木津川上流域、笠置渓谷右畔、七廻の岩崖に刻まれた磨崖仏。
歴史の山、信仰の山、磨崖仏の山として知る人ぞ知る笠置山、その下を行く木津川は、それまで広かった川幅を一気に狭め・・・・
巨岩折り重なる渓谷となり伊賀方面上流へと続いている。
この木津川右岸の岸壁に磨崖仏が有ると言うのは古くから知っていたが、石友さんに具体的な場所も聞いたので、ついでにちょっと寄って来た。
その場所は右岸旧道脇の絶壁、右岸からは近づく術が無いので左岸河川敷道よりの撮影と成る。
中央に小さく見える磨崖仏が判るでしょうか??
少しズーミングするとこんな具合・・・、切り立った岸壁の中央部、激しい水の流れが幾度となく岩肌を削り取って行ったのでしょう・・
確かに、頂部の丸い光背を深く彫り沈めていますが、殆ど像容も判らない程に摩耗しています。
磨崖の不動明王だと言う事ですが・・・どうも僕には確認できません。
地蔵だと言われれば、それはそのまま信じてしまいそう・・・・おまけに立像なのか坐像なのかも見分けが付かない。
いつごろ誰が何のために刻んだのかは全く不明ですが、それでも間違いなくそう新しくない磨崖石仏には違いありません。
帰りがけ、享禄阿弥陀の刻まれた河川敷大岩脇で見かけた二体の地蔵石仏。
一体は反花坐に載る舟形光背を持ち蓮弁に立つ中小型の定形地蔵立像。
かたや頭部を欠損するも大きい連弁に結果趺坐する地蔵坐像。
いずれもその様式像容は、かなり古い匂いがする。
撮影2014.7.12