38歳からの百姓志願~実践編。

霊峰・石鎚を仰ぎ、瀬戸内の陽光を望む愛媛県西条市、「有機菜園 藤田家族」無農薬・無化学肥料の野菜と暮らし。

視察2日目、上勝町。

2012年01月27日 | 農と暮らしの日記
のどかな昼下がり、徳島県の山里を歩く。
研修旅行の2日目、最後のプログラムは上勝町の町おこしを学ぶ現地視察。

徳島県上勝町は人口約2,000人、高齢化率50%に迫ろうとする小さな町。
「そうだ、葉っぱを売ろう!」の葉っぱビジネス。マイナス13℃という寒波に襲われて蜜柑が壊滅的な被害を受けた過疎の町を、料理のつまものに使うもみじや南天などの葉っぱに注目し、高齢者や女性が主役になって再生させたという有名な物語、その舞台だ。

この「いろどり」事業の商品は300品目以上。
町内の200軒近くが参加して年2億6千万円を売り上げるという葉っぱビジネス以外の取り組みも興味深く、家庭ゴミを34種類に分別収集したり不用品を町内でリユースしたりする「ゼロ・ウェイスト政策」や林業の副産物を利用した木質バイオマスの利用を進めたりしている。



金曜、研修旅行の2日目は朝から快晴。

朝:家にいればこの季節にありえない5時過ぎ起床。
6時前後にまだ暗い徳島の街に出て、しばらく散策する。夜明けの街を歩いていたい……と頭の中は南佳孝の歌が響く(二日酔いではなく)。会社員時代、徹夜明けの始発の横須賀線で帰宅することもわりとよくあり、退職してからは逆に始発の横須賀線に乗って研修先に向かっていた。……なんていう頃のことを夜明けの街歩きは思い出させてくれる。

6時半過ぎにホテル近くに戻り、中から暖かい灯がこぼれる「たかしまコーヒー店」のドアを開ける。
昭和33年開業。店内にはラジオ体操が流れ、「サービス・モーニング」でカフェオレと玉子トーストの組み合わせを注文。体操が終わってラジオ朝いちばんに変わり、さっきサンクスで買った徳島新聞を読みながら森永卓郎が米コダック社の倒産を語るのを聴く(けど、新聞をしっかり読みながらラジオをしっかり聴くのはちょっと難しい)。

玉子のトーストは珍しいタイプ。
食パン(上のwebの記事によると鉄板でオリーブオイルを使って焼いているという)に薄焼き卵を載せたのを4つ切りにしてある。カフェオレもパンもいつまでもあつあつでとてもおいしく頂いた。この贅沢で420円。こういう店を見て、「いつまでもあってほしい」と思わせられることが当たり前のようになっていることが悲しい。こういう店はいつまでもあるのが当たり前である、のが当たり前であってほしい。



コーヒー店を出て7時、だいぶん明るくなってきた。
ホテルに戻るとロビーで無料の朝食が出ている時間帯である。研修ご一行のみなさんもお食事中、僕もコーヒーだけ立ち飲みで。東横インの朝食は「無料サービス」がありがたいともいえるし、もとよりその経費は料金の中に含まれているわけだから、他のビジネスホテルで一般的になっている朝食バイキングと比べると……。ま、このあたりは宿泊料金とサービス全体との釣り合いの問題なので、どちらがどうとは言えない。

7時45分、ホテルからバス出発。
冒頭に書いた上勝町へ。市内の道路が込んでいて少し心配したけれど現地には予定通りに到着、9時半に研修開始。

会場は、月ヶ谷(つきがたに)温泉
ここに葉っぱビジネスの「いろどり」事務所もあるそうだ。1時間ほど、話を聞いたり映像を見たり。そして11時からここの食堂で昼食を頂く。刺身こんにゃく、あめごの梅肉揚げ、椎茸とししとうの焼きもの、山菜蕎麦など地産の旬の味覚を楽しむ(1,500円の御膳)。



午後:上勝町内を案内していただく。
日比野克彦による「射手座造船所」を見たり、葉っぱビジネスの農家さんたちの多い地区を散策しながらスタッフの方の説明を聞いたり。午前中の座学では、そのへんの山の中にふんだんにある葉っぱをお金に換えるアイデア商法というような印象だったのだけれど、現地を歩いてみるとそうではなく、それぞれの農家さんは商品にふさわしい葉っぱを出荷するために、樹園地や温室内で丁寧に栽培していることがわかった。聞くと見るとでは大違い、百聞は一見にしかず。

15時頃に研修は終了。
バスは徳島市を経て高速道路経由で西条へ。途中、休憩しながら予定通り18時ちょうどに市役所着。18時半前に無事帰宅。真はバレーボールで20時前に帰宅、みんなで晩ごはん。



<本日の野菜セット>例
人参、大根(大小2本組みなど)、葉つき中蕪、うすべに蕪、ゆるまき白菜、リーフレタス、葱。
その他、セットによってサニーレタス、小さいキャベツ、など。
コメント
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