柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

私は、家族葬を増やしたくない!のです

2012年12月02日 | 家族葬
今年もあと1か月となりました
来年の葬儀業界の展望は?と取材で聞かれました

ますます葬儀は小規模化し、葬儀単価は低廉化する・・・
どこでもこの様な話が満載ですが
私はこの話に、どうしても「ハイ」と言えないんです

家族葬を望まれる方が多いのは確かですが
実際の会葬者人数の平均は100人前後です

しかし、葬儀会葬者はそれより減少している
と、訴えている葬儀社も多いんです

会葬者減少は止めようがない!
故人も遺族も高齢者になり、地縁も薄くなっている!
さも、それが当たり前のように言いますけど
人との関わりがない人はいないでしょう

葬儀社は、葬儀の事前相談や受注時にどんな話をしているのでしょうか?
ご遺族の希望される葬儀を受け入れる前に
葬儀の大事な話をしているのでしょうか?
「人の死に別れ」は選ばれた人にしか与えられないのでしょうか?
亡くなった人の縁は、家族が全部知っているのでしょうか?

いま、高齢者に好評な「エンディングノート」に、多くの葬儀社も力を注いでいます
エンディングノートには、「私の事」を書くページが、先ず最初にあります
殆どのエンディングノートがそうです

なぜ?
家族が知っている人となりで、いいのであれば
「私の事」など、あえて書く必要がないですね

でも、家族といえども知っているのはその人の一面でしかないのです
両親の過去等知る人は少なく趣味や嗜好や特技でさえ把握していない事も
青春時代をどう過ごしたか?
どんな将来を夢見ていたのか?
子供にとって、親のそれを知ることはとても興味深いものです

それを知ることで
父親や母親という枠を超えて、1人の人間として捉える事ができます

そこで触れ合った人達が、その死を知ってどう思うのでしょうか?

私は父を亡くした時、十数年も逢っていなかった90才近い友人が
葬儀に友人を引き連れて駆けつけてきたのを見ました

また、躊躇する母に距離を置いた友人に父の死を知らせる事を勧めました
その人達も大半は駆けつけてくれました

その人達は、父の死を知らせたことを喜んでくれました
又、それ以上に母や私達家族は、来て下さったことに感動し、感謝しました
反対に私が葬儀に出向くときも、故人やご家族に弔意を伝えたいといつも思います

そう考えると、葬儀の場には、家族や親族以外にも
縁を持った人たちの気持ちがあふれていると思いませんか?
どの葬儀の現場にも、同様の場面があります

そのことを、一般の方々のセミナーでは毎回毎回、話をし続けています
家族の死は、普通に知らせてほしい、と
すると、その中で家族葬を考え直す人々が何人もいます

葬儀社はその別れの大事さを、ご遺族に伝えて葬儀を受注しているのでしょうか?

葬儀が小さくなっているのは
家族を亡くした経験のない人達が、何も知らないまま
葬儀の準備をするからではないでしょうか?

家族葬も葬儀の一つ形に違いありませんが
選択するには、家族の死がもたらす立った一度の縁を
葬儀の役目を、十分に話す必要が有ります

それが、何一つ説明されていない現状では
葬儀をする意味も見つけられず、人との別れの意味も見つけられず
家族と親しい何人かで済ませればいい、と思っても仕方がありません

それがなければ、また来年も葬儀の小規模化はどんどん進むでしょうね





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