さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

歪な綱引きの末に 矢吹正道、寺地拳四朗直接再戦へ

2021-11-16 00:33:14 | 関西ボクシング



昨日、YouTubeに動画も上がったりしていた記者会見。
プロモーターの真正ジム会長と、緑ジム松尾会長、BMBジム寺地永会長の三者同席にて、矢吹正道vs寺地拳四朗の直接再戦が決まった、という発表がありました。


バッティング問題で紛糾?していて、あれやこれやと、傍目には何を言っているのかわからんような話があれこれ飛び交いましたが、要するにWBCなりJBCなりに、再戦の時期や場所、その他さまざまな取り扱いの面で、自分の側に都合の良い条件を得ようとする者同士が、そのお墨付きや後押しを求めて「綱引き」をしていた、ただそれだけの話やなあ、と思っていました。
そもそも、利害が対立しているはずの両陣営にして、この試合を自分たちの手の内に収めたい、というベクトルは同じでしたしね。


以前少し触れた、WBCからの再選指示がうやむやになっている話に関しては、WBCが試合の終わり方を、連打によるTKOではなく、カットした傷によってTKOになった、と誤認していたせい、という説明がなされたようです。
本部では映像を見ていなかったんでしょうかね?そんなことあるのかなぁ...と思いますが、とりあえずそういう話になってます。


で、矢吹正道のコメント
潔くない、とか、汚い真似しておきながら居直るのか、とか、まあ案の定なことばかり、色々言われているんでしょうし、コメントのひとつひとつには、若干、共感できない部分もあります。
ただひとつ、えらく安い金額で設定されている、と噂のオプションが行使されての再戦に出ないといけない、その一点が気の毒です。
マッチルームとの交渉がなくなった原因については結局、よくわかりませんが、そちら方面との関係を望まない「勢力」の思い通りの道で闘わねばならなくなったわけですから。


また、そもそも1位挑戦者でありながら、オプションに縛られていること自体、おかしな話ではあります。
そんなもの、ルールなんて仮にあっても有名無実なのかもしれませんが...今回のバッティング「騒動」は、つまりはその「おかしな話」を正当化するための「テコ」なんだろうなあ、と思ってもいました。
結果、会見に出ていたお三方、もちろんそれぞれの立場はあれど、この一点においては思い通りに事を運べた、という点で一致していますね。



また、いつもと同じ事を書くことになりますが、結局こうして「会長ファースト」のボクシング界、その枠内に押し込められたまま、ボクサーがその身命を賭して闘い続けることになる。
そういう「絵」をまたひとつ、見ることになるんでしょうね。

それにしても再戦は決まった、と言いながら、日時も場所も未定、そもそも拳四朗は再起を明言もしていない。
まあ、それは近々、普通なら表明されるんでしょうけど...何か色々、歪な感じがしてしまう、そんな話でありました。



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14 コメント

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Unknown (ポイズン)
2021-11-16 00:53:45
ボクシングはバッティングが日常茶飯事ですよね。

バッティングか、ヒッティングか、で物議を醸しても、故意か、偶然か、で物議を醸すのは違うと思います。
仮に「故意のバッティング」とするなら、その場で抗議しなければ説得力に欠けます。
後にビデオを見て、「故意だ」とするなら、全ての試合が、試合後のビデオ検証でクレームが可能になります。

無敗の世界チャンピオンがKO負けしますと、具志堅、畑山、竹原は引退しましたし、寺地もメンタルはやられてるでしょうから、再起するには、先ずはメンタルの立て直しが気になるところです。
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Unknown (アラフォーファン)
2021-11-16 06:52:01
色々揉めてますが、JBC、一言、くだらん言い訳だと。
井岡さんと田中くん時の一件あり、まだこの人たち何もなかったかのように居座ってるんですね。そしてまたこんな話、もう消えて欲しいです。
あんな露骨なヘッドバット、見逃すなどという馬鹿な話あるかと、福地さんにも失望です。

そして色々あるにしても、矢吹、バッティングで検索したら動画に上げられてます。あと肘打ちもしてるし、どんな言い分にしてもあれだけ見苦しいバッティングを頻発し、肘まで当てた上、そのスタイルを反省する様子も、前王者に敬意払う様子もなく、勝ったらええんじゃ、という振る舞いの矢吹については、技量も人間性も、およそ世界王者として相応しくありません。

