柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

家族がいない方は、誰を頼るのか考えて

2022年05月16日 | 終活セミナー
母はとても字を綺麗に書く人でした。
それが80代の後半になったころから実家に帰るたびに祝儀袋に名前を書くように頼まれるのです。
目が見えにくくなり、字も以前のようにはなめらかに書けなくなっていました。
母のエンディングノートを代筆したのも「自分で書き込むのが大変」という理由がありました。

他の高齢の方からもエンディングノートを書くのを手伝ってほしいと頼まれることがあります。
色々なお話をしながら、その方の人生を一緒に振り返るのは私にとっても楽しい時間です。
お年を召した方が今後を考えるとき、重要なのが誰を頼るかということです。
いくらお元気でも、年齢とともに動くことができにくくなり、理解力も判断力も落ちてきます。
例えば役所や銀行などから届いた書類の内容が理解しにくくなります・・・
去年からワクチン接種の予約を何度かしていますが、年配の方が予約をとるのは大変だったと思います。多くの人が家族や知人を頼ったのではないでしょうか。
他人であってもワクチン予約はできますがエンディングには他人ではできない事が沢山あります。

エンディングノートを書くときには、最終的に自分で動けなくなった時に誰を頼るのかを必ず聞き出しています。特に家族がいない人には、いい機会なので考えてもらいます。
大抵の方がご親戚の中に当てにしている人がいます。
「その方に自分の今後のことを頼めるのか相談をしてみて」と話すのですが、そこからがなかなか先に進みません。

先日も久し振りにお目にかかった方に、エンディングノートに書いた「託す人」に相談をしたかを伺ったらら「そのうちにするから」「だってまだ元気だし、もう少し大丈夫だと思うから」という返事でした。
誰もが「自分は最期まで口がきけて、なんでもわっているから必要が生じたらその時に」と思い込んでいるようです。すでに明日、そういう状況になることも大いに考えられ年齢に達しているはずなのに。

「あなたが亡くなったら銀行の口座が凍結するのを知っている?」と聞くとほとんどの方はご存知です。
「では、あなたが認知症になったら口座が凍結されるのは知っている?」と聞くとほとんどの方は知りません。
折角ご自分のためにお金を蓄えても、認知症が発症すればそのお金が使えないかもしれないのです。
家族がいれば何とかしてくれるかもしれませんが、家族がいない方はご本人もお世話をしてくれる人も大変な思いをします。
自分の人生を託す人にはお金の出し入れができる立場を整えておかなければ手も足も出せません。

エンディングノートは亡くなるための準備をするだけのものではなく、上手にエンディングを過ごすための準備でもあります。
おひとり様であっても家族代わりに生活費や資産を管理してくれる人、人生の随所でサポートしてくれる人を考えてみるものでもあります。




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