Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

ロックダウンへの歩み

2020-10-28 | 文化一般
ベルリンがやっと動いた。土曜日から11月14日までの二週間有効の新たな規制が発表になった。注目の催し物は野外で5000人になっていたのが500人に、室内で1000人が300人となった。但し特別に許可された演奏会場などは800人まで入場可能となる。

サッカーなどは許可を得ても1000人では合わないという事であるが、フィルハーモニーは800人ならば今迄の500人より300人増える。ほぼ三分の一の席占有となるのでとても危険である。これが三月から八月までの間なら問題はなかったであろうが、チェス盤状に千人まで販売した矢先に減員となった。どちらにしても危険極まりなかったのだが、800人入れるとその中に1.2人陽性者がいるような感染状況ではマスクなどはお呪いでしかない。感染者を十倍とすれば同じブロックに一人は感染者がいることになる。隣に後ろに座るかもしれない。少なくとも距離を充分に開けるしかない。

同様の基準で動かしていたヴィーンは一足先にロックダウン準備へと移っている。遅くとも12月初めまでにはオーストリアの一日の感染者数が六千人の基準へと至るとされていて、その時点でロックダウンライトへと移る。「外出の制限」、「飲食業の閉店」に並んで「催し物の禁止」が挙がっているのを見ても分かるように、オーストリア政府がドイツからの観光も無いのに催し物に拘ってロックダウンへとひたすら落ちて行ったことが見て取れる。成程オーストリア政府が自負していたような医療システムの完備と死亡者の少なさは既に訂正されていて、十万人中の死亡率は11と悪化していて、ICUベット数が怪しくなってきている。ロックダウン開始で急激に重症者数が減ることはないので、どのように非常ブレーキを掛けるかが話題となっている。

所謂ソフトランディングが出来るかどうかである。その為に短期のシャットダウンで感染速度を遅らせたりするのを観察しながら、有効に期間限定のロックダウンで拡大を一掃するということだった。予想と異なったのは、政治家がマスクを武器として政治道具化したことで、本来の距離をおく事などが疎かになって間合いが取れなくなってきた事である。ドイツにおいては、なによりもベルリンのチャリティ病院のマスクによる催し物増員をする動きから全てが変わって来た。オーストリアにおけるヴィーナーフィルハーモニカーやザルツブルク音楽祭同様の戦犯となった。

本来ならば同時に舞台上の距離間を縮めることで芸術的な価値を添加して行く予定だったのがならず、片翼飛行のような塩梅になって不時着さえ難しくなってきている。本日の車中の放送で催し物の制限の意味をSWR文化波でコメントしていたが、それによると本来の目的である啓蒙された人々が規律を守って今までも幾つかの小さな例を除いて大きなクラスターが起きなかったようにこれからも克服していくべきものだとしていた。まさしくこうした文化関連の非科学的なジャーナリストがいる限り、ウイルスを克服することなどは出来ないのである。これだけでこの人が劇場や音楽会場で何を聴いているかが分かる戯けである。そのような芸術などは淘汰されてしまえばよい。

シュヴェツィンゲン音楽祭からロココ劇場で録音されたモジリアーニ四重奏団とザビーネ・マイヤーのシューベルトの八重奏曲などを流した。思っていたよりも会場の響きが鮮明に取られていて、舞台の跳ね返りのバスの膨らみも適当だった。ヴィデオもオンデマンド化されるのでマイクの設置なども確認してみたい。

SACDの音質の問題から、改めてペトレンコ指揮第九をなどを通常のCDプレーヤ―のPCM再生で聴いてみた。やはり低音などが膨らみ過ぎてゴリゴリしてHiFiとはならなかった。ドイツで最も評価の高かった普及品SONYプレーヤーから同じ高級DATのコンヴァーターを通しても解像度ももう一つだった。今回は192kHzのハイレゾも比較して聴いているので、HiFiでは無い再生はやはり間違いが直ぐに分かって厳しい。嘗てのアナログ再生程ではないが、所謂音が良いという評判のオーディオ装置程そうしたHiFiサウンドからは遠ざかって行くのはデジタル再生でも同じである。



参照:
他人迷惑なプロテスター 2020-10-27 | 雑感
忖度無いジャーナリズム 2020-08-30 | マスメディア批評

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