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Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

緑カリフラワーカレー

2013-11-02 | 料理
必然的に重くなりそうなリースリングを開けて行っている。特に2010年でなければ購入しなかったようなものは早く開ける。その筆頭がイーディック2010年産である。VDP会長のクリストマン醸造所の目玉グローセスゲヴェックスであるが、良いと思ったことは一度もない。それでも、購入したのは強い酸が効けばどうだろうかという期待があったからである。

鳥胸肉と緑のカリフラワーのカレー煮をしたのでそれに合わせた。緑のカリフラワーは初めて料理するが、おまけに八百屋で貰ったものである。やはり白い通常のものと比較すると売れにくいようで価格も倍以上する。しかし栄養素は、アスパラガスとは反対に光を浴びている分白いそれよりも豊富なようだ。調理してみて感じたのは煮崩れし難くて、最後までサクサクとした感触が楽しめる、ブロッコリーのような独特の味を持っていないので使える食材であるということである。

さて、ワインはカレー味には予想通り悪くは無かった。本来は、シェーンレーバ―醸造所のフリュ―リングㇲプレッツヘンを開けようかと思っていたのであるが、あまりに繊細過ぎて勿体ないと思って、ハーフボトルのイーディックにしたのである。今まで新旧合わせて最も良かったイーディックであった。それでもハーフでもその価格は殆どPC級に等しい。13.5%のアルコールがどのように効いているかはわからないが、例年に比較するとコムパクトな味筋で、酸も量感はあっても丸くなっている。明らかに石灰の減酸の影響其の儘で、偶々土壌との相性が良いので、違和感は感じなかったが、もはや置いておけば色だけが濃くなっていきそうな勢いである。クリストマン醸造所の醸造では2010年はあまりもたないに違いない。

食事との相性も良好で機嫌よく、どってりした味筋ながら楽しんだのだが、翌日人に試して貰うと苦いと言い出すのである。なるほど後味が正露丸とまでは言わないが苦汁である。食事のときには酸との相性で全く感じなかったが、土壌のミネラルというよりも明らかに醸造法の問題であると確信した。果実風味が豊などというような評価も一部ではあるようだが、実際はその正反対の還元醸造法からくる苦汁系のリースリングがここの特徴である。

甘辛の日本の食生活に何故か好まれ、本来ならば苦味に弱い日本の舌にもその点が問題となっていなかったのは不思議なのであるが、恐らく酸とのバランスのとり方でそのような印象を与えているのがここのリースリングの特徴なのであろう。残糖の後味に弱い私自身、人に指摘されなければ分からなかったのであるが、天然酵母での綺麗で繊細なリースリング醸造が如何に難しいかを改めて教えてくれたハーフボトルであった。



参照:
黒い森の新旧エコシステム 2012-02-15 | 料理
虫歯なしのお祝い事 2013-04-23 | 雑感
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プェルツァークラシックの夕べ

2013-07-27 | 料理
なぜかプファルツには雨が降っている。それもここ二三日の雨量はカラカラ天気を補うほどである。雷雨性のものであるがこれだけ降ると一気に気温が下がる。天気予報では降らないことになっていたので、予想気温から摂氏十度ほど低い。それでも陽射しが射してくると急に暑くなることは分っている。

不足していた野菜を購入して、燻製のシュヴァルテンマ-ゲンの玉を購入した。これで久しぶりにプファルツの夕べが楽しめそうだ。レープホルツ醸造所のオェコノミラートを一本割ってしまった。地下蔵の棚の上に乗せた空箱に投げ入れるようにしたら箱毎と床に落ちてしまったのである。ワインを落として割ったのは初めてである。もったいない事をしたが今年はまだ買えるので安心である。

そろそろ来週のドロミテ行きの準備である。それほど高い場所を登るわけでもなく大きな壁を登るわけでもないので、準備と言ってもキャムピングの用意と平常のクライミング装備を持っていくだけなのである。

それでもこの機会に、数は余っているようだが椅子を発注した。今まで人に借りていたのだが、その座り心地はキャムピング生活に可也重要であることを知ったからである。先ずは家で試してみて考えてみよう。もう一つは、発売当初からウィッシュリストに入れていた登高器兼用のストッパーつき滑車である。今回のメンバーや概容では必要になることは無いと思われるが、必要ならば救出作業や荷揚げに使えるのだ。

序と言うか、暫く購入していなかったCDなども注文した。目的は、これまた出版前から話題となっていて待ちかねていたプリングスハイムのバイロイト日記である。試し読みするとそのページ数の少ない初出版の部分以上に本人の生きた時代を含めて網羅するエッセイなどが多くの頁が割かれていて興味深い。これで第三四半期の自動車クラブの割引も使えた。

それにしても、シベリウスの管弦楽全集に加えて、ザービーネ・マイヤーの吹くカール・シュターミーッツのロ短調の協奏曲は絶えず皿に乗っている状態である。初めて誰がバックを付けているのかを見るとアイオナ・ブラウン指揮のセントマーティン楽団であった。なるほど女性同士の感性で合わせているという感じである。こうした演奏実践の前では、全集の一面に入っているモーツヵルトの協奏曲も完全に色褪せてしまう。言い換えると後者の曲がもはやクラシックから遠く外れてしまっていいるということでもあろう。



