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米景気回復期待からNYダウ101ドル高、原油56ドル(学校で教えてくれない経済学)

2009-05-07 09:20:06 | 経済学
「The Human Nature of Birds」(日本名題名:もの思う鳥たちー鳥類の知られざる人間性―)[セオドア・ゼノフォン・バ―バ―著・笠原敏夫訳](日本教文社)という本を読んだ。鳥の行動から学ぶことが甚だ多いと常々思っているが、一読して改めて納得した。一冊2000円でやや高いが、時間が許す方はお勧めの本である。

日本では、人間は知的な動物であるから優れており、鳥は本能で動くから人間以下だと思い込んでいる人が多い。文学の世界では、純文学は優れているが、大衆文学は評価しない。いつものことながら、お金は汚いものであり、中でも相場の話には努めて触れようとしない人が日本人に多い。

5月6日のNY株式市場では、米国の雇用情勢改善と金融安定化への期待感から、前日比101ドル高、8,512ドルで取引を終了した。NY原油(WTI)先物相場は、足元の原油在庫は増加を続けているが、先行きの景気回復期待から買われ、バーレル当たり前日比2.50ドル高い56.34ドルで取引を終了した。

今朝のWSJ紙によると、米国景気は底を打ち、米金融機関に対するストレステスト(資産評価)結果は相場に影響しないとの空気からNY株式市場は買われた。この日の金融株が相場をけん引した。バンカメ、アメリカンエキスプレス、JPモルガン株が上げ、シティーグループ株は17%値上がりしたと伝えた。

米調査機関の一つADPMがまとめた4月の米雇用数が発表されたが、アナリストの予測の650,000人減に対して、減少幅が大幅に減った。明日発表予定の米労働省の雇用データが改善すると先読みしたとWSJ紙は解説している。

NY原油先物相場が08年11月14日来の高値の56ドル台まで値上がりした結果おうは、資源エネルギー株が値上がりしたこともこの日のNYダウ上昇を助けた。WSJ紙によれば、世界最大の原油消費国であるアメリカの4月の原油消費量は1,820万バレルへ前年比7.9%減り、その結果、5月1日在庫は日量60万バレル増えた。

足元の在庫は依然として増加を続けている。しかし、その先には、景気回復に期待が出て来た。景気が回復軌道に乗れば、需要は回復する。原油相場反発を受けて、銅、すずなどの非鉄金属、大豆、小麦、トウモロコシなどの商品相場も値上がりした。NY金先物相場は、オンス6.80ドル上げ、910.50ドルで取引された。

リーマンブラザーズ破たんで森の中で身を潜めていた鳥が、川面に姿を見せ始めた光景を想像すれば分かり易い。原油相場は昨年7月3日に、終わり値でバレル145.29ドルの最高値を記録した。しかし、もともと原油は、コストバレル7~8ドルと言われる商品である。20数年、バレル25ドル前後を低迷していた。

WTI市場を大海と思うと間違い易い。水鳥の池だと思えばいい。狭い池におびただしい数の水鳥が集まった結果、水位が上がり、見せかけの相場が生まれた。あっという間に、145ドルまで値上がりした。

徐々に去ってくれればよかったが、鳥は説明なしに一斉に池を飛び立った。145ドルあった水位が鳥が突然いなくなって、池の水位は、半年の間に、あっという間にバレル32ドル台まで値下がりした。今その鳥が原油という池に戻り始めた。その結果が今朝のNY原油相場56ドルである。

商品相場の回復のきっかけもそうだが、NY株式の戻りのきっかけも、3月に米政府が発表した米金融機関に対する米FRBによる3,000億ドル規模の不良債権買い取りである。米金融機関が自らしでかした不始末を国民の税金で尻ぬぐいしてくれる。鳥にとってこれほどありがたいことはない。

NY外国為替市場は、ややドルが売られ、対円では1ドル=98.44円前後、1ユーロ=130.99円前後で取引された。原油や為替、株式市場の動きを鳥に置き換えて観察していると、原油や株式市場の池には、鳥はここへきて結構姿を見せているが、為替の池には余り触手を伸ばしていないように見受けられる。特にドルの周辺はきな臭い匂いを本能的に感じているのであろう。

冒頭にふれた著書「もの思う鳥たち」を詳しく読むと、鳥は、個々の現象を全体像として概念化して捉える。非常に優れた記憶力がある。道具を使う。利他的な行動をも行うことが出来るなど優れた知能の持ち主であることを教えらえる。

特に鳥の柔軟性は人間が大いに学ぶべき資質だということがよくわかる。鳥が言葉を理解しないと思うのは人間の思い上がりで、鳴き声、さえずりで、見事にコミニュケーションしていると指摘している。

一番恐ろしいことは、アメリカという鳥が日本を獲物として狙っていることだけは確かである。(了)

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