信濃秋山郷より、この服部緑地民家博物館に移築された茅葺き民家。
信濃秋山郷などと聴いても、関西に住む僕達には一体どこなのかも全くピンとこない・・・因みに「秋山郷」は新潟県中魚沼郡津南町と長野県下水内郡栄村の中津川峡谷(上中流域)一帯をいう・・・これでも殆ど判らない・・・・僕らが知ってる名称で言えば苗場赤倉山系西側、奥志賀高原東側、深い谷沿いの隔絶した秘境。
この地に移築された建物は日本有数の豪雪地帯で、かっては陸の孤島ともいうべき秋山郷の「長野県下水内郡栄村上野原」に有った「旧山田家住宅」を1961年に移築したもの。
こういう造りの建物は、所謂、越後中門造りという雪国特有の形だが、それにも増してこの建物の前に立って驚いたのは、茅葺き屋根と言わず、所謂「茅壁」と言う外装仕舞・・・これが、まるで古代の「掘立住居」の様にも見えて驚き。
とにかく奇想天外、見慣れぬ外装もそうだが雪深い土地らしく、玄関は屋根下に雪溜まりの空間を空けた奥にうんと低い入口を設けて居る。
これが雪溜まり奥の玄関口、冬の厳しさに耐え抜くため防備なのか、いくら小さい昔の人でもしゃがまなくては入れない程。
中に入ってまたまた驚くのは・・・・土間と部屋などの仕切りもなく、広間型と呼ばれるの間取りで床貼りもせず 土間に囲炉裏は有るものの地面に筵を敷いたままの土座住まいであった。
こんな暮らしがつい何十年か前まで続いていたのだろうか??
いくら田舎育ちの古い人間の僕でも、ここまでの暮らしの姿は見たことも無ければ聞いたことも無い。
グーグルマップのストリートビューでこの建物の在った付近を確認すると・・・・・・2014年8月現在はこのようになっていた。
撮影2014.1.11