参照:
夏の森の薬草と珍味 2005-06-28 | 料理
非公認ガイド修行の午後 2008-06-06 | アウトドーア・環境
プリングスハイムバイロイト詣で 2013-02-25 | 文化一般
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絶品の若ニシン箱寿司

2013-06-18 | 料理
金曜日は再び箱寿司を作った。前回は味見も兼ねて十分な魚の量がなかったのだが、今回は全てを寿司にするために購入した。価格は3ユーロ30ぐらいであるが、祖の価値は十分にある。今回は函寿司だけなので、米の量もミルク米を半合、通常米を一合で、合わせて一合半とした。

青紫蘇がないので、バジルを挟んだが、ひね生姜でも悪くは無いかと思う。その場合はホースラディッシュと粉わさびとは違う配合にしなければいけないだろう。形は、手際を間違えてあまりよくなかったが、寿司米を冷やす時間が取れたので味は悪くなかった。食したのは会合に出かけて帰ってからであるから、二時間ほど経ってからであった。

その分、食べることに専念できた。米自体の味も日本の水稲のように甘くは無いのでその分若干酢に味をつけるべきかと思われる。時間が経ってもパサパサすることはなくこの時期の寿司飯としては万全であった。寧ろ、こうした米になれると日本の水稲は水分が多いので胃にもたれて辛い。そもそも大飯を食する方なので、二合を食して胃がが痛くならない米で無いとと不健康に感じる。

米に関しては、水稲の独自性はあるが、決して日本の米が価値あるものだとは思わない。恐らく米を特別扱いしているうちは日本の農業はひとり立ちできないで破滅するだろう。TPPなどとは全く関係ない市場の自然淘汰の恩恵である。勿論消費者は、正しい情報を入れて、正しい判断を身をもってする必要があるのは言うまでもない。

昨日から今日にかけて鼻の調子が悪い。例の抜糸後の延長線上にあるが、丁度鼻風邪をひいた様な感じになっているのである。昨日から今日にかけてどんどんと気温が上がってきていることにも影響しているだろうが、日焼けと薄着との関係もありそうだ。兎に角暑さに極端に弱い人間としては、外気が三十度を超えると、とても厳しい。

ワイン祭りは漸く終わった。少なくともこれで夜も窓を開けて就寝できるので暑さに対する不安は少なくなった。出来れば明日の朝は早起きして、涼しいうちに一走りして大汗をかいて、恐らく数日も続かないであろう盛夏に逸早く順応してしまいたい。



参照:
久しぶりのニシン箱寿司 2013-06-04 | 料理
欧州からみる和食認証制 2006-11-03 | 料理
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久しぶりのニシン箱寿司

2013-06-04 | 料理
久しぶりに走った。一日中座っていて体を動かさなかったので、どうなるかと思った。起床から十分に時間を置いて走り出したので、最初から飛ばしてみた。その効果は大きく、いつもの折り返し点まで1795歩、十一分で走った。これはここ数ヶ月で最も早い、それどころか最高タイムに並んでいる。歩数で分かるように、下りの1670歩、11分に大分近づいてきている。これならばかなり限界に近づいてきていることになる。不思議なことに苦しい筈が流した筈の下りの速度も上がっているのはなぜだろう。このあたりに今後の方針があるに違いない。

日曜日はPCを片手にゆっくりと食事を作った。先日試した若ニシンがあまりにもよかったので寿司にしてやろうと思っていたのだ。旬のものでもあるので、通常売っているものと違って、樽漬けをパックしたような感じであったように、味もすこぶる旨い。そこで、箱寿司にした。量などもあって見た目は上手には出来なかったが、十分に勝負できる物であった。

寿司飯は、ミルクライスと同じほどの価格の安いライスを二対一で混ぜた。冷えても硬くならず、粘りもちょうど良かった。もう少し半々にしても良いだろう。箱は一合相当なので、残りはこれまた旨い沢蟹を入れたチラシ寿司にした。ニンジンや蟹やグリンピースを一緒に煮て、フランクフルト産の椎茸をその煮汁で改めて煮たがほとんど手間がかからない。錦糸玉子を作るのが手間な位である。これほど手軽に作れると、もちろん準備してある具のものものなどとは違って味も格別で、全く文句がない。ニシン寿司もさば寿司に比べても決して悪くはなかった。旬のうちにもう一度買えれば、改めて箱寿司にしてもよいと思った。

箱寿司にはヴァイツェンビアーを飲み、夜食のチラシにはリースリングとなった。ザールのフォルクセム醸造所のリースリングはこうした食事には格別旨い。とにかく材料費は、安物ばかりで、一番高価なのは一口飲むワインであるのはいつもの如くである。



参照:
余裕が全く無くても冷静な元旦 2013-01-01 | 料理
欧州からみる和食認証制 2006-11-03 | 料理
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アスパラガスで一杯

2013-04-29 | 料理
急に冷えたので体調を崩している人も少なくないようだ。それでも自身は水曜日の疲れはあっても抵抗力が増して来ているのを感じる。目の下の隈も一年以上ぶりで消え去って、健康と精気を感じ出している。口の施術後の傷は、まだ完全には回復していなくて、鼻の奥から喉へとしばしば膿が落ちているのを感じるが、もはや前には出てきそうにない。

