オダマキ2
江嵜企画代表・Ken
描いた本人が納得していない絵だったから、花自身が納得しているはずはない。朝一番でもう一度オダマキを描きに阪神青木まで出かけた。相撲で言えば仕切り直しである。花の正面に腰をおろし、花とにらみ合った。昨日は鉛筆でスケッチした。今朝は、日ごろ使っている水性ペンでスケッチした。
甲子園球場でスケッチするときも水性ペンで一気に描いていく。当然描き損じ出来ない。鉛筆だと消しゴムで消せばいいという気持ちがどうしても残る。スケッチが出来たので、家に持ち帰って色を付けた。昨日は色鉛筆で色づけし、水で溶いて仕上げた。
オダマキパート2は、本画ではないが日本画の作法でトライした。膠(にかわ)を溶く。胡粉を用意する。水干で下塗りする。最後は岩絵の具で仕上げた。花が納得してくれたかどうか花に聞いてみないとわからない。ただ、描いた本人は改善したと自画自賛している。
今朝も通りがかりのご婦人が声をかけて来た。話好きの人と見えてかれこれ15分は対話した。水やりが大変でしょうと聞いてきた。水やりよりも駅前なのでたばこのポイ捨てを拾うことから仕事が始まると答えた。
電車ではたばこが吸えない。子供の時から駅前で育った。これは駅前の宿命ですと答えた。当のご婦人は、随分さとっておられるのですねと、あきれ顔で話を受けた。
絵のことなどそっちのけで、地震の話、洪水の話、戦後すぐの時米軍の空爆で至るところに爆弾池があったなど話があちこちに飛んだ。原発の方がもっと怖いという話になった。毎日朝刊に浜岡が一番危ないと出ていたと水を向けた。山科の日本画教室は福井が近い。福井原発がやられたら花を描いているどころでない。
オダマキの花は二人の会話をどんな気持ちで聞いていたのだろうか。(了)