愛しきものたち

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山口市鋳銭司(すぜんじ) 陶ヶ岳(すえがたけ)の磨崖仏

2012年12月10日 | 石仏:山陽

「火の山連山」と呼ばれる標高300m程の低い山々の一つ、巨岩が露出する陶ヶ岳山頂付近の岩壁に多くの磨崖仏が刻まれて居る。

陶ヶ岳は地元山口のロッククライミング発祥地として知る人ぞ知る岩山、山頂からの眺めもまた素晴しい。

麓には登山者用の駐車場まで完備され、登山道もよく整備され他所者素人でも難なく辿り着ける。

駐車場脇から山道を登り始めて約30分弱、さほど広くない台場に出るが、所謂そこが陶ヶ岳観音堂跡・・・・・。

磨崖仏はその脇からロープ伝いに急斜面を10分程掛けて登りきった頂上岩塊の西面する岩壁に刻まれて居る。

陶ヶ岳はたった標高252m、しかし頂上付近からの眺めは360度見渡せ、素晴らしいパノラマを見せてくれるが眼下には急崖が目を剥いている。

頂上から少し下った処にテラス状の通路が有り、その上部岩面に十六羅漢の磨崖仏と涅槃釈迦像が刻まれて居る。

最初に出逢う五体の磨崖石仏・・・・羅漢さんらしいが相当傷んでいます。

およそ像高50cmぐらいか・・・・

次には羅漢さんらしい像容の五~六体・・・・・しかし彫りが浅く風化も進んでいます。

あのきつい斜面をロープ伝いに登って来るだけの値打ちは有りますが、このテラスは幅が狭くその先は断崖絶壁、僕を含めて高所恐怖症の人には薦められません。

目の前に現れた釈迦涅槃像は想像よりもずっと小さく、彫りも簡略化され、ちょっとガックリ・・・。

矩形の彫り込みは高さ約50cm、横約110cm、涅槃台に横たわる寝釈迦は像高約80cm程・・・・両脇には舟形の中、僧形坐像仏。

涅槃釈迦とは言えまるで昼寝でもしている様に親しみ易い像容・・・・・・江戸時代初期の作だと言われています。

眼下の景色も素晴らしいのですが、覚束ない足元では要注意です。

撮影2012.11.29