今日はフィレステーキとアスパラガスで昼餐とする予定だが、その前に朝食のパンを取りに小雨の合間を縫って走る。軽く流すと同時にピッチを長くする努力をして往路を1777歩、七分であるから、二年前の記録とほぼ同等である。しかし殆ど六分に近かったようでかなり早かった。その分復路に十分も掛かってしまった。ピッチを広げて早くなることを確認したと同時に心肺への負担も十分に感じた。

さてワインは最高のドイツ赤ワインの年と言われる2003年を開けてみた。最後から三本目であるが、下のクラスのものなので十年ほどで試すにはちょうど良い。開けると俗に言われる沢庵臭のようなひねた匂いと味が初めて感じられた。熟成が進んでいる証拠だろうか?ビオデュナミではドイツ屈指のクリストマン醸造所の下から二番目のピノノワールである。

ひねた感以上に苦味に準じたものを感じたのは酸が飛んでしまっているためであろう。要するに寝かせ過ぎでもあるようだ。しかし記録的に暑いあの夏の熟成は十分に伝えていて、スマートながらボディー感は十分にある。残念ながら複雑感は2005年のものに劣るようだ。もう一つ上のクラスのものもある時点で飲み干してしまう必要性を感じた。なるほど2003年産は記録的な年度であったが、その後の2005年の方が複雑で繊細であり、甲乙つけがたいことを考えると、それほど拘る年度ではない。寧ろ、フランスのそれに目を向けたときにはこの程度のピノノワールならば比較的屡収穫されるので、それほど価値が無いと思われる。



参照:
アスパラガス牛ステーキ 2009-05-04 | 料理
ぶらさげてなさい、ボックスボイテル 2010-05-25 | ワイン 
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春らしい貝の観察

2013-03-07 | 料理
春らしくなってきた。朝晩の冷えはまだまだ真冬であるが、昼間の強い陽射しは日光浴に適する。それでも裸になって外で寝そべる気持ちなどは毛頭ない。一月の間に全てが進行する。

懸案の事案もようやく片付いたようで、心理的にも氷解である。事務処理などには追われそうであるが、ここから夏時間になるまでの三週間ほどを精一杯謳歌したいものだ。

そろそろ相棒の医者から石切り場へ行こうなどと言う声が掛かるかと落ち着かないが、冬時間の平日は夕方の出かけても意味はなく、精々昼前後の時間のみである。予定は月末の復活祭の週に暖かいところで試してみるぐらいだ。それまでの移行期間に腕の調子や体調などを整えて、室内から室外へと継ぎ目なく進めたいのである。

昨晩開けた祝杯のフォン・ブール醸造所のシャンパーニュ風ゼクトは、予想通り2011年のデゴルジュ直後からすると大分新鮮さは落ちていた。それでもボンゴレに合わせたリースリングゼクトとしては十分であった。なによりも2007年産ペッヒシュタインのミネラルをふんだんに感じせながら、グローセスゲヴェックスよりは大分安い。手回しでこの価格でこれほどの葡萄を使っている例は外国ではありえないだろう。本格的な商品であるよりも、ファン向きの商品のようなものだ。最後の二本を買い占めたものである。

四旬節中はやり残したことをじっくりと腰を落ち着けて片づけてしまって、本格的な春から初夏へと一挙に開花したいものである。昨日の散髪は改めて落ち着いてくると問題のMフォームも和らいで、鏡を見て満足している。女性に聞くと今までと違うことは一目瞭然で、もう少しサイドを刈り上げてもよいのではないかと言う評価だった。しかしそうなると気が横に立ちやすいので逆にヴォルューム感が出てしまう。

購入した買いはいつもの北海産のオランダからのそれであるが、初めて塩水につけると生きているのが確認できた。先週金曜日ぐらいの包装であるので、真空状態でじっと生きていたことになる。流石に砂を吐き出すようなことはしないが、空気を出したり、重心を変えて貝の向きが変わったり、毛を吐き出すなどの状況が観察できた。流石に新鮮な味がした。



参照:
客観を装うあくのある「中立」 2011-12-05 | 料理
ストレス続きで次の一手 2013-02-22 | 生活
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余裕が全く無くても冷静な元旦

2013-01-01 | 料理
今年は弁当箱に詰めた正月料理は止めた。なんとなく暇が無いと言う感じが強いが、実際に大晦日のカウントダウンにお呼ばれなどしたので、帰宅してそばも食べずに床に就いたのは早朝三時を過ぎていた。

カウントダウンまでは金曜日の疲れが残っていて我慢出来そうになかったので断っていたのだが、「不幸が訪れると脅かされて」結局二時過ぎまで居座ったのであった。ロケット花火を打ち上げられて気持ちは良かったのでよしとしよう。

