9月予定といわれる井上尚弥の次戦、挑戦者ですが、サム・グッドマンの線は消滅。
グッドマンが7月に、WBC8位のタイ人チャイノイ・ウォラウトという選手と対戦することを正式発表した、とのことです。
7月の調整試合を正式決定! 井上尚弥戦が目前だった挑戦者グッドマンが異例決断 身勝手な態度で“挑戦権剥奪”の可能性(CoCoKARAnext)#Yahooニュースhttps://t.co/MTX7y2isCx
— takeru ooba (@OobaTakeru) May 29, 2024
大まかに言えば、挑戦者の立場でありながら、王者側から呼びかけられているのに...と思うところですが、グッドマン側から見れば、受けない理由もありましょう。
まず日本で闘うこと、そして相手が井上尚弥であることを考えれば、グッドマン及び陣営は、得られる限り最大の好条件を見込み、また実際に求めたことでしょう。
記事の中でも、ノーリミット・ボクシング公式サイトのコメントとして、報酬100万ドル、という数字が出ています。
しかし、実際の交渉で出た金額が、これを下回っていたのだとしたら?
とりあえず7月に決まっていた試合をしておいて、改めて年末に向け、豪州開催を主張して、IBFなりWBOなりの入札が行われれば、それぞれに規定のとおり、王者と指名挑戦者の報酬が一定の割合で振り分けられるはずです。
そうなった場合、入札で日本側、豪州側のどちらが勝とうとも、グッドマンが得られる報酬が、100万ドルを超える可能性が出てきます。
或いは、その入札への意志をもって、再交渉をし、日本側からさらなる好条件を引き出す、という手もあります。
まあ、色々考えているんだと思います。
何しろ井上尚弥と闘うというのは、誰にとってもそれだけの大ごとだ、とも言えましょう。
井上が階級最強、真の世界一であるチャンピオンだからこそ、それこそ昔日の8階級一団体時代の王者のように、世界戦ひとつ組むのに、様々な立場の意志が存在し、策謀が...とは大袈裟なれど、すんなり簡単にいかない、ということですね。
少なくとも、サム・グッドマン側を「身勝手」と簡単に言って済む話では無いよなあ、と思う次第です。
そりゃグッドマン本人は、ボクサーですから当然闘志でモノを思い、言うのでしょうが、陣営の総意としては、当然ながらグッドマンが得べかりし利益を、最大限確保しようと考えるのですから。
ただ、とはいえ、です。
傍目の違う見方からすれば、王者として井上と対したスティーブン・フルトンやマーロン・タパレス、そして元王者であり、それ以外の付加価値を持っていたルイス・ネリーと比べると、グッドマンの立場はやはり、一段下というか、落ちるところにある。
そういう見方が確かにある。それもまた現実ではないか、と思います。
また、東京ドームという大箱を使う興行でもないし、二団体の1位相手とはいえ、井上尚弥にとっては、ビッグファイトの狭間に闘う普通の試合、でしかありません。
レナードがハーンズを倒したあとの、ブルース・フィンチ戦みたいなものです。
そんな試合で挑戦者に、100万ドルの報酬を当たり前に求められてもな、という。
もし、大橋会長がそんな条件を出していたとしたら驚きですが...もしそれでも、グッドマン及び陣営が、今回のような先送りを選択したなら、それはもう、井上との闘いを回避した、としか見えません。
まあ、実際どうなのかなんて、我々に知れようはずもないのですが。
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