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Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

英国人指揮公演の梯子

2024-05-28 | ワイン
指揮者交代の演奏会の後半に抜けて、劇場のティケットを購入した。上手く後半に入れるかどうかは不明な点もあるが、兎に角最短距離を走れば10分以内には席へと続くドアには至れる筈だ。ピアニストのアンコール前に無理に出る。不明はラディオ生中継があるのだが数分のディレイがあるものと思っている。なければ間に合わない。

席も立ち見の一番安いものが9ユーロで手数料入れて11ユーロだったが、着席迄のアクセスが良いことも鑑み、12ユーロのバルコン席にした。一昨年12月に序に出かけたローエングリンでも同じような席に座って、そのコストパフォーマンスの良さは分かっている。後半の一時間を鑑賞するだけだが、少なくとも同じ英国人指揮者の演奏会よりは価値がある。

指揮者ボルトンはバロックを専門としていた指揮者であるが、ミュンヘンでは今迄ヘンデル等で大成功していて、楽団との関係はとても良いようだ。今回はロッシーニの「シンデレラ」を指揮するのだが、その指揮をライヴで体験してみたい。マドリッドの王立歌劇場の音楽監督をしていた間に様々なレパートリーを指揮していたようで、ブリテン「ピーターグライムス」なども公演している。若干とろい感じは否めないのだが、持ち前のバランス感覚は素晴らしくて、ロッシーニではいい指揮をするのではないかと考える。

英国人でオペラを真面に振る現役層はパパーノと二人しかいないので、今後英国人の得意のレパートリーでまだまだ今後活躍するのと予想している。それを確かめて来たい。

これで6月の催し物への出資はヴュルツブルクのモーツァルトフェスト40ユーロ、BR定期10ユーロ、劇場14ユーロ、バーゼルシムフォニエッタ定期34フランケンで総計100ユーロ程になり、宿代は全四泊で180ユーロ程になる。宿泊代が圧倒的に高いが、燃料代は250ユーロ程になるか。

愈々週末はナーヘでの試飲会である。そこのここ暫くのグローセスゲヴェックスの飲み頃になった仕上がりが取り分け良かったので、最も優れた甘口を醸造する醸造所以上に本格的なリースリングの醸造所としての評価を高めている。

良い地所からの果実はグローセスゲヴェックスのみならず素晴らしい甘口として醸造されてしまうので日常消費用リースリングはどうして雑味が感じられたのであるが、もう少し消費してもいいかと思うようになってきた。それ以前に素晴らしいグローセスゲヴェックスの開け頃のパイロットワインとなるようなものを物色してもいいかと思っている。それが軽めの甘口であっても、参考になるならば、デザートワインぐらいの感じで購入を考えてみようとも思っている。

2023年産は冬の間の水不足で、カリなどが回らずに、それが葉の充血だけでなく、果実の醸造時の酵母との接触による発酵に影響しているようだ。要するに塩基化してしまうことで、ワインがどうしても亜硫酸などに晒されるということになるようである。この辺りも試飲会で十分な情報が得られるようにその流れをもう一度整理しておかないと醸造化から深い話しは聞きだせない。



参照:
旨味ある経費削減 2024-05-27 | 生活
サウンドデザインの仮定 2022-07-01 | 文化一般
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着氷をバルコニーで考察

2024-05-23 | ワイン
六月の旅行中に二回の演奏会に出かける。それを口実にするようなものでそれほど真面目に考えていない。皇帝協奏曲も永く接していないので少しはお勉強しようかともい思う。もう一曲は「家庭交響曲」でこの曲はあまり演奏されないので、お勉強の価値はある。しかし既にペトレンコ指揮でいい演奏の録画が残されていて、それ以上の何かが聴けるとは思っていないので、それほどには期待していない。

ペトレンコ指揮では2016年にミュンヘンの座付き楽団との欧州ツアーで演奏した。もう一つのプログラムのチャイコフスキー交響曲五番もリゲティ「ロンターノ」とバルトークの協奏曲も名演だったが、チャイコフスキーとアンコールの「ルスランとリュドミラ」は今後もなかなか越えられないかもしれない。

皇帝交響曲は一度だけ朝比奈指揮の園田の演奏で聴いた記憶がある。因みにヴァイオリン協奏曲の方も江藤俊哉のそれしか覚えていない。後者の泣き節のようなヴァイオリンの響きには閉口した。

腹の調子を壊した。しかし、ホタテ貝は上手かった。決して古くはなっていなかったと思うが季節がどうか分からない。勿論火をよく通す方法としてヒマワリ油で焼いた。上手く赤いところも外せて焼けたので食べ甲斐もあった。一つ1,3ユーロで三つ食した。

腹の調子を壊したのはどちらかというと、カサカサにならないように火の通りを弱めにしたエビの方かもしれない。味は悪くなく食べ甲斐はあったのだが、付け合わせなどで若干短調さを避ける工夫も必要だった。

リースリングはナーヘの火山土壌地所からのフェルゼンベルク2018年産で、とても素直で良いのだが酸の量感に若干欠けていて、そうした酸の旨味の奥深さはなかった。そうなると食事全体もやや単調になった。天気も良かったのでバルコニーでの今年初めての食事となった。

来週は最高気温が摂氏20度を超える日が続きそうなのでバルコニーで過せるようになるであろう。但しそれ以上に急上昇する様子はない。

発注車輛の最終的なオプションが決まりそうである。問題になっていた防音ガラスは追加料金240ユーロで付く。摺りガラスの方が390ユーロで高い。更に冬タイヤを付けて工場出しすることで冬パケットが加えられて、ハンドルにヒーターがついて、洗水ノズルが温められる。これだけで280ユーロ積み重なる。直ぐに必要な冬タイヤを付けることで全体の割引率で引かれるのでそうしたのだがその分追加になった。これだけなら高くなり過ぎるが、本体価格が330ユーロ下げられている。最終的に税抜きで321,30ユーロ高価になった。

洗水ノズルヒーターで厳寒でも直ぐに窓の氷が溶かせるらしい。興味があるのは氷の雨などが降った時にも氷着が防げるかどうかである。またホワイトアウトの時にも室外の視界が改善されるかどうか?窓ガラスの汚れは着き難くなるらしい。冬の問題は四輪駆動にする限り先ずは視界の問題が改善されるべきだとは思う。冬に納入の冬に強い車ならば四輪駆動の価値が余計に出る。



参照:
発注システムのバグ探し 2024-05-09 | テクニック
全てを食う赤い奴 2024-05-20 | 料理
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吟味すべきCPは如何?