そうした事情もあり、大晦日に煮物を始めて、寿司具を頂いたのでそれで二合の散らし寿司を作り、あとは鮭を塩漬けにしておいた。

前日にはモスバッハーのフロインドシュテュックを皆で飲んだ。2009年もので飲み頃であった。とても優しい飲み口が素晴らしかった。その他は様々だがあまり飲まなかったのだが、とても多彩で素晴らしかったビュフェのなにかが当たったのか腹具合が少し悪くなった。酒気帯びよりも帰りの運転は眠かったが、最も酷いときに比較すると大した程度ではなく、途中で休憩する必要は無かった。

そのような按配で、元旦のワインは冷やしてあった2008年産のグレーフェンベルクを開けた。ロベルト・ヴァイルの比較的早い時期のグローセスゲヴェックスであるが、上手に出来ている。2008年の見間違えることのない酸はここでも健全で完全に開き切っていて、結構朽ちる方へ近づいて来ている。その酸の特徴もこれだけの醸造所のワインをして下品にさせるだけの個性があって驚くばかりである。2008年のグランクリュも完全に峠を越えて、新鮮なうちに飲み干すべき時期だろう。

そのような味筋とは関係なく、疲れが溜まっているので、食も細く盃も進まないが、反対に毎年のようにノイヤースコンツェルトを見ていての感興もあまり強くなく、大変落ち着いた元旦となった。雨が降って気温が徐々に下がっていっていることもその原因だろうか?天気が良かった割には花火が低調だったようだ。勿論自宅ほどに遠くまでの花火を眺望できる場所は少ないことを再確認した。インスブルックのミレニウム花火も経験したが、自宅からの花火が最も華やかなので、一度パーティーを考えてみよう。

明日から仕事始めである。夜にはまたクライミングとなると、本当に休み無しで今年も昨年以上に忙しくなりそうだ。なぜか以前のように、本を積んでおいてゆっくりとする余裕もなくなってきている。



参照:
毒が体中に回った元旦 2012-01-02 | 暦
寝正月で会得したことなど 2011-01-02 | 料理
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胃袋がザウマーゲンに

2012-12-27 | 料理
クリスマス恒例の昼餐は栗入りザウマーゲンである。ワインは、イエズイーテンガルテンのグランクリュリースリングとなる。

今年は2009年産が飲み頃を迎えており、更に酸が弱いせい三年であるので飲み干しても惜しくない。可也贅沢な話であるが、ワインも寝かしておくだけが能ではない。見切りが出来るのも経験のなせる業だ。

既に書いたように2008年産はその判断が難しかったのだが、これも大体見切れることが出来た。そして大分その独特の酸の強い味を愉しませて貰ったがこれ以上こだわる必要も無かろう。

2007年産が最後の眠りに落ちたところで飲めるものは2009年ものしかないのである。2010年はやはり偉大な年になりそうで、まだまだ二三十年以上は話題に上ることだろう。こうなれば寝かせておくしか能が無い。2011年産の今とやかく言うものでもない。

そして2009年産は酸が弱いので一般受けする一方、リースリング愛好家には見下されていたが、意外なことに素晴らしく綺麗に気持ちよく熟成している。新鮮な鋭い酸もまだ活きていて、糖を落とし多分大成功しているのはフォン・ブール醸造所のイエズイーテンガルテンである。糖を絞りきっているので殆どレープホルツ醸造所のそれのようだが、浅浸けなので些か薄っぺらい反面その香味やミネラルは素晴らしい。これだけ太陽に恵まれた土壌のワインをここまでするとは天晴れだ。

やはり食事には甘みを徹底的に落としてミネラル風味を感じさせて、殆どミネラルウォーターのようなワインが旨い。残糖感が感じられるようでは敏感な食事の味が全く楽しめないのだ。ギフトとして貰ったカステル・ペーター醸造所の二つ星のウングシュタイナー・ヘーレンベルクのリースリングがその残糖感だけで料理ワインになってしまうにはそれだけの理由がある。

結局地所とその土壌の質がワインの出来上がりを殆ど決めてしまうのである。ガイスボェールよりもウンゲホイヤーよりもイエズイーテンガルテンの方が土地が軽いのは明らかなのだ。残糖感を残さないように健康な葡萄から辛口のグローセスゲヴェックスを醸造すればその差が明らかとなる。

料理は、付け合せのヴィルシンクがとても美味しく出来た。最初に痛めるときにあまり焦がさなかったので苦味が出なかったからで、少々加えた砂糖と料理ワインが綺麗な味にした。800グラムほどを一気に腹に収めると、自分の胃袋がザウマーゲンになったような気持ちになった。流石に夕食は抜きにしてゆっくり休んだ。



参照:
今年だけの薄切りの春 2012-04-18 | 料理
Hop, Step by Step & Jump 2011-12-27 | 文化一般
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鰻上りの高品質を堪能

2012-04-23 | 料理
満を持して最後の一本のリースリングを開けた。2002年産ペッヒシュタインでである。十年前には何度も垂直試飲させてもらったワインなのだが結局後にも先にも一本しか購入しなかった。理由は特別なリースリングであって、最後の一本しか購入出来なかったからだ。何度も何度も試飲のご相伴に与って友人には勧めて買わせたのだが自分はこの一本である。

理由は単純で、自らは2001年産の繊細さと新鮮さを好むから、垂直試飲するとどうしてもこの特別にミルキーで豊満なそれに手が伸びなかったのである。それどころかその香ばしさは、― ワインは食事のご相伴がモットーの愛好家として ― もはや燻製の鰻しかあわせるものがないという結論が導き出されていたからである。ワインをちびちびと飲むという習慣が全くないものだから仕方がない。ビール党の人間だから仕方がない。

そこでその話をしておいたら、本当にその機会を作ってくれた。山仲間の兄が釣り名人で一週間前ほどに十分に淡水魚を釣ってきたというので、2002年産それと通常の川魚に合いそうな2004年産を持参したのであった。燻製の装置も新しく購入してお披露目となった。鰻も何匹もライン河畔で釣ってきており、コイ科の魚と山で釣ってきたマスの三種類が一週間以上にわたる準備の後燻製にされた。それ以外にもう一種類フリカデールにされてオードブルとなった。驚くべきことに全く臭みもなく砕けた骨が魚を感じさせたぐらいで、塩水につけていた分が残念ながら塩超過となった。

さて燻製の方は新しい装置だったので試し試しの部分もあったが、コイ科のそれだけが燻製が通らずにもう一度繰り返し煙にこめられたのを除いては完璧で、驚いたことにこんなに美味いマスを食したことはなく、やはり手間隙掛けた燻製の威力を感じさせる。そして、コイ科のそれはなるほど藻臭さをどこかに感じるのだが、丁度それは2004年産ペッヒシュタインのどこか曇った香辛料臭さに全く完璧な相性であった。

そして、お目当ての鰻である。これまた脂臭くしつこさの極みのようなこの長いものがこれほどミルキーでぽってり感があるのは知らなかった。やはり体験してみなければ分らない味の世界が幾らでもあることを知った。日本で食される鰻巻きや鰻鮨の程度ではないこの純粋な美味はどうしたことだろう?

それに寄り添う2002年産ペッヒシュタインには、これ以上の食事はないと思わせる相性であった。コルクを抜いてグラスに注ぐや否やその果実風味に確信を持った。幾らか不安があった鰻の油の灰汁にワインが潰されることもなく、ワインが強すぎて鰻の味を分離させることもなかった。このワインは全くフィルンと呼ばれるような黄昏には遠く、色合いも十年前と殆ど変わらない。そしてなによりも2002年の酸が心地よく口の油を綺麗さっぱり洗い流してくれるのである。なんという濃くのある殆ど燻製されたような果実風味だろう。

リースリングと魚の相性。先ずはここに完璧に示すことが出来た。そしてこのグローセスゲヴェックスに黄昏が訪れるのもまだまだ先の様子で万が一可能ならば十年ほど先に2001年産と比較して楽しんでみたいものである。それに比較すると冷夏の2004年産の限界は初めから定まっていたが、新鮮な香料味ではこれまた燻製魚の灰汁を綺麗に流してくれる清涼感がとてもよかった。2009年以降は完全天然酵母醸造となったビュルクリン・ヴォルフのペッヒシュタインであるが価格も上がったが、その質に関してはヒュージョンソンが自らセラーに買い込んだのも当然で、白ワインの最高峰に違いない。

次回は出来ればワインとは関連なく鰻の蒲焼に挑戦してみようかとなったので、色々と鰻の種類やレシピーなどを調べてみなければいけない。しかし、こうした高品質の燻製と比べれば蒲焼の味は殆ど野蛮としかいえないが上手に遣れば鰻そのものの味を引き出すことが出来るだろう。



参照:
摂氏零下の小夏日和 2012-03-07 | 暦
Hop, Step by Step & Jump 2011-12-27 | 文化一般
トロピカルかパッションか 2011-09-23 | 試飲百景
何が必要かが問われる 2011-09-19 | アウトドーア・環境
九月一日はグランクリュ解禁日 2011-09-04 | 暦
自主避難の自主判断基準 2011-08-14 | マスメディア批評
まさに春は虚の状態の季節 2011-03-05 | 生活
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今年だけの薄切りの春

2012-04-18 | 料理
南仏から返ってきてずっと凍え続けている。朝晩が摂氏零度になると空気も冷たく、曇天どころか雨天となると気温も精々摂氏二桁までである。ここ数日は摂氏一桁とまりである。先週土曜日に走って、明くる日から太ももに痛みがはしって、上体は筋肉や筋が勝手にうずうずしだした。

殆ど風引きのようなぞくぞく感もあって、また手首の故障部分や筋肉が何か戦っているような感じがしたので、雨が上がった火曜日も極手短に森を駆けた。何時かの眠れぬ夜の苦しみがあったのはいつのことだったかと古い記事を探すと2009年秋に椅子に腰掛けて朝を迎えたことが記録されている。

あのような鈍痛はご免である。いったいあの苦しみは何だったのか?そこまでは酷くはないが、ここ暫くは寒気を感じて、夜を過ごしている。それだからといってヒーターをつけて温まると暑すぎるだろう。そうである。日本の特に関西の冬などは同じような陽射しで、暖房が十分でないために同じような寒さを感じていたのであった。

