田原本町平田共同墓地、火葬場脇に立つ石仏達。
奈良県国中平野の中央部、田原本町の中心に近い大和川左岸平田集落の西端にある。
平田墓地は元「郷墓」として教安寺境内と一体化した広大な墓地だったようですが、現在は分離され火葬場が併設されて居ます。
奈良のこの辺りでは昔の郷墓単位で火葬場があるという話はよく耳にしますが、未だにそれが踏襲されて居る様です。
そんな真新しい火葬場脇に四体の石仏と、小ぶりな五輪塔が並び立って居ます。
向かって左端に立つ地蔵石仏は高さ150cmの舟形光背を負い・・・
二重蓮座の上に立つ像高110cmの定形地蔵。
天文八年(1539)の銘がしっかり読み取れ室町後期の造立。
大和に多い細長いキツネ目の特徴が有る。
その右手には高さ140cmの舟形光背を持つ地蔵石仏
蓮台に立つ像高100cmの定形地蔵・・・口元に少し笑みを湛えて室町末期の様式。
その右脇には来迎院印の阿弥陀石仏。
像高約60cmばかりで室町末期の造立。
最後に残った中型箱石仏も中々見もので、高さは隣の阿弥陀と変わらず、約60cm程。
頂部に唐破風の笠石を載せて居ますが、これは本来のものでなく、なんのつもりなのでしょうか??
少し笑みをたたえた定形地蔵、彫りも深く中々見事な箱石仏だと思うのですが・・・やっぱり室町期ものでしょうか??
もう一躰南北朝期の丸彫り石仏があるようですが、火葬場内に有り、普段見ることは出来ません。
分離したとは言え古い郷墓・・・中々良い石仏が垣間見れます。
撮影2012.6.16