人種差別という重いテーマを描きながらも、テンポよく運ぶクールな刑事ものの作品「夜の大捜査線」はクアトロの父のお気に入りのアメリカ・ブラック映画だ。
なによりも、音楽が良い。
この作品のクールな雰囲気を決定づけている。
そう、クインシー・ジョーンズの音楽だ。
クアトロのカウンターに肩肘をついて腰掛ける男。
何か魚を切ってくれと、シェフに注文する。
甘鯛のカルパッチョが運ばれる。
これに合ったクールなワインをくれとクアトロの父に注文する。
クアトロの父はすかさず、フランス・ロワールの白ワイン“Quincy”を持って行く。
男を満足させるこのワインはソーヴィニヨン・ブランのキリッと柑橘系の美味しさを持っている。
男はつぶやく、さすがに“Quincy”はクールだぜ。
フランス・ロワールの“Quincy”は、正確にはカンシーと発音する。
夜のクアトロに似合うワインだ。