメージだった。しかし昨年、安西水丸が亡くなってしまって、当然、今回のサイトのイラストは安西水丸ではない。こういうことで「ああ、もう水丸さんは居ないんだなぁ」と改めて思い知らされる。


(村上春樹のサイトの書籍化されたもの)

村上朝日堂 夢のサーフシティー


スメルジャコフ対織田信長家臣団


少年カフカ


「そうだ、村上さんに聞いてみよう」と世間の人々が村上春樹にとりあえずぶっつける282の大疑問に果たして村上さんはちゃんと答えられるのか? (Asahi original (66号))


The book of the year 2014

2014-12-31 21:57:01 | 
勝手に毎年恒例、ブック・オブ・ザ・イヤー。一応、2006年からやってます。ちなみに去年のブック・オブ・ザ・イヤーは「色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年」でした。去年なんだね、ずいぶん前な感じがするけど。

さて、今年、僕が読んだ本の中で個人的ランキング。あくまで「今年読んだ」なので今年発売された本じゃなくても入っている場合がある。

今年はねー、もうほんとに「フィクション」を読まなかった。別に読みたくないわけじゃないんだけどなかなか「お」と思う本が少なくてね。個人的に「ヨクナイナ」とは思っているんだけど仕方がない。フィクション要素は映画で取っているというところもあるのかも知れない。

あと、あくまで僕の話だけど(僕の話じゃない話があるのか)、ずいぶんと電子書籍で読むようになった。特にマンガ。サライネスの「セケンノハテマデ」だとか「手塚治虫物語」「刻刻」なんかはAmazonKindleで読んだ。「電子書籍なんてさー」とかブツブツ言ってたけどやっぱりかさばらないので便利なんだもの。

さて、今年のランクイン作品から。



村上春樹の短編集ですからね、そりゃ入りますよ。



今年のマンガ部門ナンバーワン。2巻でサクッと終わるので大変オススメ。微笑ましくて、切なくて、恐ろしくて哀しくて。いいマンガです。おなじ作者の「うきわ」も入れたいけどこちらはまだ連載中なので後ほどということにします。



内田樹はとにかくたくさん本を出すのでどんどん読んでる。



個人的には町山智浩映画解説アーカイブというサイトを立ち上げたのが今年の大きな個人的ワークです。



映画も大変おもしろかったけどこの原作も良かった。主人公の身の振り方がこちらのほうが現実的だよね、現実なんだから当たり前なんだけどもちろん。


さて、今年のThe Book Of The Yearは!!








「ピクサー流 想像するちから」


今年はこれです。アニメーション映画製作会社、ピクサーを立ち上げた著者がその歴史をまとめた本。

数年前から「なぜピクサーはこんなにすごいのか?」ということが関心事でした。だってね、すごいじゃないですか。まず初作品が「トイ・ストーリー」なんだけど、これね、今では当たり前になっていますけど世界初のフルCGアニメなんですよ。つまり「トイ・ストーリー」以前にはそんなもの無かったんです。それ以降も「ファインディング・ニモ」「モンスターズ・インク」「カールじいさん」「トイ・ストーリー3」と名作揃い。
更にはディズニーとの株式交換。これは一見、ピクサーがディズニーの軍門に下ったように見えるけど実はそうじゃない。この株式交換の結果、ピクサーの設立者エド・キャットムル(著者)はディズニーアニメーションの社長になり、ピクサーの製作責任者ジョン・ラセターは同じくチーフ・クリエイティブ・オフィサーになった。
つまり、それ以降のディズニー・アニメ、例えば「塔の上のラプンツエル」「アナと雪の女王」なんかはある意味、ピクサーのマインドが入った映画だと言える。
それだけの会社だけど、元々は単なるILM(ルーカスの作った映画制作会社)の一部門だった。ここにスティーブ・ジョブスが出資した。その会社がどう育ってきたのか、という話。ベンチャー企業の成長事例としても読めるけど、一番僕が興味深かったのは「好ましい企業文化をどう醸成するか」という話。企業経営の本として参考になる点が多々あります。そして何と言っても「ジョブスすげー!」と思いますね。

何より、少し泣きそうになったエピソードがジョブスが生前「もし生まれ変わったらピクサーで映画の監督をやりたい」と言っていたこと。これは泣けるなぁ。そして、観たかったなぁ、ジョブスの作ったピクサー映画。

ということで想いが溢れてまとまりませんが、この本が今年の一番です。


さて、今年も終わります。毎年毎年同じことを思ってますが、いや~今年もいろいろあった。いろいろと皆さんありがとうございました。

良いお年をどうぞお迎え下さい。

来年も、理力があなたと共にあるように。
(May the force be with you.)