Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

北の地で血を吸った大斧

2005-10-27 | 文化一般
メルキッシュ博物館で雨宿りをした。市民が1887年に王室を離れて創立した過程からして、現代の博物館の奔りである。

そこには数限りない、この地方やベルリンの発祥について、時系列でないテーマ別の展示がある。その一つに、騎士団の鎧や武器、拳銃や銃器とは別に、国王暗殺犯を処刑した血の付いた斧だけでなく、ルネッサンス期以前の拷問道具やユダヤ人殺戮の資料などもあった。

その絵柄も腹を上から斧で切り込む風景など、可なり明白に実写されている。責め具も、足かせ首かせの内側に太い針が付いており、太さも自在にも締め付けられるようになっていた。人形の棺桶の中に押し込んで痛めつけたり、首だけを出させて樽の中に閉じ込めるなど、考えられるだけのお仕置きが用意されている。

この地方を扱った展示であるので、その範囲内で第三帝国やその東ドイツも扱われている。勿論、最近見直しの1920年代からバウハウスを中心としたその意匠や新即物主義の絵画などが展示されている。

第三帝国の間もこうした展示がされていた事を想像すると、このような即物的な展示の方法が決して好ましいとは思えない。強制収容所のオラーニエンブルグ、シェーンフェルドやザクセンハウゼンでの物品も、将来はこのように展示されていくのだろうか。だからこそホロコーストの収容所等の博物館的な保存が決して最良ではないと言う見解にも導かれる。

子供たちがハロウィーンの魔女の格好をして郊外学習に来ていた。魔女狩りや拷問博物館などは各地にあるが、何故か北の地にこうして展示されていると、何処か大きく違う感じがする。それは、なにもプロイセンの啓蒙文化が災いしているだけでなくて、それ以前からの長い歴史に関係している感じを受けた。そのプロイセン以前の文化については、改めて見て来た印象を纏めてみよう。

写真:ホロコースト記念碑



参照:尻を捲くり立ち止まる [ 歴史・時事 ] / 2005-10-29
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