防府市街中心よりまっすぐ北へ約3km、右田岳の麓に万年山天徳寺が有り、その背後に聳える石船山中腹の岩塊に三十三観音磨崖石仏が刻まれて居る。
右田小学校脇の参道から山門を潜り本堂を見ると背後に岩塊の石船山頂上がそそり立っている。
磨崖仏は天徳寺25代住職時代、大正4年から足掛け10年を費やして31体の磨崖仏刻まれ続けた現代石仏ですが、一見の価値はあると重い足を引きずって登った。
向かって左手、本堂脇から続く墓地群の間を縫うように山道を登るとやがて観音堂の建つテラス・・・・、この付近から上部の折り重なる巨岩に観音石仏が累々と刻まれて居る。
殆どが巨岩に直径1m程?の月輪を彫り沈め、中に50~60cmの観音像を浅く浮き彫りで刻みだし、洗練された像容はいかにも現代仏。
どうも僕の好みには合いませんが、そそり立つ巨岩に刻まれた磨崖の有る奇観には魅力がある。
第九番「威徳観世音」と書かれた磨崖の後ろにそびえ立つ奇岩の頂上。
巨大な重ね岩に彫られた第2番「龍頭観世音」・・・。
まあどれもこれも良く似たものばかり、おまけに僕にとっては聴きなれない名前ばかしの観音石仏。
素朴さや力強さからはかけ離れてしまい、イマイチ石仏自身の魅力には欠ける。
とても総てを見て回る気にも成れなかったが、制作途中でほっぽり出された磨崖もあった。
ゆっくり登ってのんびり見て回っても1時間足らず、日頃使わない足の運動には持って来いの磨崖仏です。
撮影2012.11.29