2024-04-02 | ワイン
2024年復活祭が終わった。マティネコンサートは来年の第九でバーデンバーデンでは終るので、それ以外の曲では今日が最後だった。前夜戻ってきたのは予定通り21時過ぎだった。

先週の余りもののパエリヤをオーヴンで温めて、ヴァイツェンビーアと開けてあったグランクリュ「イ―ディック」シュペートブルグンダーの2007年物で軽く済ませた。翌朝のブラームス部交響曲四番は「エレクトラ」に続いて重要視していたからだ。そして来年は演奏会は第九の二回しか振らない。新制作「マダムバタフライ」の三回の上演とその二回の演奏会で万事休すとなる。

それもあったので特等席の空いていたところに座ってみた。この欧州最大級のオペラ劇場の音響がよく分かった。前回ご招待の時は庇の先ぐらいのところで最上席ではなかったのでオーナー席も試してみた。

結論からすると劇場音響で可也デットだった。それでもミュンヘンの劇場よりは福やかかもしれない。ザルツブルクよりは素直だろうが、奈落でのバーデンバーデンの祝祭劇場の美点はあまりなかった。

前夜の「エレクトラ」の楽日でも試してみようかとも思ったのだが、やはり一番いいような席はスキスキではなかった。オーナー席に座ると直ぐに係員が来るようでその点は管理が出来ていた。ベルリナーフィルハーモニカーはいなくなるので最早関係はないのだが、最低価格席の良い席と比較しての差は視覚以外ではあまりない — 価格差で六倍ぐらい。

結局最終日は6時過ぎに目を覚まして、7時過ぎまでベットにいて、8時過ぎにシャワーを浴びてで、9時過ぎには出発した。復活祭月曜日で殆ど交通もなくブレーキも殆ど踏むことなく、10時過ぎに祝祭大劇場車庫入れとなった。

昨年は最終日にヘロヘロになっていたのだが、今回は大分楽だった。やはり「影のない女」と「エレクトラ」での疲労度が全然異なるという事だろう。それは音楽家にとっても同じことだったろう。それだけの価値があったということになる。

「イーディック」はビオデュナミを信仰している独高級ワイン協会会長の地所からのものだが、2007年はそれ程特別な年度ではなかった。そして最初から若干獣臭い味覚が特徴だったのだが、流石に50ユーロ程のものだけにまだ弱ってはいなかった。色は少し落ちてきていいるようだが、ヘナヘナにはなっていなかった。同じ価格でブルゴーニュの有名地所のものと比較すればどうかということになる。

石灰土壌で基本的にはミクロクリマなども似ているのだが、やはり葡萄が違う。上の劇場の座席の価格やその価値がどうかを吟味するのにもよく似ていて、そこまでのコストパファーマンスがあるのかどうかだけである。

最終日などのことでザルツブルク引っ越しのことをどうしても考えるのだが、その公演日程や滞在日程などが問題になる。



参照:
原発警備強化の物的根拠 2016-03-26 | ワイン
春の息吹を注ぎ込む 2024-03-26 | 音
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独最高の赤ワインの旨味

2024-03-19 | ワイン
11月12日のフランクフルトでの壮行演奏会の席を押さえた。今回は定期公演が入っていたので、好みの席がなければ最安席で誤魔化しておいて、流れてくる最上席を拾おうと考えた。少しでも出金は後にしたい。しかし、一枚だけ残っていたので狙った。もの要りだけど仕方がない。

米国第二次ツアー前の壮行演奏会で夏のツアーの表プログラムのブルックナー五番を再演して、重要なツアーに備える。米国ツアーでは裏プログラムになるのだが、独墺管弦楽団としてブルックナーを米国で再認識させることになる。

夏のツアーの演奏会にも出かけるのだが、目的を徹底させることになるので、資本も上手に分散投資可能となる。

また8月31日状態で泣きそうになる。週末の「エレクトラ」が全くお勉強できていない。幸い一昨年にザルツブルクで観ているので、規模も複雑さも見当はついているのだが殆ど楽譜は目に浮かばず、最初の動機から追っていくしかない状態である。その次のヴァ―クナーガラも簡単に目を通しておけば足りるか。日曜日を空けてあるので、そこではシベリウスにも目を通しておかないと駄目だ。

土曜日にあまり肯定的な意味のなかった三つ目の音楽会に座りながら、時間を作ってワインを取りに行けたことを喜んでいた。なによりも今時半ダース購入して60ユーロしないピノノワールなんて、高品質のものにはありえない。

どのようにこれだけ価格が抑えられているのかはよく分からないのだが、葡萄を石灰のヌルヌルした土壌から上手に収穫して、安い培養酵母を上手にさっと仕上げているのだろう ― まさにここが勘違いで、健康な酵母を収穫することが肝心の白と異なり皮を漬け込むのでビオワインでも酵母の問題はない。滓とかの処理も工夫しているのだろうが、白ワインとは違って、そこを推測するだけの知識がない。しかしこれだけ安く、なるほど現行のベーシックが2022年物で12.5%のアルコールしかないということでも、長く寝かしている傾向があるのだろうが、驚きである。

フランスのスーパーでは10ユーロ以下の真面なピノノワールなんてない。そしてこのゼーガーの葡萄はドイツのシュペートブルグンダーではなくてフランスのクローンであると聞いている。要するにこれだけ本格的なピノノワールはドイツでここでしか知らない。

なるほどドイツでも最高価格帯のシュペートブルグンダーとフランスの同価格帯を比較すると中々コストパフォーマンスでは越えるのは難しいのだが、それでも二十年に一度ほどの良年には特別な赤ワインとなる。

上の価格で分かるようにグランクリュならともかく態々ベーシックなグートヴァインを送ってもらう訳にはいかないので、機会があれば取りに行きたいと思っていたのである。そしてコロナを越えては初めて購入できた。

そして簡単にスクリューキャップを開けて牛肉に合わせると、幾らでも進む。それは辛口で若干のタンニンの渋さがあるのでねとつかないのである。その意味ではブルゴーニュよりも男っぽい。しかし、僅かなざらつきもあり乍ら旨味もあるのだ。少なくとも年度としてはとても良い。但しアルコール度が示すように偉大な年度ではないだろう。



参照:
'15年シュペートブルグンダ 2017-11-20 | 試飲百景
歴史的な瞬間にいること 2022-11-08 | 音
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無料VPNをインスト-ル

2024-01-06 | ワイン
1月14日のNHK放送予定番組関連で気になっていたVPNをインストールした。前回は2017年のミュンヘンからの引っ越し公演に伴うNHK音楽祭映像を観ることが目的だった。この間機材も変わり、旅行用のMINIノートブックのLINUXにはインストト-ルしてあるのだが新しいWIN10には入れてなかった。不要なものは極力インストールしないからだ。

LINUXの方は映像には難しく、もう一つのLINUX音楽メインシステムも弄りたくないので否応なしにWIN10に新たにインストールした。幸い上手く行ったのだが安定度に欠ける。

無料VPNであるのでその伝送速度も遅く、前回も繰り返し繰り返し状況の良い時を待って辛うじて貫徹した。今回もオンデマンド配信で潮時を見るしかないかもしれない。その為には有料なので幾らかを払わないといけない。その支払いもNET CASHというのを使って、ID番号などを見つけてログイン可能だった。まだ若干掛け金が残っているので、それで用為すかどうか。先ずは状況を見ないと何とも言えない。

そのプログラムの中でブラームスの四番はシカと観ておかないといけないと思っている。復活祭で最終の姿が示されるので、計三種類を比較する事にもなる。その前のコロナ期間中、そしてミュンヘンでの実演と五種類の演奏となる — 実はもう一種類コロナ期間中のザルツブルクでの中継録音があったが意識的に忘れていた、即ち六種類七夜。そしてその秋の定期公演での演奏は昨年デジタルコンサートホールで最も観られた演目であったらしい。

年末年始の三本目は2012年産ゴッテスフースであった。ザールリースリングらしい豊満な酸とそれに合わせた残糖が日本食などには合う。これが日本でもモーゼルザールル―ヴァ―に人気がある点で、本国での食生活の豚などの原材料に合わせた淡白な味には合わない。それにはリースリング愛好家の酸のエッジが効いた雑食砂岩や花崗岩の方が合い、石灰分の多い黄色っぽい面取りの薄いのリースリングはサラダなどに合う。

そこで重箱の料理に合わせたが、これがまた良かった。2012産で非常にバランスがよくて、果実風味も豊かである。但し醸造所のオーナーもブルゴーニュシステムの辛口のコンセプトを全面的に承諾していなかったので、どうしても糖が多めに残っている。

しかしこの年度のこの地所の赤いスレート成分の多い旨味は格別で、トロミまではないのだが、酸味とのバランスで分離もせずにとてもスムーズな飲み心地であった。なるほど一番良かったナーヘのデルヒェンと比較すると明らかに、甘みが多く、旨味よりも多層的な深みを求める向きには合わない。リースリングに深みと構築感を求めるとなるともちゃもちゃ食事などはしていられないとなる。

何かブラームスの交響曲四番における演奏実践のその方向性と全く同じようなお話しで、ワインの場合は好みや目的で済む話なのだが、音楽芸術となるとそこには求められるものは定まる。あるのはワインと同じように時代によってその求められるものや関心のありどころが変わってくるという客観的な状況の存在である。



参照:
ステレオタイプは不可 2024-01-05 | ワイン
神の膝元のリースリング 2015-06-02 | 試飲百景
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ステレオタイプは不可

2024-01-05 | ワイン
ムーティ指揮シカゴ交響楽団最後のツアーが迫っている。そこで演奏される一曲メンデルスゾーンの交響曲「イタリア」イ長調である。昨年暮れからLPを取り出してあったのはカラヤン指揮ベルリナーフィルハーモニカー演奏の1973年前の録音だ。

B面には「宗教改革」が入っていて全集になったのかもしれないが、あまり針を下ろしていなかった。なぜだろうと考えていたのだが、音を聞いてみてやはり魅力が薄い制作であったことが分かる。先ずは当時の評判の悪いDG録音も冴えない。録音コンセプトもはっきりせずに、ヴァイオリンを強調したようなバランスで非音楽的である。

それでもカラヤン指揮のメンデルスゾーンを聞くとやはりあまり得意にしていないのもよく分かる。浪漫派の音楽もメインレパートリーにしていた筈なのだが、管弦楽を持て余している感じが強い。やはり後期浪漫派の楽曲の方が上手だった。

楽譜も落としたので、参考音源もじっくりと探してみたいが、中々いいものが思い浮かばない。少なくともムーティがお手本とするカラヤン指揮では駄目だったとなる。

年末年始で一番素晴らしかったのは、クリスマスを入れて、やはりこのデルへェンだと思う。昨秋グローセスゲヴェックス回収に行ったついでに久しぶりに名うてのグランクリュをドライヴした。

やはりその土壌とミクロクリマからしてナーヘ流域ではこの醸造所が一番いい地所を持っていると思う。小さな田舎の醸造所であって、それほど経済力もありそうにはなく、更に土地柄所謂ブルゴーニュシステム導入には戸惑いが多かった筈だ。それでも少なくとも十年前にはこれ程立派なグローセスゲヴェックスを輩出している。

最後の一本となったデルヒェン2014年はポトリス風味はないのだが若干干し葡萄的な旨味と清潔な繊細さが丁度木樽熟成の広がりのような息遣いになっている。蔵見学をした記憶がないので質してみないと分からないが、とても上手に醸造している。そもそも先代がアイスヴァイン作りの名人であり、今でもその貴腐ワインの甘みの出方はこの醸造所が世界的に有名なエゴンミュラーなどよりは上である。酸の出方とそのバランスが絶妙なのだ。決してしつこくなったりすることがない。

そういうノウハウで以って辛口の本格的なリースリングを醸造するとこうなるという例であって、今更ながらその質を見直している。生産量も一般販売量も限られていて、春にしかし試飲会をしていないことから、特にそのグローセスゲヴェックスなどの樽試飲はやはりそれなりの見識と経験がないと判断が下せない。そしてそこに瓶熟成のポテンシャルを読み込むのは嘗てならユダヤ人ワイン商の専売特許であって、実際河下のビンゲンには後のフランクフルト学派のアドルノ家などがそれで商売をしていた。

そしてここの土壌の複雑さはステレオタイプなカテゴリー別けだけでは片付かない特徴づけが必要になる。色も未だ黄色くなく、まだ十年は寝かせれるが、もう十分に愉しい。酵母臭、硫黄臭一切無し、あるのは葡萄臭だけ。

当時と現在のグローセスゲヴェックスが異なる所はなによりもその醸造の高度な技術とその設備となる。温度管理も整っていて、香りを逃がさず、同時に自然な味の広がりがある。



参照:
ピリ辛感が残る最後 2017-08-22 | ワイン
菊牛蒡とタロイモの年始 2016-01-03 | 料理
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偽りの無い熟成過程

2024-01-04 | ワイン
クリスマスから年始迄の食材は月曜日までに尽きる。特に肉類は追加で手羽を購入して繋ぐ。コール首相の缶詰も週末に開けることになるかもしれない。経過理由はあるのだが、一つ買えなかったことと、日程的に早めに始まったことがあり、またコロナ期に比較すると食事量が伸びている。

缶詰の付け合わせのザウワーボーネンも新年で未だスーパーに入荷していなかった。他の付け合わせも考えてみなければいけない。

年末年始で最初に開けたのがラインガウのグレーフェンベルク2014年である。クリスマスに南プファルツの雑食砂岩「ガンツホルン」でその年度を確認していたので、開けてもよいとなった。細やかさはあるのだが、熟成向きではないのは明らかで、若い時のキュートさがなくなって面白くない。その前年の態々買い足した黴臭い年度ではなく素直なのだがそれが余計に詰まらなくなっている。

勿論リースリングの煮凝りに合わせたりでは全く問題がないのだが、その価格と瓶熟成の年月を考えるとその期待に応えたとは言い難い。前回開けたのは2021年で三年前であった。同様な印象が書いてあって、どうも当時はまだ樽熟成に100%木樽を使っていなかった頃かもしれない。やはり適当に呼吸が出来て、発酵の炭酸ガスが自然に抜けるぐらい出なければいけないのだ。

なるほどワインに自然の炭酸が残っているぐらいの方が口当たりが良くて清涼感があるのだが、そのガスは瓶熟成で消えてなくなる。その時に退屈な味であってはいけない。基本的に若い時にガスが残っているということはステンレス醸造をしていて、偉大なワインとはならない。

ラインガウでは最も高い位置にあるグランクリュの一つで、なによりも秋には冷えて優れた酸が効くことが重要で、過熟成するような果実からは良いリースリングは醸造されない。

ヴィーンでのノイヤースコンツェルトの放送は見聞きしていない。最早完全に興味がなくなった。個人的な思いなのかどうかは分からないが、新聞評では絶賛してあって「いい意味でプロシア風、内容充実だが感じやすく、甘くても粘っこくない」と見出しになっている。それを読んでも殆どむかつく。要するに催し自体がもうとても鬱陶しくてついていかれない。日本では地震があって生中継はなくなったようだが、中共で熱心に観られたことだろう。

ああいう催し物は最早文化的な先進国では受け入れられないだろう。一体このようなご時世にヴィーナーヴァルツァーもあったものではない。改めて、先月20日に生中継されたガザ地域とイスラエルの市民の保護へのチャリティーコンサートの録音を流す。やはりそこには偽りの無い音楽がある。

あんな商業主義の催し物などとは今更ながら無関係だと感じる。なるほど「こうもり」のようにそこに作られたヴィーナーというものが描かれてこそ初めて芸術化するのとは大分事情が違う。



参照:
ロックダウンの延長 2021-01-05 | 生活
シャンペンの泡の様に 2024-01-02 | 音
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厄落とし年末調整

2023-12-29 | ワイン
新車の試乗のアポイントを取った。新春である。雪がなく雨が降らないことを願っている。五時間半ほどと言ったが、数時間の時間を取ってくれたのでなんとかなるだろうか。

今年最後の記念写真撮影があった。アウトバーンに入る前の自動車専用道路なので50kmの所を誤差入れて20km速度超過にはなっていない筈だ。金で済めば厄落としになるが、ナヴィを稼働していたら申し少し先にブレーキを踏んでいただろう。不定期カメラ設置場所でそれを狙っている。

クリスマスのリースリングはガンツホルン2014年産となった。食事のザウマーゲンの栗が甘かったので本当はもう少し旨味があるものの方が良かったかもしれないが、三本購入の内の二本目で、ソロソロ片付けても良いものだった。要するにそれ程力があるリースリングでもなく、比較的早い時期から楽しめたものだった。四年前に開けた時と比較すると明らかに果実香が引っ込んでいた。

次に問題になるのは年末年始のグランクリョで、その前に赤スレート土壌のフリューリングスプレッツヘンを開けたので、もう一息海鮮ものなどに合わしやすいスレートもののザールかナーヘのリースリングで良いかと思う。メニューを考えてみないと分からない。

暮れにもう一本開けるとなれば、上の二種類を開ければなんとか年を越せるであろうか。シャムペン替わりに軽く若い一本をそこに加えても良し。もう一度走るのでそれに缶ビールで飲み代はあり、それ以上は飲まないということでもある。