結局言えるのは一つ、このくだらない事でケンシロウくんという才気が潰された、それだけです。怒りしかないです。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2021-11-16 21:14:03
>ポイズンさん、アラフォーファンさん


以前も書いたんですが、故意かどうかを誰が証明出来るんですか、という話です。試合の結果が出ている以上、裁定の是非がどうだったか、それによって今後どうするのが妥当か、ということですね。ビデオリプレイはサッカーなどでは可能でしょうが(それも色々問題あるようですけど)、ボクシングだとインターバルの間にやるのも限度がありましょうね。ましてその設備を整え、ルールとして明文化されてもいないまま、試合が行われているんですから。
今回の場合、再戦はやむなしかな、と私は思っています。あのバッティングは映像で見直すと本当に酷いものに見えます。しかし映像で見返してああ見えた、こう見えた、という話で、物事の根幹を揺るがすような話にはすべきでない、とも考えます。直接再戦までがギリギリで、試合結果を覆すべき、というような意見には、私は与しません。それがあり得るとしたら、映像検証の体勢、設備とルール明文化、これらが事前に揃っている場合のみでしょう。そうでないとただでさえおかしな話が横行しているもの、それこそ収拾が付かなくなってしまいます。


>ポイズンさん

世界戦で初黒星を喫する王者というのは、その強さ、レベルの高さ故に、苦しみもまた重いものでしょうね。拳四朗本人は沈黙したままですが、何しろ不遇続きでここまで来ましたし、ひょっとしたら...という可能性も、あるかもしれません。

>アラフォーファンさん

JBCが絡むと、この世のありとあらゆる話が、すんなり飲み込めないものに変わってしまいますね。いったい何なのだろう...と毎度不思議でなりません。
再戦が実現すれば、拳四朗は記録云々はともかく、自らの実力を証明する機会を得ることにはなります。その内容で「潰され」てなどいない、という姿を見せて欲しい、と思っています。
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Unknown (ポイズン)
2021-11-16 23:07:21
自分の拙い経験談ですが、自分はよくカットし出血しました。
バッティングの衝撃と、ヒッティングの衝撃は別物なので、すぐに、バッティングか、ヒッティングか、カットしたボクサーは分かりますが、第三者は分かりにくいと思います。

自分はバッティングしてカットする度に、レフリーの判断を恐る恐る聞いてました(笑)
ヒッティングでカットの場合、下手したらTKO負けにされますからね。

で、問題の矢吹ですが、寺地も矢吹も「バッティングによるカット」と分かったでしょう。
後は、レフリーの判断待ちですが、レフリーはバッティングと気付かなかったようですが、これも、試合ではよくある事なんですよね。

レフリーをかばう訳じゃありませんが、ボクシングのレフリーは難しいと思います。
少しでも、ミスジャッジをすれば、永遠と叩かれ(笑)
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Unknown (モノクマ)
2021-11-17 01:01:07
色々と寺地側に不利な環境で行われた試合だったし、あの試合内容では海外の例を見てもダイレクトリマッチはあり得るなと思っていて、結局は反則のバッティングが試合に大きく影響したとのWBCの判断でのダイレクトリマッチになってるんだから、試合後からずっと続いている

コロナの事もあったしベストな状況でもう一度やりたい~>(自分の勝利を正当化したかったから?)拳四朗についてファンはコロナ云々いうな
ダイレクトリマッチが指令されればその時は戦う~>寺地陣営がWBCに圧力をかけた。父親はモンペ

といった矢吹の開きなおりには全く乗れないですね(トラッシュトークのつもりならまだ良いのですが、再戦そのものが乗り気でないのでそれでもないようですし)

バッティング云々は結局は試合に大きく影響したと判断されるものをレフェリーが判断できない事が一番の問題だと思っており、その行為の処理も再戦といった形で下されるので、起きてしまったことを後から矢吹にどうこうはないのですが、
矢吹は誹謗中傷された、後からどうこう言うなと被害者ぶる割には相手に似たようなことを言っている自覚はないんだなあと
立場が変われば自分の所の会長も圧力をかけ、モンペのように見えると言う客観的な視点が欠けている印象をこれまでのインタビューから受けてしまう
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Unknown (アラフォーファン)
2021-11-17 05:48:14
そう言えば、今日井上岳志さんの試合ですよね。ぜひ見たい試合ですが、この醜聞と、保住直孝バカの逮捕のニュースが出て、この試合の話があまり出ないのが残念すぎます。悪貨は良貨を駆逐する、何回こんな現象見せられるんですかね。トホホです。
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2021-11-17 12:45:40
>ポイズンさん

