尾道きっての名古刹、浄土寺は遠く飛鳥の昔、聖徳太子の開創と伝えられ、文化財の宝庫「国宝の寺」として良く知られるが、また背後「瑠璃山」の岩塊には巨大な不動磨崖仏が刻まれて居る。
遠くへ出かけると少々の雨でも無理を承知で予定をこなしてしまう・・・、ちょうどこの日も午前に因島、鞆の浦と廻り午後2時頃に宿のある尾道まで帰ってくると初冬の冷たい雨が降りだした。
風光明媚な尾道水道を下ろす高台に建つ、浄瑠璃寺山門前からの景色も冷たく泣いている。
尾道は狭い坂の街、浄土寺山門前の参道も寺院の規模にしては狭く、車では行きづらいが、到着すれば境内は広く、駐車場も用意されて居る。
境内に着き、そぼ降る雨の中裏山の磨崖仏までの道を訊ねると、その巨岩までは約20~30分の山登りだと言う・・・・・、暫く躊躇したがこれくらいの雨ならと意を決して強行、山頂付近の不動磨崖を目指す。
西国霊場石仏が置かれる参道を雨に打たれ、もう止めようかと思い始めた頃に大岩が見え出し、なんとか対面。
巨大な岩塊が屹立する高さ7~8mも有ろうかと云う花崗岩の波打つ壁面に薄肉彫りの不動石仏が見下ろして居る。
像高約4m、右手に利剣、左手に索を持つ、お決まりの定形不動明王立像です。
大きい目玉に真一文字に結んだ口元、憤怒相には違いありませんが大きい割にはリアリティーが感じられず、何故か紙に描いた漫画のような薄っぺらさを感じてしまいますが・・・・・(サラサラけなすつもりでは有りません。)
江戸時代中後期、大峰山信仰講中の奉納。
そそくさと戻った境内、 開山堂奥斜面には千体石仏が並ぶべられ壮観。
最上段にはこれはと思う如来形、多分阿弥陀石仏も見えるが・・・、これ以上は近づけません。
境内片隅に置かれていた小さな不動明王石仏。
どことなく、いなせな若者がが風を切って歩いているような・・・・。
裏口近くに有った山形板碑・・・舟形の中に地蔵立像を刻み付ける。
他の石造物は次回に続く。
撮影2012.12.2