会計の〆で本年購入したワインの価格がやはり1000ユーロを軽く超えていることが分かった。平均を25ユーロとすれば40本になる。在庫は決して増えてはいないので、それぐらい消費していることになる。月に換算すると3.33で4本ならば話しが合う。週に一本は間違いなく明ける。シーズンに纏めて飲んでも若干増えるぐらいだろう。全体のアルコール消費量としてはまずまず健康的ではないか。

価格を落とすと結局量が増えるのは分かっている。つまり現在の味わいから落とすとなると飲むのもありがたく亡くなる。喉越しで飲むほどではないが現在十数ユーロするリースリングとなると、アルコール度も薄く一気に飲んで仕舞う。毎晩となると飽きが来て勿体無い。そういうものである。ワインと価格はとても興味深い。

年末調整で購入できるものは購入したいと思ってネットを観る。以前ならば音楽メディアなども購入していたが、中々これというものも見つからない。一月のシェーンベルクのオラトリオの楽譜も見たが60ユーロ超えていたのでその代わりにはならない。それ以前に年内に会計処理するような入場券類もあまり見つからない。年末の支払いは自動車保険とかそういうものもある。

ベルリンのデジタルコンサートの無料券の一部を溶かした。新年迄使える。その後一月前半分と更にその後の期限が1月15日迄なので、それも上手に使って出来るだけ先に使いたい。1月13日の「木彫りの王子」の生中継とそのアーカイヴ化、1月27日の生中継は観れないのでそのアーカイヴ、2月16日のシマノフスキ―協奏曲生中継迄が先ずは観なければいけないプログラムである。その後はバーデンバーデンの復活祭に移る。



参照:
暖かく且つ拘束感も無い 2019-11-06 | ワイン
反動で動き出す週末 2015-09-21 | 試飲百景
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必ずしも希望ではなくとも

2023-11-29 | ワイン
冬タイヤを履いた。雪に間に合った。幸いワイン街道からマンハイムのラインネッカー地方には雪はなかった。降ってはいたのだが、霙混じりだった。待ち時間も20分ぐらいで、その間に新車試乗の話しなどをしたのでとても効率が良かった。

未だ試乗車は来ておらず、年末ぐらいになるということだった。そして今直ぐに発注しても2月には納車になるということで、発注が溜まっていないことが大きいらしい。新聞等でも本当の試乗記が出ていない理由は分かった。だからそれ程急いで発注する必要もなくて、試乗してからでいいということになった。資金を用意する都合などを考えて上手く運びたい。

配達された洗浄液5リットルを5.3リットルの入れ物に注入すれば零下60度まで不凍になるが、サンモリッツに行くようでなければ中欧では不要である。この冬は精々ハルツ地方やシュヴァルツヴァルトぐらいまでしか行く予定はないので、精々零下30度に合わせればよいと思う ― 成分は界面活性体などが入っているので中和滴定までする人はいないだろう。

週末は零下8度までは予想されているので、そこから少しだけ使っておけば十分だろう。ベルリンに行くまでに半分以上残しておけばなんとかなる。恐らくそれ以前にそれほど使う必要は無いと思う。

先日のバーデンバーデンでの新制作「ヴェルテル」に出かけた公認会計士の話しでは舞台が素晴らしく歌手もよかったとあった。指揮者ヘンゲルブロックのことなどを話したが、そうした総合的な音楽芸術迄には判断が及ばないのは仕方がない。自身もピアノを新たに習い直して地元で小さな音楽催し物をやっているのだがそんなものだろう。おじさんがヒンデミート指揮での初訪日のヴィーナーフィルハーモニカーだったので、今回のベルリナーフィルハーモニカーの最終日に天皇が出てきたことも話しておいた。

次はチェコフィルのマーラー三番に出かけるということで、こちらも他に出かけない限りシカゴ交響楽団の次に出かけることになる。シカゴ交響楽団のプログラムのことも話しておいた。

今朝は天候も悪く、気温も二度ぐらいしかなかったので、ベットの中で頭痛もあった。前夜に今月二回目の入浴をしたので熟睡は出来た筈なのだが、寒かったのだろうか。マンハイム迄は渋滞もなく工事での遠回りに拘わらず予定通り到着した。帰りにはパン屋に寄るなど全く無駄な時間の無いお出かけだった。

これで日没までに一っ走り出来れば満足である。先日牛肉に合わせて久しぶりボルドーのマルゴーを開けた。1993年産はカベルネフランの率が多かったので渋みが特徴なのだが流石にこのクラスだとそれがいい具合にこなれただけでなくて、それなりの力強さもある。やはりこうなると価格の割にボルドーは価値がある。これだけの質の赤ワインを購入しようと思えば何処産でもEU内では結構高価になる。

先が計算できるようになるということが何よりだ。必ずしも希望とはならないものでも先が見れることで色々と工夫するようになる。それが重要なのだ。



参照:
タイヤ交換の予約完了 2023-11-25 | 生活
特産の弦の表現力 2023-09-12 | 文化一般
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拡充するレパートリー

2023-11-05 | ワイン
バーデンバーデンに二日通うと疲れる。朝の晴れ間に走っておいたので猶更だ。往復94km程なのだが、二日目が二時間早く始まるとなると余裕がなくなる。初日にフランスで買い物を済ませておいた理由である。今回は一週間後にもう一度機会があるので最低の物しか買わなかった。それでもブルゴーニュ二本を購入して、チーズやキシュなどを購入すると60ユーロを越えていた。一本は二十年ほど寝かせろうというワインだが、2018年産でなくて2017年産だったので、金曜日に2018年産の先日飲んだものがあれば買い足す。

通常はスーパーが特別買い付けしているようなブルゴーニュのピノノワールの中から所謂ネゴシアンによって外国市場に高く売りつけられているような著名地所の近くのヴィラージュとか地域指定ものを選ぶ。価格では出来るだけ30ユーロを越えないようにである。価値判断は、30ユーロを優に超えるとドイツでもグラン、プリミエクリュとして当然の品質のリースリングになり、要するにお買い得品ではなくなる。それならばスーパーが買い付けした意味合いが無くなる。