流石に雪がちらつくことはないだろうが、一年前とは大違いである。今年の葡萄はどのように育つのだろうかと大変興味津々である。空気は冷たかったが、それでもTシャツで二十分ほど軽く運動しているとうっすらと額に汗らしきを感じる。今年は今年だけの春なのだ。

週末には偶々店先で見つけたおもちゃのようなザウマーゲンを購入して、半分をカルパッチョにしてみた。初めての試みであったが、繊細な豚肉と詰め物や香辛料の味が際立って、薄切りにした価値があった。今後も試行錯誤していきたい料理である。

勿論リースリングを合わせるために、オリーヴオイルではなくて植物オイルを使って、臭みを出さないように注意した。ビュルクリン・ヴォルフの2010年産のゴールトベッヒェルを開けると、驚くなかれ、あの歯に沁みる酸が丸みを帯びてきていて、果実風味が再び開いてきてとてもバランスが良く飲み頃となっている ― 瓶詰め後一年後の山、とても珍しい現象である。恐らくあの当初の酸にはリンゴ酸などの刺激性のものがあったのだろう。これならば2010年の将来性はとても高く、明らかに2008年の癖のあるワイン酸主体と2007年のそれの間ぐらいで、比較の仕様がないほどの量なので、2001年産以上の大化けが想像できる。




参照:
ある肌寒い残暑の夜 2006-08-25 | 料理
舌鼓を打つ山の料理 2006-08-01 | 料理
走って走って走るのが一番 2012-04-15 | 生活
豚インフルエンザに違いない 2009-11-25 | 生活
豚に克つ奴だけが生き残る 2009-11-26 | 生活
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ホップステップ蛙飛び

2012-04-14 | 料理
南仏での生活ではカルフーにお世話になった。ソムリエである私は熱心に地元のワインを探すことになるのであるが、仲間がアルザスのドップのマグナム瓶を発見した。2010年産のリースリングで価格は9ユーロ程度である。リッターの価格かと皆が疑ったが、興味深い2010年であり購入した。

その夜のオードブルはアンティチョッペンだったので、時期遅れに持ち込まれた2009年産のヴァッヘンハイマー・レッヒベッヒャエルを先ずあけた。予想通り飲み頃を外しており、残糖感があって折角良い時期にプレゼントしたものをと悔しい思いであった。それほど悪くはないのだが、今回持ち込んだ2011年産オルツヴァイン・ヴァッヘンハイマーの新鮮さと繊細さとミネラルに及ぶはずがない。飲み頃を外せば、全く価格も何もかもひっくり返ってしまう好例である。しかしこれをマニア以外に会得して貰うのはとても難しい。

さて、メインディシュは蛙の足だったが、アルザスのそれを合わせた。食事は、トマト風味とクリーム大蒜風味の二種類であったので特に後者には良かった。なによりもあの価格でというのが満足度に繋がる。

そして必ずしも容易に減酸できなかった2010年の酸を上手に処理しているのである。リングの香味は感じてもそこにはとげとげしい酸もなく石灰での処理の痕跡も感じさせない。しかし、前記の2009年産と同じような残糖感があり、マグナム瓶に期待した新鮮さがない。

皆が見つけたようにこの有名な醸造所には二十年以上前に遠足序に立ち寄って試飲した記憶がある。その時の印象は、「なんてアルザスのワインは薫り高く、優しく、繊細なのだろう」と、フランスワインの文化に触れた思いがしたほどである。なるほど当時のドイツのワインの辛口はテロワーの出し方も中途半端で硬く、酸と甘みでバランスを取っている白物で、流行の培養酵母の香りは一面的でしかなかった。それに比べてのフランスのワイン文化であった。

そして今はどうだろう?なるほど、この価格でスパーで広く売るには、このリースリングの安定度はとてもドイツのそれとは違って世界の市場を狙うにも好都合である。しかし、テロワーの出し方や、揺れ動くリースリングの瓶熟成を楽しめないどころか、手練手管で出来上がってしまっている印象が強い。あの2010年の実りの証がとても感じ取りにくい。そしてなによりも若いのに老成してしまっている。これでは熟成も楽しめない。

ドイツのリースリングはグローセスゲヴェックスをフラッグシップとしてこの二十年間の大きな発展を遂げてきた。それは、この場合でも還元醗酵過程から酸化発酵過程へと、再び天然酵母と木樽の重視などとここ数年でも大きな変化を遂げていて、それは市場のトレンドではなく非常に実験科学的な視点での試行錯誤の結果なのである。そしてなによりもフランス人が始めたビデュナミの大規模な実践などとてもドイツ的なシステマティックな技術的進歩を遂げてきた結果なのである。

容易に、同じ味で売り買いが出来るワインは市場価値がそれなりについて商売の種としやすいわけなのだが、我々愛好家にはそのような要素はどちらでも良くて、一瞬の輝きのときのご相伴に与れればそれで満足なのである。




参照:
リースリング・リング試飲会雑感 (モーゼルだより)
破局に通じる原発銀座の道 2012-04-11 | 文化一般
地中海を臨んでの幸福感 2012-04-10 | アウトドーア・環境
それでも生きていたいのか? 2012-04-09 | 文化一般
地中海の海岸に遊ぶ 2012-04-09 | アウトドーア・環境
原発銀座の四つの水蒸気塔 2012-04-08 | アウトドーア・環境
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牛フィレの赤い香ばしさ

