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米経済指標好感、NYダウ214ドル高、原油バレル54ドル台今年最高値(学校で教えてくれない経済学)

2009-05-05 16:55:53 | 経済学
水鳥は餌場を求めて、断りなく移動する。原油も為替も株式市場も、餌場を求めて、断りなく移動する。下手に理屈をつけて,もの知り顔で講釈すると失敗することが多い。相場の世界では、「相場は相場に聞け」という格言がある。「相場は水鳥に聞け」と言い換えても同じであろう。

週明けのNY市場で、NYダウは、先週末比214ドル、2.6%高、8,426ドルで取引を終了した。NY原油(WTI)先物相場は、今年の最高値のバレル54.47ドルを記録した。

NY外国為替市場では、株高、原油高を受けて、リスク回避で、ドル買いへ流れていた資金が移動して、ドルは対ユーロで売られ、金曜日の1ユーロ=1.3264ドルから1ユーロ=1.3402ドルへ値下がりした。対円では、ドルは、1ドル=98.92円前後、ユーロは、1ユーロ=132.67円前後で取引された。

ユーロ反発の材料としては、4月の欧州の販売指数PMIが、3月の33.9から36.8へ改善した。「景気は鈍化しているが、鈍化傾向が鈍化した」と為替市場は、前向きに評価した。ただ、現実は厳しい。欧州経済はユーロ圏16国、EU27国全体でも今年マイナス4.0%と最悪の状態が続く。

今朝のWSJ紙は、この日のNY株式相場について、金融株とエネルギー・資源株がリードしたと解説した。あるディーラーは「この先も下げる場面はあるだろう。しかし、それも一週間程度だ。売りは長続きしない。多くの投資家が乗り遅れたことを後悔している。」と珍しく強気のコメントを紹介していた。

米財務省は、米金融機関に対するストレステスト(資産査定)発表を木曜日に控えている。米政府が100億ドル単位の資本不足を指摘していると伝えられる。にもかかわらず、シティーグループ7.7%、バンクオブアメリカ19%、ウエルズファ―ゴ24%それぞれ大幅値上がりした。

米金融株が底堅く推移している背景には、銀行間取引金利、ライボー金利が、1ケ月物で、リーマン破たん後ピーク4.59% だった。それが先週金曜日では0.41%である。銀行同士で貸し借りする金利が急落したことは、それだけ金融リスクが後退していることを示している。

今朝のWSJ紙は、銀行間金利は大幅に下がったが、3ケ月物のライボー金利は1.01%にとどまっている。それが、金融機関の貸し渋りに影響していると指摘していた。欧米の金融機関はいまだ本復していない。からだの健康でいえば、微熱が残っており、完全に平熱に戻っていないのであろう。

金融株の上昇に加えて、素材関連株が値上がりした。例えば、アルコア6.9%,USスチール10%それぞれ値上がりした。4月の米住宅販売高が、2ケ月連続で増加したことや建設投資が増加したとの情報が株価上昇を助けた。

その他の銘柄では、豚インフルエンザ懸念から売られていた米航空株が値上がりした。WHO(世界保健機関)が、メキシコ以外では、新型インフルエンザによる影響は軽微であると発表したことを歓迎した。デルタ航空9.4%、コンチネンタルエアー18%、サウスウエスト航空4.5%それぞれ値上がりした。クル―ジングトップのカーニバル株は13%値上がりした。

航空機内は空気が乾燥している。しかも密室状態でインフルエンザ患者が咳ひとつで蔓延の危機にさらされる。航空機株が真っ先に売られたのは十分理解できる。今回の豚インフルエンザ発症で海外旅行をキャセルした人も多い。

4月の中国製造業の景況感指数が、5ケ月連続で改善したことや中国の雇用指数が小幅回復したことの情報を受けて、休場の日本を除きアジア株が大幅上昇したこともNY株式市場を下支えした。

中国の景況感が改善すれば原油消費は伸びるとして、NY原油相場が、中国のニュースにより敏感に反応した。OPECは日量420万バレル減産を昨年末決めた。IEA(国際エネルギー機関)は、今年、世界の石油需要は、日量240万バレル減少すると発表している。

OPECは、5月28日に総会を開き、減産幅を協議するが、減産幅を据え置くものとみられている。日本では原油相場がバレル145ドルまで値上がりした時は騒いだ。原油は一時バレル33ドルまで値下がりした。原油54ドルは安値から60%値上がりしたことになる。バレル60ドル、70ドルになれば、日本人は、マスコミも一緒になってまた騒ぐのであろう。

日本人は、一般論であるが、相場の話は嫌いである。1年で一回健康診断すれば安心だと思い込んでいる人が多い。人間の体は日々刻々変化している。相場も同じように日々刻々変化している。好き嫌いで済む世界でない。「相場は相場に聞け」という格言は、日々の健康においても通じる話である。(了)

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