さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

再戦する意味は、やはり「そっち向き」の意地だった メイウェザー、マイダナを捌いて返り討ち

2014-09-14 15:43:55 | フロイド・メイウェザー


果たして、仰々しく再戦するほどの試合なのかな、と試合前から思ってはいました。
普通、初戦で苦戦(?)した王者が、再戦に応じるとなれば、今度はきっちり倒して力を見せつけてやる、
という筋が普通ですが、メイウェザーにそんなベタな発想を求めるほど、私も「昨日今日」やない、ですし。

きっと、前回ロープに押し込まれ、不覚にも何発か「ド突かれた」こと(反則打含む)に対して不満足なだけで、
再戦したら、ホレホレこんなに綺麗に外せるで、見たか!みたいな場面が増えるだけの話ではないのか、と。

ただまあ、それが実際に実現すれば、それはそれで鮮やかなもので、見ていてけっして悪いものではないはずです。
実際、3回の終わり頃に右一発食うまでの、メイウェザーのサークリング中心のボクシングは、それなりに見ものでした。
なるほど、ロープ際で止まる「ずぼら」を止めたら、こんな風になるのか、という興味が満たされた、ということも含めて。

しかし見ていて、これをフルラウンド続ける力は、もうメイウェザーには無いだろうな、最初から張り切ってしまってるけど、
きっとどこかで落ちてくるから、そこでまた揉み合い増やして時間潰してやり過ごして、その分ボクシングの密度が薄くなるやろな、
と思っていたら、思った以上に4回以降、退屈度の高い試合になってしまって、実に残念でした。

ところどころで光るメイウェザーの才能は、散発的に見ることが出来ましたが、対するマイダナはというと、
ロープ際で止まってくれる回数を激減させたメイウェザーの「方針」の前に、攻め手の半分以上を失った感じ。
時折見せたジャブの連打や右の強打も、もっと惜しみなく繰り出してメイウェザーのリズムやテンポを
切り崩すような意図があればともかく、結局は強打者が手応えを欲しがって打っているに過ぎないので、
展開を変える何事かを期待は出来ず。

8回でしたか、指噛んだの噛んでないだのという、どうでもいい話以外に、結局何も変わったことは起こらず仕舞い。
最終回なんか、メイウェザーが確信的に手を出さず、1ポイントを「くれてやった」くらいで、勝敗は明白でした。


しかし、冒頭に書いたとおり、わかっていたこととはいえ、メイウェザーの「意地」の方向性が、相手を打ち据えて
自らの強さを証そうというのではなく、捌ききって余裕を見せて、自分がより「優れている」ことを見せたい、
というものであることをまざまざと見せられたわけですが...もうそれは見飽きるくらい見ているのだから、
何も同じ相手と二度やってまでそれを改めて見せてくれんでもええよ、というのが、率直な感想だったりもします。

まあ私らは、ボクシング以外にも映画や音楽やサッカーやテニスや、あれやこれやと全部見られて2千数百円のTV局で
言えばお手軽にこの試合を見られるわけですが、以前も書いたように、アメリカのPPV視聴者の皆様は、果たして
このような試合に数十ドル払うことについては、特にご不満は無いのでしょうかね。やっぱり不思議です。


判定、今回は3-0で揃いました。アナウンスの直後、それが嬉しかったのかどうかは知りませんが、
メイウェザーがけっこう「ええ顔」で笑っていたのを見て、やっぱり私のような凡人には、こういうレベルのお方の
ものの感じ方は理解できんへんなぁ、としみじみ思った次第です。


だいぶ昔ですが、疑惑判定の問題について、「判定問題は、定期的に起こった方が良い。
何故なら、ボクサーたちが、所詮判定など当てにしてはいけない、
相手を倒すことでしか、確かな勝利を掴むことは出来ないと思うようになるからだ」
という意見を見たことがあります。

もし、前回や今日の試合などで(無茶は承知ですが)判定がマイダナを支持するようなことがあったらば、
再戦においてメイウェザーは、いったいどんな闘い方をするのだろうか、と試合を見終えて、ふと思いました。

...まあ、基本的には何も変わらず、自分を曲げてまで打って出るようなことはしないんでしょうけどね。
今日のように、あえて最終回を捨てたようなことだけは、最低限しないようにはなるのかもしれませんが。


コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする