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柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

終活情報は、高齢者に届いていない。

2022年10月31日 | 終活セミナー
整形外科はお年を召した方達の入院が多い病棟です。一部屋に5人前後の患者さんが入退院を繰り返しています。
コロナが流行りだしてからはベットのカーテンを閉め切りにして、顔さえ見えない病室が多いのですが、長く居座っていた私が挨拶や声がけをしていたせいか、同室の方たちとは会話をする機会に恵まれました。
とても仲良くなり、連絡先を交換した方も何人かいます。

そこで感じたのは、終活に関心がありながら必要な情報をお持ちでないことでした。

相続や節税のことに詳しいのは、すでに体験されている人たちです。
介護問題は現在親を看ている方でもそれほど詳しくないようです。
これから自分たち夫婦がどんな状態で介護が受けられるのか、そこにかかる費用はどのくらいなのか、など大切なことをご存じないのがよくわかりました。
介護で入所するには有料老人ホーム、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、介護療養型医療施設、グループホーム、などたくさんの種類がありますが、その内容もサービスの違いも費用の目安もご存じありません。
ケアマネージャがどこにいるのかも知りません。
在宅で介護を受ける場合、訪問してくれるのはヘルパーさんだけだと思っています。

お独り住まいの方は、死んだら葬儀やお墓はこうしたい、死後の財産の整理などに関心があるが生きている間に必要になる対策情報は皆無のようです。

多くの方が、亡くなるまで元気で判断ができ、自分で最後まで対処できると信じています。
「動けなくなったら、介護施設へ行くわ」と考えていても、その前に人の手を借りなければいけない等とは思ってもいません。

「お金の貯えがあるから、何とかなる」と安心しきっていますが、お金の出し入れや管理ができなくなることは心配していません。
お子さんがいない方は自分のすべきことの代理を誰に頼むのか、それさえも決めていないようです。
「私は姪に頼むと言ってあるから」と決定したような口ぶりに、口約束で本当に姪御さんは了解をしているのかと不安を感じます。

ご自分の親戚や友人の体験談から聞きかじった情報で正しい知識を得たつもりになっているようです。
「何とかなるわ」と思っていませんか?
残念ながら何とかならないのですよ。

私が終活の話を少ししただけで、「知らなかった」「どこに相談したらいいのか」「情報が手に入らない」と言われました。


でも無理ないと思います。
「老後に必要な終活」と一口に言っても、幅広く、複雑です。
終活=荷物の整理、お葬式とお墓、相続のこと、だけでは済まないのです。

高齢者の余生問題はもっと多くの問題が含まれています。
その情報を得ることは、なかなか難しいことですよね。

もう終活は聞き飽きた、なんて思わないでくださいね。


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