今は廃道と成り下がった旧伊賀街道中山峠に残された古式地蔵石仏。
南山城木津川市から木津川右岸沿いに伊賀市方面に抜ける旧伊賀街道国道163号線、笠置町と南山城村境を越えた辺りが旧中山峠。
現在国道はなだらかな登となっているが、峠と呼べる程の登りでは無い。
今は通る人とて居ない旧伊賀街道中山峠は向かって左、ブッシュの斜面上にある。
往時、この石仏の前を伊賀街道がすり抜けていたのでしょうか??
今でも近くの在所の人が訪れるのか、供花のシキミがまだ青いまま残って居ました。
板碑や宝筐印塔などの中央に立つ地蔵石仏は、首根っこで舟形光背と共に断裂するも、よく古式を踏襲している。
右手は腰辺りに下げて余願印、左手は胸前で宝珠を抱く古式の地蔵立像。
永仁三年の銘が確認されており、鎌倉後期、の造立。
鎌倉期の石仏としてはかなり洗練されてスマートに成って居ます。
石仏さんの後ろに回れば、現代の旅人がタイヤを軋ませ、走り去って行くのが見えます。
撮影2012.5.28