今回の山陽瀬戸内の旅で始めて駐車料金を払い参詣、尾道きっての観光寺院 「千光寺」の磨崖石仏と「逆修塔」と呼ばれる双体石仏。
<千光寺参道、石仏越しに見る尾道>
尾道は瀬戸内きっての観光地、しまなみ海道が貫く多島を奥に尾道水道を見下ろす高台には古刹が並び建ち、その風光明媚さは多くの観光客を惹きつける。
千光寺表参道、石段右手にそれと解る案内があり、脇道に入ると参道土堤を背に、それほど大きくない花崗岩に阿弥陀三尊が刻まれて居る。
向かって右端にも舟形龕も見えるが、彫り物はなく小石仏が置かれて居るだけでした。
三尊は独立した三舟形光背の中中肉彫りで刻まれ、中尊阿弥陀如来坐像には鮮やかな彩色が残って居る。
中尊阿弥陀如来は定印を組むローカル色豊かな尊顔で蓮座に結跏趺坐・・・・像高約45cmと小さいながら愛くるしく目を奪う。
向って左脇侍の勢至菩薩は像高43cm、右脇侍の観音菩薩は蓮座の造りが全く違って像高47cm・・・・共に風化に耐えられず尊顔が崩れています。
彩色がよく残った中尊阿弥陀は童顔ながら慈悲に満ちています。
尾道市文化財に指定され室町中期の寛正二年(1461)造立。
傍らには逆修塔と呼ばれる双体石仏。
高さ1m程の舟形に整形した花崗岩に、向かって右に来迎印阿弥陀立像、左に薬師如来が厚い中肉彫りで刻み出されて居る。
共に頭上にそれぞれの種子配し、半円形重弁蓮座に立つが足許も覚束無い程のぎこちなさ・・・・・。
「松厳XX禅定門:松渓妙通禅定尼:逆修」、「天正十七年(1589)己丑」「二月時正」と銘が有り、逆修供養のため造立された。
千光寺石仏は明日にも続きます。
撮影2012.12.1