「地元」スーパーでの物色はこうした裾野を研究することで、地域的な網羅も出来るようになると思っている。だから今回当夜に開けるブルゴーニュとして購入した13ユーロのピノノワールは、ボーヌよりも南のシャロネーズの物は買わないのだが、例外的に2018年のルリーの名前で購入した。ブルゴーニュと相似のプファルツで当て嵌めるディジョンから南でボーヌから北に相当するハールトと南ワイン街道の相違となる。

調べてみるとやはり早飲み系なのだが、あの地域にありがちな色の薄さもあまりなく、酸味も適当でベリーの味覚も香りもあって悪くはない。コッコヴァンにとか書いてあるが、価格以上に勿体無いなと思わせる。

確かにリースリングでも13ユーロならば日常楽しめる高品質ワインは現時点では探せるので、当たるも八卦である。これは当った。ピノワールファンならばこれで十二分に満足できる筈。やはり2018年産は良くて愉しい。

来夏のルツェルンの音楽祭のプログラムが出た。ブルックナー五番をユース管弦楽団に序ベルリナーフィルハーモニカーのシーズン初日にかける。指揮者キリル・ペトレンコは、ブルックナーツィクルスをフォアアールベルクで希望していたので、コロナ前のシューベルト交響曲に続いて当然のこととしてブルックナーを指揮することは分かっていた。五番から始めるのも対位法のシェーンベルクなどに続いてありうるべき選択だったであろう。恐らく九番も続くと思う。

オーストリアの指揮者としてブルックナーをフォアアールベルクで振ろうとしていたがシェフ指揮者が計画していたので駄目になって、ショスタコーヴィッチになった。来年は時間があるのかどうかは分からないので、ベルリンで既に振った三曲以上にやるのは大分先になるということだ。

早速、ルツェルンの宿を予約しておいた。前回のところが値上がりしていたが、少し大きな部屋な感じのようで、先ずは保険に取っておいた。より安く快適なところを探したいが中々難しいと思う。地下ガレージが広めでよかったので、もし新車が入っていても気持ちがいい。



参照:
よく分からない価値判断 2023-10-27 | ワイン
旅絵日記一時帰宅編 2023-09-02 | 雑感
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不人気ほど面白いの意

2023-10-31 | ワイン
ラフマニノフ作曲ピアノ協奏曲4番が面白くなってきた。その曲は数字通り最後の協奏曲らしく、アメリカに渡ってメトナーによって作曲を推奨されたとある。既にアイデアは十年前の1914年にはあるようだ。ドレスデンで多くの作曲をしているとは知らなかったが、なるほどその作風はユーゲントシュテールなどの趣が濃い。そこにジャズの要素がとなるのだろうか。

それ以上に興味深いのは、交響曲第一番同様に、ストコフスキー指揮フィラデルフィアでの初演が不評で、その影響か晩年まで修正していたということだろうか。曲の成立の背景への関心もさることながら、現在においても他の協奏曲と比較して不人気というのが更に面白い。どうして受けないのかとか伺いたくなる。

金曜日にそれを所縁のあるフィラデルフィア交響楽団でそれも最も興味深いピアニストの演奏で聴けるとなるとお勉強に力が入る。ここでどうしてもその全貌を掴んでおきたいと思うからだ。二度と聴かない曲となるかもしれない。

そもそもトリアノフのピアニズムはペトレンコと共演するようになって認知した。コロナ期間中の二人の競演を逃したのは残念だったが、今後も機会は少なくないと思う。昨年のヴァルトビューネの野外演奏会も前日までは共演するとされていたのだが前夜故障でキャンセルした。素晴らしい協奏曲二番が演奏された筈だった。

アルテュール・ミケランジェリの演奏も知らずに録音を聴いたが面白かった。LPで手元にある唯一のラフマニノフ協奏曲かもしれない。出版前の自作自演の録音もあるのでこれも参考にしないといけない。
Sergei Rachmaninov - Piano Concerto No. 4

rachmaninoff playing his piano concerto no 4 in G Minor


一週間先のフランクフルトは壮行演奏会だ。週末は日曜日まで時間がない。またベルリンでは極東旅行ツアーのAプログラムが演奏される。「英雄の生涯」も頭に入っていないところがある。レーガー作曲「モーツァルトの主題による変奏曲」もじっくり見ておかないと駄目だ。

週末には、「雑食砂岩」リースリングを開けた。9月に追加で購入した二本目だったが、やはり良かった。2020年産は酸が弱い分、一日経過後にはバランスが崩れていたが、初日にプフェルツァーステーキの玉ねぎの甘みには最高だった。本当は2021年物が欲しかったのだが売り切れていた。2020年産が余っているのは、コロナ期間中で私の様に買いに行かなかった人が多かったからではないだろうか。一般的には酸があまり強くない方が容易に飲めるリースリングとして市場は大きい。また長い期間瓶熟成をさせてそれを楽しもうという酔狂な人も少数派である。

その意味からも今年のクリスマス時期にはこれの上のガンツホルン2020年を開けることは決まった。これだけまろやかならば栗ザウマーゲンにも合わせられるが、許容範囲は大きい。同時にいつもと変わらずに雑食砂岩のエッジの効いたミネラル風味が俄然楽しめる。そしてぴちぴちにまだ若い。



参照:
時計の針を戻すとき 2022-10-31 | 暦
よく分からない価値判断 2023-10-27 | ワイン 
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よく分からない価値判断

2023-10-27 | ワイン
ラフマニノフのお勉強をしている。交響曲一番は特に馴染みがない。作品自体はリヒャルト・シュトラウス作曲「英雄の生涯」と同様に19世紀の作品だ。その作品が青年様式のモダーンさを象っているのに対して、やはりチャイコフスキーなどに連なって古臭い。