2012-02-20 | 料理
木曜日にフィレステーキを食した。偶々肉屋に最後の一切れが残っていたので購入したのだ。平素は価格も高めで量を食べられないことからフィレを買うことは少ないのだが、その晩は少なく良質のものを食したかったのである。

ワインはピノノワールを考えていた。選んだのは2007年産クリストマン醸造所のシュペートブルグンダーSCである。これはカペーレンベルクなどのギメルデリンゲンのマンデルガルテン上部の土地のものでデリケートな味筋のものである。

2007年産を選んだのは、並ぶ2003年産や2005年産よりも前に開けてしまいたい年度であり、上位のオェールベルクの前に試したかったものである。要するに薄造りのピノノワールなのでそろそろと思ったのである。

2007年産は良年のうちには入るが、どちらかと言えば獣臭や毛皮臭が特徴で森の獣肉以外には合わせにくい。しかし、このSCはやさしいのでフィレに開けたのである。

結果は予想以上にハーブ香などに変わっていて完全に飲み頃となっていた。それを示すかのようにグラスの縁の色はかなり落ちてしまっていて、正しく空け時だったのである。

牛肉の方は、両面をさっとバターで焦がして、昨年に南フランスから持ち帰ったロズマリンの枝に乗せてオーヴンでホイル焼きにしたのである。これまた大変香ばしく、繊細なピノノワールにベストマッチであった。

最近は飲み代が無いので飲む量を減らしているが、食事とそのワインの質では可也のレヴェルアップが感じられる。それだけ厳選したワインを適時に購入して寝かしていると言うことになる。正しく最大の贅沢は、金銭の額ではなく、ゆとり感であるのだ。因みにフィレは、100グラムほどで6ユーロほどであった。



参照:
肉屋では歯が良いと嘯く 2009-07-12 | 女
液の滴る贅沢な晩餐 2008-09-08 | 料理
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黒い森の新旧エコシステム

2012-02-15 | 料理
承前)グリーンぺッパーソースのステーキを食した。上に乗っているのはバナナであるが思ったほど甘くはなく、芋感覚で食せる。何よりも薄味で塩を掛けるほどに抑えてあるので、牛肉の味が活きる。隣の牧場の隣の息子が捌いたものだろう。

火が通っていても赤味が十分に射していて流石にプロの焼き方だ。付け合せのブロッコーリーもカリフラワーも臭みが全くなく見事であった。そのような食事にはピノノワールを合わせた。グラスワインとしては二種類の辛口があったが、安いカイザースシュテュールのそれを避けて、デュルバッハのそれにした。2010年産のようで細身で色が薄いが芯があってなかなか上手に品良く造ってある。やはりデュルバッハの土壌はバーデンでは飛び切りよい。

近所の農家ではコンクリートブロックを重ねた新築の家が従来のシュヴァルツヴァルト風の屋根組みで建設中で、資金さえ投じれば外見は伝統的でも世界で最も現代的なエコホームが出来上がる。ソーラーシシテムやヒートポムプを駆使して背後の森からの木っ端を使ったガスタービンが現代の最新のエコシステムなのである。

想えば「旅館アドラー・ペルツミューレ」も二十五年ほど前に最初に訪れた時からすると母屋も拡張されて、豚小屋はホリディーアパートメントになった。金曜日には日本人が泊まりに来たらしい。それでも一週間前に親仁が豚のためのお湯を運んでいたのでどこかに隠しているのか?あの糞尿の匂いは完全に消えてしまった。まさに自給自足に近いシステムがそこにあったのであり、新しいシステムもそうしたものが望ましい。



参照:
Landgasthof Adler-Pelzmühle
滝場への冬の長い旅 2012-02-08 | アウトドーア・環境
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気に入るということは

2011-12-21 | 料理
クリスマス菓子のシリースである。今回はバスラー・レープクーヘンを試した。蜂蜜は当然だとしても、胡桃が入っているようで、なかなかよい口触りであった。あまり甘くないのも気に入った。

バスラーは、スイスのバーゼル地方のことを指すが、ドイツ人にもスイスの地方固有の形容詞形を知らない者が多い。チューリッヒのヅュルヒャーなども古い高級紙などを読まない人は尚更知らない。

本日、肉屋でクリスマスから年末年始の注文をした。毎年のごとく栗入りのザウマーゲン、きのこ入り、緑胡椒入りと、カモの燻製むな肉、シュヴァールテンマーゲン、リースリングズルツェ、アップルレヴァー・パステータなどである。後は魚介類と、野菜だけを揃えなければいけない。

ワインは、試しに2007年産のペッヒシュタインを開けた。バッサーマン・ヨルダン醸造所のグローセスゲヴェックスである。結論からすると秋口に開けた2008年産の方が鮮やかさがあって良かった。開いてはいるのだが、香りが広がるわけでもなく玄武岩の土壌感に繊細感が欠ける。要するにインターナショナルなグランクリュワインとしてはまだ駄目である。木樽での醸造と熟成をしていないために、十分な酸化工程が得られなかったのだろう。その後の木樽の多様で今後は解決されると思われるが、折角の2007年産としては期待外れであった。逆に2008年産はその鮮やかさが開いてきているので、年末年始には2008年産のグローセスゲヴェックスを中心に開ける心算である。

