矢田寺境内大門坊、庫裡前に立つ十三仏板碑と北向地蔵のUPです。
「矢田寺」は、言わずと知れた生駒山系東側丘陵奥に建ち、地蔵信仰の中心地として、また最近では「あじさい寺」として知れ渡っています。
参詣道脇の集落を抜け、山門から長い石段参道を登り切り、平場の石畳参道に出ると右手に塔頭「大門坊」がある。
山門を潜り左手、庫裡玄関前に立つ十三仏板碑。
平成九年(1997)、寺墓改修の折に掘り出され、此処に移動安置されて居ます。
高さ約150cm、幅60cm足らず、三列四段、上部に虚空蔵の定型十三仏板碑。
永らく土中にあったものか風化摩耗は見られませんが、荒削りな彫法で一味違う十三仏板碑です。
荒削りな割には丁寧な像容、向かって左手下部に「光秀」なる刻銘が有り、歴史ファンは物議を醸して居るようです。
一方山門右手、白壁塀の前には北向地蔵と呼ばれる錫杖を持たない矢田寺型地蔵立像。
永らく涎掛けをしているのか首から下の石色が変わって居ます。
石仏さんも太陽に当たらないと色白なんですね。
舟形光背を持ち高さ約90cm、銘は有りますが肉眼でも読みが下りません。
室町後期の造立?、少し小児体型で利発そうな顔が印象に残ります。
撮影2012.7.22