若書きであることもあってか1945年になってガウク指揮で初演後に直ぐに演奏禁止にしていたりするので、やはり現在迄もあまり演奏されていないようである。偶々代表的な録音とされているシュケナージ指揮コンセルトヘボ楽団の全集は手元にある。しかし今回の様に生演奏を体験するということでもなければ真面にお勉強しようとも思わなかった。

2017年にフィラデルフィアで演奏されたものが生中継されたりしていたので、なんとなく耳にしていた。そして2020年に体験したペトレンコ指揮での「交響的舞曲」が圧倒的な印象を残した。そこからも一定の作曲家像も得たのだが、それに如何に繋がるかということでもある。

録音していたものを聴くと、中継で指揮者のネゼサガンの話しもあるのだが、一楽章の作り方でも交響曲二番のラフマニノフらしい作風には至っておらず、スケルツォにおいても我慢を強いるかもしれないと語っている。最近聴かれるようになった曲でマーラーの素材となったとされるロットとかの稚拙な作風にも似ている。

フィラデルフィア管弦楽団の演奏はしなやかな弦と管楽器とのアンサムブルでそのフレージングなどは最早映画音楽にしか聴こえない。若書きだからそれでよいということはなく、やはり創作意図を読み込まないと駄目である。少なくともムードだけで創作したり、演奏禁止にするようなことはないということだ。

バーデンバーデンでは三晩続けて、三つの交響曲とピアノ協奏曲四番、「パガニーニの主題による変奏曲」などが演奏されるのだが、交響曲三番の晩は購入していない。安いところは売り切れているが、高いところは余っている。

来週の金曜日に初日となる。その前にフランスのスーパーに出かける予定だ。その為にブルゴーニュワインも審査した。まだ買えるワインを物色する為で、2018年産でいいものがあったから試した見た。酸が効いていて、長く寝かしておけるものだった。他所で購入すると結構な値段のするプリミエクリュであった。開けてしまったのだから仕方がないが、この手のものを購入して長く寝かしておくまでの気持ちがあるかどうか。

リースリングの場合は、ブルゴーニュシステムをドイツの高級ワイン協会が採用してからも既に四半世紀の歴史があるので、その殆どを同時進行でお勉強している。現在地下のワイン蔵に一番多く保存しているのが2001年産で、それも既に20年経過していて、通常ならばあと数年すればコルクを交換しなければいけない。その前に一本開けて味見をすることになるだろう。

今後も期待して保存しておくべきものか、それともぼちぼちと消費していくべきかなどの判断はとても高度な判断を要するもので、醸造所ですら経験がないとよく分かっていない場合が多い。作曲家が演奏禁止にするようなものでもある。



参照:
付け合わせザウワーボーネン 2023-10-26 | 料理
備えておきたい生活 2023-10-11 | 料理
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時間的な余裕感を吟味

2023-10-16 | ワイン
次の旅行のティケットを購入した。1月のベルリンでの三晩の二晩しか購入してなかったので一晩を買い足した。

そして今回はベルリン北部のパンコウに宿泊するので、またまた冬季で日照時間も短く、九月の様にワイン街道から一気にチェックインから初日は難しいと思った。そこで途上でもう一泊する。場所を北側から入れるところを探したが、先ずはVW本社のヴォルフスブルク周辺にアパートメントを見つけた。安く40平米以上ある。どうも同社の研究所に通うような人が使うようだが、若干問題はそこからパンコウまでの距離で250キロを優に超えて、それはそれで遠く疲れる。10時過ぎにチェックアウトしても14時にしか着かない。すると結局通り道のマグデブルクとなったのだが、65ユーロである。さしてその周辺には興味もなく総合走行距離も若干延びる。

抑々ハルツ地方に行きたかったのだが、先日は時間的余裕がなく、今回は雪が心配である。だから出来るだけ避けたく、また態々ライプチッヒを経由するつもりもない。そこでまだ出かけたことがないケーテンやクヴェトリンブルクのバッハやプロテスタントのメッカ周辺を探すと、ザーレ河沿いに同様の価格で共同キッチンぐらいのところが見つかった。更に二つのアウトバーンが交わり、ハルツ山地の北からでも南からでも入れるので、どちらかに積雪があればもう一方のライプチッヒ側と含めて積雪がないアウトバーンを使える筈だ。最終的に直前までキャンセル可能なので天候状態で最終的に考えればよい。

そこならば総合距離で少し延びるぐらいでパンコウまで2時間半までを見ておけば到着しそうで、近回りすれば200キロも走る必要はない。旅行日にぐっすり就寝可能となれば、翌日の10時チェックアウトでのんびりと走れる。前日も16時チェックインならば暗い内に朝立ちしないでも500キロを到達可能なので楽であろう。

ミュンヘンから持ち帰ったアヒルのテリーヌも悪くはなかったが雉がやはり旨かった。ラインガウのリースリングは奥さんに態々分けて貰った2021年産のラインガウワーで、既に瓶詰めから一年半ほど経っていても酸が効いている。まだ二年には半年ほどはではあるが、少なくとも有害なリンゴ酸などは丸くなってしまっているので、熟したワイン酸が効いているということだ。来春まではバリバリに新鮮なリースリングとして楽しめることがはっきりした。

何故2021年のグローセスゲヴェックス「グレーフェンベルク」が素晴らしいかというと、より長く木にぶら下がっている葡萄はこうした地域ワインよりも酸が分解されていて、より長く新鮮さを保つということでしかない。

そして独特の香味とその果実風味は経年で落ちていくにしても、それで不味くなるということではないのを経験から学んだ。要するに新しい時に酸がそれだけ分解されていて、更に素晴らしい個性を放っている限りは、十年経ってもそうした美徳は薄れないということである。



参照:
サフランライスの秋の味覚 2023-10-09 | 料理
バービーと広島のミーム 2023-08-08 | 文化一般
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山の中にある産業

2023-10-07 | ワイン
ワインを取りに行くつもりだ。先ずはグランクリュを回収してこないと、折角予約して別けて貰ったのに申し訳ない。収穫量が絞られていたということだが、週末に出かけると上手く行けばまだ試飲させてくれるかもしれない。

