さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

「世界王者」を名乗るなら、こうでないと嘘だ 八重樫東、ロマゴン挑戦を受諾

2014-02-15 19:13:50 | 関東ボクシング


4月6日、太田区総合体育館にて八重樫東と井上尚弥の世界戦開催、発表されました。

井上がアドリアン・エルナンデスに挑戦する話は、早くから噂になっていましたが、
八重樫の相手は誰になるのかな、と興味を持っていました。
海外の報道だと、ローマン・ゴンサレスが春に来日し、世界タイトルに挑む、とあり、
もちろん八重樫もその候補になるのだろうけど、私はどうせそうはならず
ファン・カルロス・レベコにでも挑むのだろう、と勝手に思っていました。

しかし、今回は8位との試合になるものの、次戦の指名試合において、
ロマゴンの挑戦を受けると、八重樫本人が名言したとのこと。

エドガル・ソーサを撃退し、保持する王座の価値をアップさせた一戦に続き、
今年はこの一戦に、ボクサーとしての命運を賭けることになります。
世界王者なら、年に二度か三度、防衛戦を行ううち、最低一回はこういう試合がないと嘘です。

世界の王座に就いたが最後、その経済的恩恵を維持するために、リング外での工作に奔走し、
強敵との対戦を避け続けるような事例を、ちらほら目にする昨今ですが、
八重樫東は、そういう時流に、はっきりと背を向け、我々ボクシングファンの目線を
正面から受け止めることとなりました。

もちろんこうなった実情が、我々が勝手に思い描くような、美しい話ばかりだとも思いません。
ローマン・ゴンサレスがWBCから指名挑戦者として認定された以上、
受けないわけにいかない、というだけの話なのかもしれません。

しかし最近は、それだけの話でしかないものを、無理にねじ曲げてまで、
自身の地位を護ることに血道を上げ、それを指摘することすらメディアに許さず、
「王者」を名乗って世界戦に出て「防衛」を重ねるような手合いも現実にいます。

そうした手合いと比べると、八重樫の王者としての価値は、千金の輝きを放つものだと言えます。
もっとも、比べること自体、今となっては失礼なのかも知れませんが。

八重樫東が本当にローマン・ゴンサレスと闘う運びになり、その内容結果がどうであったとしても、
最低限、上記したような、世界王者として然るべき道を征き、闘うべき試合を闘った
まっとうな王者であったことは、揺るぎない事実として残ることでしょう。
そして、そのような王者を見られることは、ボクシングファンとして誇らしい記憶として残ります。
とりあえずは今回の試合を、無事に突破してくれることが前提ですが。


しかし、昨年のエドガル・ソーサ戦を見ると、仮にロマゴンと対戦したとしても、
充分勝機があるようにも思います。
フライ級に上げて体力がつき、長い試合でも集中が切れず、波が少なくなっていますし、
スピードは落ちておらず、速い連打もより正確になっています。

元々、ジムが最短記録狙いに走ったような「天才型」の選手でしたが、
強烈な挫折だったイーグル戦を乗り越え、井岡戦の惜敗をも糧にし、
試練のソーサ戦をクリアしたことで、身体的に多少、疲弊があるとしても、
総合的に見て、充実期にあると見ていいでしょう。

対するロマゴンは、ライトフライのリミットを超えた体重での試合をいくつか見る限り、
強打者としての凄みは増している反面、以前あった繊細な位置取りや、緻密さ、機動力には
やや陰りが見える気がします。あくまで「やや」ですが...。

もし八重樫が4月の試合に快勝して、好調のままロマゴン戦に挑めれば、
八重樫は充分やれる、勝機もある、と思います。
何よりも、このような試合に臨む気概を示した八重樫だからこそ、
勝てると信じたいし、勝って欲しいという気持ちです。


井上尚弥の世界戦についてはまた後日。
思った以上に長くなってしまいましたので。



ちなみにこの興行、前座もあれこれ豪華なんですよね。
会場の規模が小さいこともあり、チケットは争奪戦になるかもしれないと思い、
大慌てでチケットを確保しました。当日は会場にこっそりお邪魔します。楽しみです(^^)


コメント (3)
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