柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

葬儀のセールス

2009年10月13日 | 老後
84歳になる知り合いのおばあちゃんからSOSの電話です。

セールスの女性が訪問してきたそうです。
葬儀社の人でした。
世間話を始めて、おばちゃんは葬儀の話を聞くのも悪くないと思ったそうです。

今、おじいちゃんは介護施設に入っています「もし、おじいちゃんが亡くなったら
頼む葬儀屋さんはあるのですか?」と言われつい入会申込みを書いてしまいました。

一応、パンフレットを貰い、内容は説明されたそうです。
入会金は24万円で火葬のみが出来るそうです。
普通の葬儀をするには、亡くなった時に別途支払をします。
もし、家族葬をするなら設定されている価格を見ると今の現状では
特別安いとはいえません。

この葬儀社はこのおばあちゃんの住いの近くに式場は持っていません。
使えるのは市営の火葬場です。

近所の人に話したら反対され、おばあちゃんは心配になってきたそうです。

それで「どうしたらよいのか?」と相談が入ったのです。

年齢を考えたら、葬儀の準備をする事は悪いことではないのですが
わざわざ遠い葬儀社に入会するのは、不安です。
この老夫婦のお葬式は多分小規模なものになるでしょう。
集まる方が普段にお付合いしている近所の方が多いとすれば
やはり近いところでお葬式をした方が便利です。
その場合24万円は捨てることになるのでしょうか?
パンフレットは、そのことについて記載されてません。

申し込みを書いたときに5000円を支払ったそうです。
近々、残金23万5千円を支払わなければなりません。

おばあちゃんは、解約をしたいけどセールスの女性の話しっぷりに
巻き込まれてしまうのでは、と悩んでいました。

断る意思が強いので、代わりに私が連絡を取ることにしました。
セールスの女性の方は、おばあちゃんとのやり取りを最初から説明してくれました。それを聞くと、おばあちゃんもその気になっていたのは確かなようです。
話の内容もよく当てはまっています。

しかし、今は気持ちが変わっているので解約をお願いしました。
そう,揉める事もなく了解してくれましたが、
最後に一言「この方、少し痴呆ですか?」と言われました。

私も最近、義母や実家の両親を看ることが多くなり、気がついたことがあります。

年をとっていくと、記憶も衰え、思考も衰え、言葉もスムーズに出なくなります。
おまけに耳は聞こえにくく、目も見えにくくなるのが普通です。
それが「年をとる」ということなのです。

話しが上手く理解できなくても痴呆というわけではないのです。

このおばあちゃんは解約できると知って安心していましたが
年寄りの1人住まいが多くなるにつけ、このような問題は後を絶たないのでしょうね。