しかしお目当ては、その先摘み入っているプリミエクリュである。春にはまたその下の雑色砂岩土壌のリースリングがここ数年は最も本数を飲んでいるワインで、最低18本は開けている。2022年産は酸が効いていないので限界はあるのだが、アルコール度数も11%越えぐらいでどんどん飲んで仕舞う。僕の健康飲料だ。

プリミエクリュも試飲して最低量は購入する。そして最後のは残っているかどうか。場合によっては昨年のプルミエクリュが買えるかどうか。なんだかんだと纏まった本数になる。

来年の五月の試飲会迄は日常消費用をこのプリミエクリュの2020年物と他の何かを加えて、適当な中間価格のもので誤魔化していくのである。以前はグランクリュは祝日などの日にしか開けなかったのだが、最近はどこの醸造所でもいいものが醸造されるようになって、購入する本数も増えて、月に一本ぐらいは開けるようになっている。

ものによっては20年程寝かしておく方がいいものがあって、中々開け時を選ぶのが難しいのである。なにもユダヤ人商人でなくても投機の気持ちは浮かぶのがこれだ。フランスのシャムパーニュやワインなどはこれで価格が上がった。ドイツも戦前はその様に価格が高騰していたのだが、ユダヤ人迫害で富が逃げた。有名な啓蒙の弁証法のアドルノの実家もビンゲンのワイン商であり、フランクフルト学派のロートシールド家のフランクフルト周辺にそうしたシンジケートが出来上がっていたのも当然だろう。

こうした栄光を取り返す運動がこのワイン街道のご近所で始まったブルゴーニュシステムの導入で、四半世紀を経て軌道に乗った。私が個人的に各地の試飲会などに出かけて、親方やオーナーなどと話すと、ドイツ高級ワイン協会長等の多くと知己があり、この流れを引率している運動の待った中にいて多くを把握していることから、隠密指導員のような顧客になっているというのはそういう意味からである。

購入したサラダ脱水器を水洗いして、葡萄を洗って回してみた。脱水度はよく分からないが、バランスは良い。上から水を出すところは上手く機能した。製造元はジーゲンとハーゲンとカッセルの中にあるような所謂ザウワーランドの山の中にある町にある。小さな工場が衛星写真で分かる。所謂ヴェストファーレンの重工業地たちとは全く異なるが、それに代わるような先端産業でもない。精々人口減少を引き留めて近隣の職場を作ったぐらいの経済規模だろうか。

ドイツの場合はアウトバーン網が整備されているのでオルペに抜けるにしても30km30分ほどで達する。反対方向にも100km程なのでまずまずである。こうした辺鄙なところに工業を育てるにはやはり交通網の意味が大きい。



参照:
サラダの水切りのように 2014-09-07 | 生活
欧州のユダ、ユダヤの欧州 2009-10-28 | 歴史・時事
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グラス向こうの先見性

2023-08-30 | ワイン
お出かけの準備が進んでいる。最後にジャガイモサラダを作って、そして道中に肉屋によってパンやソーセージぐらいを持って行けばよい。期限はまだ長いが料理用に下したバターを持って行くか。

野菜果物は、やはりキュウリは逃せない。プチトマトは十分にあるので、それ以外にも運転中に口に放り込めるものを選ぶ。洗って持って行くので、傷みにくいものがいい。卵もゆでていく。ハード眼鏡ケースも持参。

ワインは九月第二週にグランクリュワインを取りに行くナーヘのものを冷やして持って行く。道中のお勉強の為の音源も一通り揃えた筈だ。充電類も整えてある。

税金の整えは出来なかったが来週にはなんとかなるだろう。急ぎの署名類は給油の前に投函しておく。月末なのでいろいろと決済事項がある。

同じような旅行は繰り返していても持ち物が多いので結構忘れ物や事案があってこうして書き起こさないと怪しい。

今回は6月のタブレットをオンライン化して初めての泊りなのでプリペイカードに15ユーロを課金しておいた。スイス内のローミングはEU内と同じ様なので普通には使える筈だ。SNSに使えるかどうかは一度試してみたいとも思う。通常は500MBまでの容量なので写真や短いヴィデオぐらいが精々か。

燃料はリットル1.81越えそうなので、満タンにするとそれなりの額となる。最低価格の1,819は逃したが1,839で手を打った。

床屋の来週の予約も明日ぐらいに入れておこうかと思う。その為の現金をスーパーで買い物のついでにクレディットカードで準備しておきたい。スイスでの現金は50フランで足りなければ中央駅でカードで出せばよい。

新しいジーンズを今回初めて旅行に使うのだが、細身のウエストのボタンを外さずに走っていけるかどうかである。伸びがあるのでそれほど締まらないと思うのだが、長く乗ったことがないのでよく分からない。

週末にルクセムブルクに出かける前に試飲会に行くシャルツホフベルクのリースリングを開けた。日本など海外ではエゴンミュラーの銘柄の甘口として有名だ。2015年は特別な年度でそのコクのオイリーで尚且つアーモンド風味は賞賛されたのだが、今回開けてみると、やはりザール地方のワインらしく亜硫酸がかなり残っている。これだからモーゼルザール地方のワインは甘口で勝負してきたのだが高級から口へとの転換が上手く行かなかった。要するの葡萄の健康とその熟成の方法を学び切れていない。

ミクロクリマ的に難しい面はあるのだが、そこをクリアーできないと駄目なのである。だからもう一つ上のものを今回は前注文しなかった。それでも今回試飲会でじっくりと味わって、問題点などを醸造所と話してこれれば今後の参考になると思っている。購買者からすればある程度の額を出すとすれば偉大な熟成をしない事にはお話しにならないのである。二年ぐらいで飲み干して仕舞える日常消費品ならば気持ちよく飲めて食事に合わせれれば何も問題がないのであるが、寝かすとなるとより品質が問題になってくる。このリースリングでも酸がやはり引っ込んできている。



参照:
2015年産のお見事な出来 2017-05-20 | 試飲百景
晩夏のセレナーデの準備 2022-08-31 | 生活
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