レフェリーの判断ミスは、大別すれば「仕方ないこと」の範疇だと思います。あれを見逃すか、と思うことも、今回の試合に限らずありますが、それも譲って、そう思います。しかし常日頃から恣意的なレフェリングが横行する国内リング、そういう仕事に慣れている、と見える顔ぶれのひとりが、コロナという状況故とはいえ、世界とつく重大な試合を任された結果、大きなミスをした。その事実を「綱引き」に利用されてしまった。ミスはミスとして認めた上で再戦にまつわる裁定を下せば良い、と傍目には思いますが、それが出来ない何ごとかが介在するのだとしたら、もうそこから先は、我々の目には見えない話です。そしてJBCが関わると、簡単な話と見えても難しくなってしまう。その「手腕」は名人級です。
私なんかは感情的に、こんなもの潰して更地にしてしまえ、とか思ってしまうクチですが、さりとて業者主導、ないしは業者の支持を受ける新体制、というものにも、どこまで信を置いていいものか、正直、はかりかねます。どうしたもんですかね、ホントに。


>モノクマさん

矢吹側は、最強王者を破ったにもかかわらず、得べかりし利益を得られない、という不満があるのでしょうね。もっとも「矢吹側」と一口に言っても、国内で仕切りたい立場と、海外で好条件を得たい立場と、大別してふたつあるんでしょうが。
私も矢吹の個々のコメントには、わかる気もする反面、言い方悪いなあ、と思うところもありますね。仰るとおり、同じ事してる、言うてるで、と。
でもまあ、それこそ言い方悪いですが、こんなものかな、無理もなかろう、というところではあります。そもそも、プロモートとマネージメントの両方を手にする立場で、選手ではなく自分の「良いよう」に物事を運ぼうとする人間が、陣営の最高責任者なわけですから、色々不満に思うことが心中に溜まって、それを吐き出すとなれば、傍の耳にすんなり入ってくる言葉を揃えろ、というにも無理、限度があって当然ではないか、と。


>アラフォーファンさん

別記事書きましたが、6千円以上かかるみたいです(嘆)。さすがにWOWOWさんでもこれは難しかったか。
その逮捕された御仁については、現役時代から無茶苦茶でしたね。あれこれ漏れ聞いた話もありますが、そんな話聞かずとも、試合ぶりや佇まいに全部出てましたが。
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Unknown (ポイズン)
2021-11-17 19:47:06
ボクシングは、不公平がまかり通ってますよね。
敵地で試合すれば、「倒さなければ勝てない」とはボクサーなら言います。
偏向したジャッジ、レフリーは当然のように起きますよね。

誤審でもレフリーやジャッジの謝罪は難しいと思います。
絶対権力者的な威厳を保つのに、謝罪は出来ないんでしょうね(笑)
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2021-11-17 20:23:43
>ポイズンさん

基本は何ごともなく始まり終わる試合の方が、数では多いはずなんですが...ただ、判定の問題を正常化しようとした人がいて、ある地域では一時期、それに成功した例を、観客として「体験」したこともあって、公正にやってやれんことはないはずだ、という思いではあります。それを捨て去りたくはないですね。
今回の件に関しては、威厳ゆえに謝罪できない、というような立派なものだったら大変けっこうですけども、というしかないですね。
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Unknown (ポイズン)
2021-11-17 22:44:17
ジャッジやレフリーは、明らかに忖度してる感じがしますよね。
その忖度の対象は、大体、力のある者への配慮に感じます。
これを改善するのは難しいですよね。

オスカー・デラホーヤVSパーネル・ウイテカで、判定でデラホーヤが勝ったんですが、ヘナロ・エルナンデスが「私の採点では2ポイント差でデラホーヤの勝ちであったが、実際はもっとポイント差があったようにデラホーヤにポイントが流れてる」と、デラホーヤは贔屓されている、と言うニュアンスでした。

日本でも亀田兄弟の判定はおかしな判定ばかりでしたね(笑)
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