柴田典子の終活ブログ「エンディングノート知恵袋」

エンディングデザインコンサルタント柴田典子のブログ。
葬儀に関わらず「賢い老い支度」として終活全般のお話もしています。

遺体は優しく、安全に

2008年05月17日 | ご遺体のケア
亡くなった人は、死亡、一時間後から、体内で腐敗が始まってしまいます。
ですから、亡くなるとすぐに、ドライアイスを施します。
だから、葬儀社には、ドライアイスが必ずあるんですね。

唐突にこんな話で、すみませんね。

以前、お祭りで子供神輿が来ると、
おおきなポリバケツに水とドライアイスを入れて
その中に、缶ジュースを冷やして振舞ったことがあります。

モクモクのスモークに子供達は大喜びでした。
ドライアイスって、結婚式や、お菓子屋さんでは大活躍ですよね。

デモね、亡くなった人のご家族には
このドライアイスが嫌いな人が多い。

それは、理解できますね。
いくら死んじゃった・・・とはいえ
まだ、温かみのある人に、冷たくて(氷よりも冷たいでしょ)
重たい塊を何個も、体に乗せるんだから。

そこで、私は、ドライアイスを
なるべく使わないように、決めました。

先ず、ご遺体の処置をきっちりやり直します。
病院でも、亡くなった後、処置はしてくれるんですけど
更に、厳重にし直します。

ご遺体から、腐敗臭や体液、血液などを漏らさぬように
滅菌剤を詰め直すんです。

口、鼻、耳、目などに施します。
この時一緒に顔の復元もします。
やつれた目や頬を含み綿で、自然に戻します。

目元、口元も、穏やかに形をつけます。
 
体も床ずれや、点滴の跡、呼吸器の跡などを、きれいに塞ぎます。

十分にご遺体に手をかけて、ご遺体のリスクを少なくします。
それから防腐、滅菌の効果のある薬剤を使用します。

小さな粉末状の薬剤ですので、故人が辛そうに感じる事はありません。

むしろ、体が極端に冷たくなったり、凍って固まることも無いので
ご家族が触れても、違和感がありません。

この商品を使い始めて、かれこれ5年以上は立つと思いますが
ほとんどの方に効果がありました。

この薬剤を使えば、ご家族の「可愛そうに」という思いは消すことが出来ます。
更に、きめ細かい遺体処置をするので安全度も高くなります。

ご遺体から、漏出する体液類は、実は感染症が
潜在している可能性が大きく、ご家族や葬儀スタッフが触れると、とても危険です。

自分を含め、ご家族の安全の為にも、きちんと対処をすべきです。

このことは、最近、葬儀業界でも、盛んに訴え、知識を広めていますが
実施している葬儀社は、ごくわずかです。

葬儀社が、ご遺体を扱う時に手袋を着用しない理由は
「ご遺族が、汚いものでも触ってるように感じるから、危険と解っていても
素手で、ご遺体に触るのだ」ということです。

この方達は、皆さんに感染症の危険の話もしなければ、遺体の処置の大切さも
説明しないで、ただ、皆さんに怒られると思っています。

私は、平成6年頃から、ご遺体のお迎え時と遺体処置時には、必ず手袋を付けさせましたが、一度足りとご家族にしかられた事はありません。

勉強していて、責任感のある葬儀社は
ご遺体に触れる時は必ず手袋をし、安置の時に時間をかけて処置をします。
コレをしていたら、葬儀も安心して、任せて大丈夫です。

葬儀社の都合や視線で選択せずに
お客様になられる方の視線で、選択してくれるといいんですけどね。