そして、そこに、2007年産の締まったワインやゼクト、2010年産の酸の鋭さ、ピノノワールなどを挟んで行くかが課題である。昨日、ミュラーカトワール醸造所にプレゼントのワインを取りに行った。2010年産マンデルガルテンのリースリングである。未だに2010年産が売れ残って販売している数少ない高級ワイン醸造所であり、その為か2011年産は三月以前には出ないと明言していた。

オーナーに言わせると、試飲会の節はこのワインが最も売れたようで、「不思議」なのだそうだ。もちろん微炭酸のないビュルガーガルテンの方が出来が良いリースリングであったが、簡単に楽しめて特別な味筋のこれは決して悪くはなかったのをその売れ行きが語っている。その残糖値5.8g、酸9.4gは間違いなくの辛口なのだがそのように感じさせないフルーティーさが売れたのである。もちろん私見である、「ビュルガーガルテンの方は比較的買いやすい価格のグローセスゲヴェックスを選ぶ」とするのは理があることなのである。価格対価値の計算が今一つ経営のマネージメントにもう一つ欠けているのではないかと思わせた一コマであった。



参照:
ケシの実を育むように 2011-12-10 | アウトドーア・環境
南独のもの北独のこと 2011-11-25 | 料理
ある肌寒い残暑の夜 2006-08-25 | 料理
自主避難の自主判断基準 2011-08-14 | マスメディア批評
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客観を装うあくのある「中立」

2011-12-05 | 料理
テプコが高濃度の核汚染水を漏出させた。これだけで幹部の首が飛ぶような強制捜査ものの業務上過失重大事故である。日曜夕刻の会見をちらほら見ていたが、案の上ネットで見る読売新聞の報道姿勢には驚かされる。

釜からの処理水45Tが海に流れているかもしれないとして、「東電は海への流出があるとしても少量と見られ、影響は小さいと見ている」と伝言をするだけでジャーナリズムの「中立」な使命が果たせると思っているらしい。

企業の歴史的理念として、「安全な原子力の将来」を求めることと、こうした事故報道の姿勢は全く異なっていてしかるべきなのだが、世界的に嘘つきとして信用の全く無いテプコの見解をそのまま伝えることはイデオロギー偏重報道以外の何ものでもない。

さらに会見でのアリバイの質問にもあったベーター線放出核子とガンマ線の被曝の相違を、まるで三月の事故直後にNHKの山崎記者の安全デマ解説のようなやらせ質問をしてテプコにデマ回答をさせているのである。

いったい何処の誰が、放出している廃液のガンマー線量を気に掛けているだろう?報道によって知らされる国民の多くはベーター線放出核子であるストロンチウムなどによる海洋汚染と海洋生物の汚染による自らの内部被曝にしか関心が無いのである。作業員の被曝に関しては社会的な問題であっても社会的な関心などではないのである。

立方センチあたり10の五乗の濃度ということは一般的な表示リットルあたりでは10の八乗というとんでもない汚染濃度になる。同じようにテプコは、いつもその検体計量の関係か、海水などの液体だけでなく気体でも高汚染領域では必ず立方センチメートルを使用する。しかしこれも、社会通念からすれば基本単位は立方メートルなので、必ず10の六乗を加算しなければいけない。

先日などは建屋上部のプルトニウム汚染量をして、立方センチメートル表示の10の何乗をさらにミリベクレル表示するなどして明らかにイメージの混乱を意図しているとしか思えない発表を繰り返している。既に日本の国民は放射線の汚染の数値に関しても殆ど馬鹿になっているのだが、こうした政治的な意図のある発表や報道は決して認めてはいけないのである。

温かい雨が降り続いているようなとても温暖な冬であるが、なぜか今年は早めに貝をスパゲティー・ヴォンゴレにした。価格2.99ユーロは、例年と変わりなくそれでもオランダ製とはなっておらず、同じ北海産でもドイツ産なのだろうか?安売りになる前の新しいものだったので比較的美味しく食せた。2011年産のグーツリースリングを惜しみなくたっぷりと掛けて、なかなか豊かな気持ちになれた。降雨のために運動が出来なかった分丁度良い昼飯となった。新鮮度には限界があるが、少なくとも茨城や福島周辺の貝などよりは遥かに安全な食品だろう。


追記:側溝に流れたものがそのまま海に流れる形になっているらしい。驚いたのは、危険な化学工場プラントなどでも雨水も含めてお椀型になっていて直接は排水が流出しない構造になっているのだが、原発ではそのような危険性がそもそも考慮されていないようだ。どうも連中に言わせると高濃度の核廃棄物は毒性が無いらしい。



参照:
安全デマ被害補償の一時金 2011-08-19 | マスメディア批評
新雪雪崩を起こすのは貝毒だ 2011-01-02 | 生活
寝正月で会得したことなど 2011-01-02 | 料理
貝毒なんかに負けてたまるものか 2010-02-10 | 料理
コメント (2)
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